
1: ななしさん@発達中 2025/05/23(金) 17:15:56.86 ID:9AhprNzo9 【書評】「職場の困ったさん」大炎上した書籍を最後まで読んだら衝撃の大どんでん返しが「散々人にレッテル貼りしておいて…」 入手するためにかなり苦労した。出版前からX上で炎上騒ぎが起こっていた神田裕子氏の『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』(三笠書房)。 発売日は4月24日だったが即座に各所で品切れ状態となり、私が入手できたのは5月13日だった。すごく売れている。 なぜ、これほど話題の書になったのか? そして、実際に読んで気になる点はあったのか? そのあたりについて、本稿では振り返っていきたいと思う。 「困ったさん」=精神疾患・発達障害とレッテル貼り 発売前から指摘されていたのは、同書が「困ったさん」呼ばわりで括っているのが精神疾患や発達障害の人たちという点だ。具体的には、以下の6タイプの「困ったさん」がいると紹介している。 ・こだわり強めの過集中さん→ASD ・天真爛漫なひらめきダッシュさん→ADHD ・愛情不足のかまってさん→愛着障害 ・心に傷を抱えた敏感さん→トラウマ障害 ・変化に対応できない価値観迷子さん→世代ギャップ ・頑張りすぎて心が疲れたおやすみさん→疾患 戦慄するカテゴライズである。すべて、障害・疾患と結びつけて書く必要のないものばかりだからだ。 【中略】 ●ここまで公然とボロク●に叩いてもOKなのか? このような疾患や障害に対する決めつけを見せられたうえで、まえがき部分を読み返すと、より一層味わい深くなってくる。 「職場の困ったさんは、『デキる人』や『いい人』がつらい思いをしている間も、カフェでのんびりお茶をしたり、休日の旅行を満喫したりしています」 ものすごい独自見解である。どこ情報なのだろう? 精神疾患や発達障害をここまで公然とボロク●に叩いてもOKなのか? この本、至るところに神田氏の本音が透けて見える箇所が頻出する。たとえば、彼女は発達障害についてこのように述べている。 「(発達障害を)個性として面白がるくらいの寛容さが必要なのではないかと思うのです」 【中略】 ●とってつけたように「人を発達障害と決めつけてはいけません」 ラベリングされた6つのタイプの具体的な特性として、書籍内では以下のようなものが羅列されている。 ・異臭を放ってもおかまいなし(ASD) ・取締役にも平気でタメ口(ASD) ・同僚の功績を平気で横取り(ADHD) 大丈夫なのだろうか、これは? 完全に偏見を助長するような内容ばかりだ。「ASDだからお風呂に入らない」なんて一概に当てはまらないし、ただの決めつけで差別的だ。 障害の有無にかかわらず、お風呂に入らない人は職場で「困ったさん」に見られるだろう。でも、「お風呂に入らない」「異臭を放つ」はASDの障害特性でもなんでもない。 この本を読んだ上司が、部下に対して「君はASDだろう」と軽はずみに断言しそうで怖くなってくる。 【中略】 ●「一度、病院に行ってもらえませんか?」という声かけを推奨 同書では「困ったさん」に対する対処法も紹介されている。 たとえば、「取締役にも平気でタメ口(ASD)」について。まず、「ASDタイプの人は権威に弱い傾向があります」「専門家や有名人が語っている内容を引用すると、比較的素直に聞き入れてくれます」と定義し 「専門家が書いたビジネスマナーの本を渡して『参考になると思うから、これを読んでおいてくれる?』とお願いしてみる。 あるいは『超有名な先生の研修があるから受けてね』とすすめるのも有効です」と、解決策を提案しているのだ。 【中略】 極めつけは、職場で「困ったさん」を見つけたときの対処法である。「このタイプの人たちにとって、最も重要なのは病気の早期発見と早期治療です」と説き、当人に対して以下のような問いかけをするべきだと促しているのだ。 「私の勘違いかもしれないんだけど、もし何かの病気だったら治療が必要なので、一度病院に行ってもらえませんか?」 おせっかいの範疇をあまりに軽々と超えすぎではないか? 会社の同僚が無遠慮に投げつけた、「一度、病院に行ってもらえませんか?」というパワーワード。 言われた側の気持ちを慮ると、危うさを感じずにいられない。 日刊SPA 2025/05/22 15:51 ※関連記事【大炎上】この本、職場の発達障害を『困った人』扱いして批判殺到……