韓米、関税交渉の細部合意···現金投資2千億ドル、年間上限200億ドル(聯合ニュース・朝鮮語) 韓米が計3500億ドルの対米投資金のうち2億ドルを現金投資するものの、年間限度を200億ドルに制限することで29日合意した。 金容範(キム・ヨンボム)大統領室政策室長は同日のブリーフィングで、このような韓米関税交渉の細部内容の合意結果を発表した。 キム室長は「対米金融投資3500億ドルは現金投資2000億ドルと造船業協力1500億ドルで構成される」として「日本が米国と合意した5500億ドル金融パッケージと類似した構造だが、私たちは年間投資上限を200億ドルに設定した」と明らかにした。 続けて「年間200億ドルの限度内で事業進捗程度により投資するため、韓国の外国為替市場が耐えられる範囲にあり、市場に及ぼす影響も最小化できる」と説明した。 (中略) 合わせて「元利金償還前までに韓米間収益を5対5に配分するものの、20年内に元利金を全額償還できないと見られれば収益配分比率も調整可能だ」と付け加えた。 (引用ここまで) 急転直下、米韓間の関税交渉が妥結しました。 ちょっとびっくり。 「え、こんなにいきなり決まるってことは韓国側の主張をアメリカが飲んだのかな」とも思ったのですが。 一応、チェックしてみましょうか。 9月に韓国側はアメリカに対して強硬ともいえる「3つの条件」を突きつけていました。 その3つの条件がこちら。 1.韓国との無制限の通貨スワップ協定を結ぶこと 2.3500億ドル中、現金は5%ていどに収めること 3.投資の元金回収中は利益の90%を韓国側が得ること さて、ひとつずつ検証……というか。 もうすでに終わっている感があるんですけどね。まあ、検証してみましょうか。 韓国政府がもっとも強硬に主張していたのが「無期限・無制限の通貨スワップ協定締結」でした。 イ・ジェミョン大統領はかつて「通貨スワップ協定なしに対米投資を行えば韓国はふたたび通貨危機に襲われるだろう」とまで発言していたほどです。 ですが、もはや話題にすら出ていません。発表もありません。 通貨危機……になるのでは? ついで2番目の条件を見てみましょう。「現金投資は全体の5%までに抑える」、ですね。 全体の5%、つまり175億ドルまでしか現金での投資はしないぞと強くアメリカに言い渡していたのですね。 残りの3325億ドルは韓国政府が裏書きする保証や、貸し付けなどで行うとしていました。 はい、結果を見てみましょう。 2000億ドルの現金投資で決着。ただし、1年の上限は200億ドルとするので大丈夫だ、としています。 実はこの年間投資額の上限もアメリカ側の条件に従ったものだったりします。 韓国「150億ドル」vs米国「250億ドル」…終盤の交渉綱引き」(中央日報) 米国は韓国の現金投資額を2000億ドル規模とし、年間200億~250億ドル以上を求めているとされる。これに対して韓国は、年間150億ドル程度の分割投資が限界だという立場だという。 (引用ここまで) アメリカ側条件の下限にはなったものの、韓国から見たら上限をはるかに突破。 ふむ。 第3の条件、「投資の元本回収中は韓国9:アメリカ1の比率で利益を収めること」については「5:5」とのアメリカの条件が通っています。 つまり、自ら提示した3つの条件すべてで敗北したわけです。 非公式の会合では「韓国を踏みつけにするつもりなら、アメリカの足に穴が空くぞ!」だのアメリカ側にすごんで見せたそうですが。 ……穴、空きました? まあ、正直なところ韓国には出せるカードがなにもありませんでした。 アメリカは「3500億ドルの投資+10%関税減免」でも「25%関税のまま」でもよかった。 ゲームに勝ってもいいし、ゲームが流れてもいい。 アメリカが関税交渉で損をすることはなかったわけです。 その一方で韓国はブタで勝負するしかなかったのです。 賭け金=関税25%が高くて降りるに降りられない。 手元は27でスーツでもない。 アメリカは最初からエースのポケット。コミュニティカードはキング3枚。フルハウス揃っているアメリカに負けるべくして負けたってわけです。 韓国政府が3ヶ月に渡って粘っている間、関税25%を搾り取られて現在自動車グループは今年の利益をだいぶ減らしています。 あえていうなら半導体、医薬品等で最恵国待遇を得られるようですから、そこは勝利といえますかね。 韓国のこのドタバタ具合を見ると、日本側は「アメリカの勝利が揺るがないのなら条件闘争ではなく案件を有利にすることが優先だ」って判断したのだろうなと推測できますね。 赤澤大臣、相当に有能なのでは……。 note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 イ・ジェミョン大統領、意外と反日でも反米でもなかった? ……実はそこには大きな理由がありました 」となっています。 また、楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…