近年頻発する集中豪雨や台風により、車が浸水や水没の被害に遭うリスクが高まっている。水没した車は重大な損傷を受けるが、従来のガソリン車と電気自動車(EV)では、構造の違いから故障のメカニズムや危険性が大きく異なる。浸水時に車内で起きている現象や特有の危険、正しい対処法について正確に理解しておくことが重要である。 ガソリン車の水没危険は吸気系への浸水と電気系統のショート ガソリン車が水没した際に最も警戒すべき事態は、エンジンの致命的な故障と電気系統の不具合である。ガソリン車は内燃機関を動かすために外部から空気を取り込む構造をしており、この吸気ラインから水が侵入することが壊滅的なダメージに直結する。 エンジン内部のシリンダーに水が入ると、ウォーターハンマー現象と呼ばれる重大なトラブルが発生する。空気と異なり水は圧縮されないため、ピストンが上昇した際に水圧に耐えかねてコンロッドが折れ曲がったり、シリンダーブロックが破損したりする。この状態に陥るとエンジンは完全に破壊され、膨大な修理費用が発生するか廃車を余儀なくされる。…