NHKのラジオ国際放送の中国語ニュースで不適切な発言をしたとして、NHKが中国人の元男性外部スタッフに損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は1日、元スタッフに請求通り1100万円の支払いを命じた。元スタッフは既に出国しており、訴訟で反論する書面を提出していなかった。 訴状によると、元スタッフは2024年8月、東京都千代田区の靖国神社で落書きが見つかった事件のニュースを読み上げる際、沖縄県・尖閣諸島について「古来から中国の領土」と発言したり、「南京大虐殺を忘れるな」と述べたりするなどした。 NHK側は訴訟で、元スタッフが原稿や日本の公的見解とは異なる発言をしたことで、NHKの信用が国内外で著しく低下し、経緯の説明やおわびの放送を迫られたと主張した。 元スタッフは02年からNHKでアナウンスや翻訳の業務を担当していたが、発言の2日後に契約を解除された。稲葉延雄会長らは報酬の一部を返納し、総務省はNHKに注意の行政指導をした。 NHKは再発防止のため、ラジオの中国語ニュースについては、全て人工知能(AI)音声による読み上げに切り替えている。【安元久美子】 ※詳しくは下記リンクより…