全てのレス元スレ 2: ◆yz988L0kIg:2017/06/21(水) 02:07:09.97 :1f72mbS60 掛け布団がほんの少しだけ鬱陶しくなるような初夏の昼下り、探偵アイドル安斎都は久しぶりのオフを満喫するために外へ繰り出した。 今日の都はある命題を抱えていた。 「探偵にふさわしい休日の過ごし方とはどのようなものか」 彼女はそれを探すように、まるで見えないホシを尾行するように宛もなく街を黙々と歩いていた。 レッスン終わりに買い食いをするいつもの商店街を抜ける。 そういえばここから先はまだ寮生活を初めて一度も来ていないなぁなどと考えながらずんずんと歩いていく。 なんとなく、山の麓に探偵がつかの間の休息に行くような小洒落たカフェがあるような気がして方向転換。 少しだけ本気を出した太陽が、都の膝小僧をじわりじわりと攻撃する。 近くにあったスーパーに入って涼む。 売り場をぐるっと一周したものの、人はまばらだったせいかはたまた人気のないせいか、誰にも声を掛けられることはなかった。 これじゃぁ男子小学生の夏休みじゃないか、と独り意気消沈する都。 ふと外を見ると見覚えのある姿が目の前を横切っていった。 黒い猫を従えながら紺青の髪をなびかせて歩く少女。 紛れもなくそれは都と同じ事務所のアイドル、佐城雪美だった。…