
1: 匿名 2025/12/11(木) 23:36:20.86 ID:M0hjCCs09 JR京都駅周辺で、京都市が進める「文化芸術を核としたまちづくり」への開発投資が盛んだ。チームラボが「バイオヴォルテックス京都」を開業し、世界的アート作家村上隆さんのスタジオ建設も動き始めた。ところが、この開発の波に疑問を投げかける人がいる。これ以上の開発はもうやめて、駅一帯に緑の回廊となる「百年の森」をつくりませんか――。松井孝治市長にこう呼びかけたいという京都市立芸術大の小山田徹学長(64)に、そのわけを聞いた。(林利香、日比野容子) ――京都市立芸大が2023年、崇仁地区へ移転して以降、京都の玄関口が大きく変貌(へんぼう)しようとしています。 部落解放運動の拠点だった崇仁地区、そして、在日コリアンが多く住む東九条地区はいずれも駅チカで、京都市中心部に残された、ある意味、最後の一等地です。開発の波によって複雑な過去の歴史が覆い隠され、「浄化」されていく。「ジェントリフィケーション」と呼ばれる現象が、起きつつあると感じます。 ――再開発で地域が活性化する一方、旧来の住民が不本意に転居を強いられる現象のことですね。都市の「富裕化、高級化」「社会浄化」とも訳され、日本でも関心が高まっています。 世界中の都市で起きている問題ですが、まさに今、それが波及しているのが東九条です。今後、経済界が求めているような高さ規制が緩和されると、タワーマンション建設の波が来ないとも限りません。すでに地価が上がり、暮らしにくくなってきたと言う住民がいる。 経済合理性だけに任せていては、この流れは止められない。やはり、行政が将来像を描き、ある種の方針を示す必要があると思うのです。 ――京都市立芸大の移転で、開発の流れが生まれました。 芸術大学というところは、単にアートを制作する場所ではなく、遠い未来を見据えた価値観の形成を学生に託す場所だと私は考えています。大切なのは「長尺の時間」を見つめること。今を生きる私たちの利便性ではなく、将来世代が享受できる資産をアートを通して生み出していく。それこそが、芸術大学の真の役割だと思うんです。 経済論理で見れば、負の歴史とかマイノリティーの声は邪魔なんですよね。でも、人口減少の今はもう、右肩上がりの時代ではない。もうけ主義を貫けば地球資源が枯渇するし、環境汚染も進む。これからはうまく「引き算」をしながら、新しい経済を生み出す時代です。高層ビルを建てずに豊かさを手に入れる方法を考える、ということです。 ――崇仁地区の住民の方々と「対話」を始めておられるそうですね。 このあたりは世界の人々が最初に降り立つ、京都の玄関口です。あくまで私の夢想というか妄想なのですが、京都駅から鴨川まで「緑の回廊」をつくりませんかと呼びかけています。緑が増えれば幼稚園ができたりお店ができたり、新しい豊かさの軸が経済として生まれてくるんじゃないかと。100年後、ここに黒々とした「森」ができたとしたら、京都市は世界に誇る財産を持つことになる。願わくば、東本願寺、西本願寺、梅小路公園とも緑の回廊でつなぎたい。「長尺の投資」を考えましょうということです。 ――「長尺」と芸術は親和性がありそうですね。 生きている間に理解されずとも、ぬまでモゾモゾやり続ける世界なので。私たちが今着ている服のデザインって、遠い昔の誰かが発明したものですが、誰もが当たり前に着るようになった頃にはもはや誰が作ったかわからない。「よみ人知らず」なんです。でも、それくらい息の長いまちづくりのあり方を考えるのが必要なんとちゃうかなあ。 ――駅前に「森」が出来れば、混んでいる市バスを待たず、歩きたくなるかもしれませんね。 緑に誘われてふらっと歩き始めたら、いつの間にか鴨川にたどり着いていて、あれっ、三十三間堂はもう目の前だ、清水寺まで歩いていけるなあ、ってね。 実は、崇仁地区の方々と一緒に野菜を育て始めています。ジャガイモ、タマネギ、ニンジン。うちの陶芸の先生が子どもたちと一緒に平皿を作って、漆の先生がスプーンを作っていて。これはもう、一緒にカレーライスを作って語り合う流れになりますよね。今月、京都府食育協会さんの協力のもと、そうした集まりを持って、「緑の回廊・百年の森プロジェクト」の実現に向けた第一歩にしたい。(以下ソース) 12/7(日) 19:00配信 >>…