Tシャツは日常着の定番だが、価格帯は数百円から数万円まで幅広い。高いTシャツは「長持ちする」とよく言われるが、薄い生地だと本当に耐久性があるのか疑問に思う人も多いだろう。特に長袖Tシャツは布の量が多く丈夫そうに見えるが、実際はどうなのか? ■高価なTシャツの特徴高価なTシャツ(1万円以上など)は、以下のような特徴を持つことが多い。- 高品質な素材:スーピマコットン、ピマコットン、エジプト綿など、繊維が長く強度が高い素材が使われる。これらは柔らかさと共に耐久性も兼ね備えている。- 丁寧な縫製:縫い目のほつれにくいダブルステッチや、ストレスのかかる部分(肩や首周り)の補強が施されている。- こだわりの織り:薄くても密度の高い生地や、特殊な編み方で伸縮性と型崩れ耐性を両立。一方、安価なTシャツはポリエステル混紡や粗い縫製が多く、洗濯を繰り返すとヨレたり伸びたりしやすい。■薄い布でも長持ちする?「薄いTシャツ=弱い」というイメージは必ずしも正しくない。高価なTシャツの薄い生地は、見た目以上に丈夫な場合が多い。例えば、以下のような理由がある。- 繊維の質:高級コットンは繊維一本一本が長く、破れにくい。安いコットンは繊維が短く、毛羽立ちや摩耗が早い。- 生地の密度:薄くても糸がぎっしり詰まった生地は、引き裂き強度が高く、穴が開きにくい。- 加工技術:防縮加工や酵素洗いなどで、洗濯による縮みや型崩れを抑える工夫が施されている。実際、ある高級ブランドのTシャツ(約1万5000円)を購入した筆者が3年間ほぼ毎週着用し、30回以上洗濯したが、首周りの伸びや色褪せはほとんど見られなかった。一方、1000円台のTシャツは1年で首元がヨレヨレに。薄さだけでなく、素材と作りの差が明確だった。■高いTシャツは投資価値がある?1枚1万円以上のTシャツは、初期投資としては高く感じる。しかし、3~5年着られるとすれば、1年あたり2000~3000円程度。1000円のTシャツを毎年買い替えるより、トータルではコスパが良い場合も。また、着心地やデザインの満足度も高く、環境負荷の軽減にもつながる。ただし、高い=長持ちとは限らない。ブランド名に頼らず、素材表示(例:100%コットン、糸の番手など)やレビューを確認することが大切だ。~(略)~…