1 名前:ばーど ★:2025/08/20(水) 11:52:55.14 ID:0uXhVFKW.net 抗うつ薬開発の重要な転換点に うつ病は世界で最も一般的な精神疾患だが、正確な発症原因はまだはっきりしていない。世界保健機関(WHO)などの国際機関は、患者数は3億人を超えると推定している。そのような中、韓国の研究チームが、うつ病が単なる脳の損傷ではなく、特定の信号伝達システムの異常に起因する可能性があることを究明し、注目される。 韓国科学技術研究院(KAIST)は19日、ホ・ウォンド碩座教授の研究チームが国立科学捜査研究院、亜洲大学医療院と共同で実施した研究で、うつ病患者の脳組織と動物モデルを分析し、FGFR1(線維芽細胞増殖因子受容体1)というタンパク質の役割を確認したと発表した。 研究チームは、記憶と感情を担う脳の部位である海馬、特に「歯状回(dentate gyrus、DG)」に注目した。この部位は新たな記憶の形成や感情の調節の要となる領域で、うつ病とも密接な関係がある。 実験でストレスを与えられたマウスのDGでは、FGFR1タンパク質の発現が大きく増加していた。また、FGFR1遺伝子を除去した実験マウスはストレスにぜい弱になり、うつ行動がより早く現れ、FGFR1が正常な感情調節とストレス抵抗に必要不可欠であることを示した。 研究チームはさらに進んで「光遺伝学」の技術を用いた。光を用いて細胞の特定の信号を調節するこの技術を利用し、研究チームはFGFR1を光で活性化するシステムを開発した。これをうつ病の実験マウスに用いたところ、抗うつ効果が回復する現象が観察された。 一方、高齢のマウスではこのような治療効果が表れなかった。原因を追跡したところ、「NUMB」タンパク質が老化した脳で過度に発現し、FGFR1の信号を遮断していたことを究明した。実際に、死後の高齢のうつ病患者の脳組織でもNUMBタンパク質の過剰発現が確認された。実験マウスでNUMBタンパク質を抑制したところ、抗うつ効果が回復した。 今回の研究は、「なぜ高齢患者には従来の抗うつ薬があまり効かないのか」という疑問に分子的解答を提示したという点で、大きな意味がある。 ホ・ウォンド碩座教授は「うつ病が単なる神経細胞の損傷ではなく、信号伝達システムのかく乱で発生する可能性があるということを初めて立証した研究」だとして、「とりわけFGFR1を調節する新たな治療戦略は、今後の抗うつ薬の開発の重要な転換点になりうる」と説明した。 今回の成果は、国際学術誌『Experimental & Molecular Medicine』に掲載されている。 ユン・ウンスク記者 ハンギョレ 2025-08-20 09:41 引用元:…