1: jinjin ★ kK740T6Z9 2025-09-13 11:16:28 「ビデオデッキ」がなかった昭和アニメファンの「苦肉の策」が衝撃! 令和の現在は「夢のよう」 令和の時代になって、昭和の頃より進化したと思うことのひとつに「気軽に映像が観られる」ことが挙げられます。 自宅から外出せずにさまざまな映像を楽しめる時代。昭和からもっとも進歩したことかもしれません。 現代ではネット配信で映像を楽しむ人がほとんどです。平成の頃は、わざわざレンタルビデオ店まで行っていたことを考えると、進歩だといえるでしょう。しかしさらに以前、ビデオが普及する前を知る人は、確実に昭和世代の人間といえるかもしれません。 ビデオの普及に関して個人差がありますが、1970年代末期にはビデオデッキのTVCMが流されていました。もっとも当時は高額だったので、一般的になったのは1980年代中期くらいだったと記憶しています。 逆をいえば、それまで個人の家で映像を観ることはできませんでした。 そのため当時のアニメファンのほとんどが、自宅でも好きな作品が観られるビデオデッキがもっとも重要なアイテムだったわけです。 当時の筆者も親を説得して買ってもらいました。このビデオデッキだけでも20万円は超えていたと思います。 ちなみに当時の「週刊少年ジャンプ」の価格は150円から170円でした。現在は300円ですから、単純計算で当時の物価はおよそ半分ほどと考えられます。 これに録画用のビデオテープは1本で3千円以上、筆者が愛用していたメーカーのものは定価で1本4千4百円でした。 とにかく金銭がかかるアイテムです。もっとも気軽に映像が見られるというのは、当時としては夢のようなことでしたから、金銭のことは二の次でした。 それではビデオが普及する前、アニメファンはどうやって作品を楽しんでいたのでしょうか。その方法は、令和の今では唖然とされるかもしれません。 映像が記録できないなら……当時のファンがアニメを「記録」した驚愕の手法 ビデオが普及する前のアニメファンが楽しんでいたもの、それは「音」です。 TV放送をカセットレコーダーで録音していたものでした。当時のアニメファンなら、ほとんどの人が経験しています。 若い世代にはピンと来ないかもしれませんが、ラジオを聴く感覚に近いかもしれません。とにかく昭和世代は音だけが唯一の保存方法だったのです。 当時の人は音だけを聞いていたせいか、劇中のセリフをおぼえる人も多くいました。筆者も、気に入った物語の頭から最後までのセリフを全部おぼえた作品も少なくありません。今思えば記憶容量の無駄遣いです。 こういった風潮はメーカーにも理解され、レコードでも「ドラマ編」と呼ばれるものが発売されていました。 これは実際の映像作品の音だけを収録したレコードです。そのなかには、ヒットしたレコードも少なくありません。 たとえば『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち ドラマ編』は、当時の週間レコード売上2位を達成したこともあり、年間売り上げでは41位を記録しています。他のアニメや特撮作品もいくつか販売され、当時のファンたちには喜ばれました。 とはいえ、音だけで絵がないのも寂しいものです。そこで重要だったのが書籍でした。その作品の本を見ながら音を楽しんだ経験は、当時の人なら経験したのではないでしょうか。 思えば『宇宙戦艦ヤマト』をきっかけにアニメブームが起きた際、ほどなくしてアニメ雑誌乱立期が起きました。この時、アニメ雑誌やムックなどでは名エピソードの誌上再録をよく掲載しています。これらが当時のアニメファンの隙間を埋めてくれた貴重なピースでした。 こういった環境にあったがゆえ、昭和世代にとってのビデオデッキは、待ち焦がれた夢の機械だったと思います。 それが現在では当たり前に何度も映像を楽しめるのですから、当時を知る者にはこれだけでも夢の時代といえるかもしれません。…