全てのレス元スレ 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2019/05/04(土) 22:54:30.04 :lX2r1nsd0 「結婚、ですか」 飾り気も何も無い小会議室。 長机を挟んで向かいに座る楓さんは、少しだけ目を丸くした。 「結婚……いずれは、と考えていましたけれど……そうですか……そうですか」 卓上に組んだ指へ視線を落とす。 親指を交互に重ねては離し、重ねては離しを繰り返すと、姿勢を正して俺へ向き直った。 「まだまだ足りないものだらけの私ですけれど……是非、よろしくお願いします」 「楓さん」 「はい」 「ブライダル撮影の話です」 「もちろん。知っていますよ?」 本当ですか、の『ほ』の字が口を突いて出そうになる。 脳内に自生する藪から血色の良い二股の舌がちろちろと覗いたのを見て、 俺は何も言えずに黙り込んだ。…