元スレ 全てのレス 1: ◆/2YZffw1UE:2017/05/28(日) 13:57:29.97 :IKvcL+ZkO ランニングしてたらアイドルになった。 突拍子もない言い方だけど、アタシがどうしてアイドルになったのか、思い返せばそういうことだ。 「君、そういうの好きなのか?」 「ん?」 通りがかった家電屋さんの表のテレビで、アタシの好きなボクシングの試合をやってて。足を止めて観ているところだった。 ランニングで火照った体のまま試合に熱中していたアタシは、急に男の人に声をかけられたことに驚くより、そうそうアタシ格闘技好きなんだっいい試合だよな!アンタも好きかっ?くらいに思って、実際、そんな風に返した。 「ああ!アンタも好きなのか?」 「そっか。うん。好きだよ」 「そっか。へへ」 そのまま、こっちの選手は前の試合のケガに苦労してるみたいでさー、アタシは応援してるんだけどアンタはどっちを応援してるんだ?なんて続けようと、いや実際続けたのか、よく覚えていないけど、その男が、アタシの顔を見て頷いてから、こう言ったのはよく覚えてる。 「じゃあ、君もなってみないか。アイドル」 「は?」 しばらく固まったあと、アタシが観ていたテレビの横の、別のテレビから、アイドルの甘い歌声が耳に入った。 「アイドルはいいぞ」 「……。……、は、ああ?アイドル!?」 こうしてアタシはアイドルになってしまったのである。…