1: おっさん友の会 ★ TPeM8cYL9 2025-09-01 10:46:09 政府が実施した生活保護基準の1割引き下げが最高裁で違法と判断されました。もとは2012年衆院選での自民党公約です。公約の背景には生活保護を利用している人へのバッシングがあります。立教大学コミュニティ福祉学部教授の木下武徳さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】 ◇だれのため ――バッシングに便乗して生活保護基準を引き下げたことで、生活に大きな影響が起きました。 ◆だれのために政治をやっているのかということです。 景気が良くなると生活保護の利用者は減る傾向があります。ところがここ数年、物価高なども含めて生活は苦しくなっているのに、利用者は減少傾向にあります。 これはどう考えていいかわからないところがあります。やはり群馬県桐生市であったような、生活保護の利用を抑制する仕組みが働いているのではないでしょうか。 ――困った時にはだれでも利用できるはずです。 ◆ホームレスの人たちからよく聞きました。一度は生活保護を利用した人も多いのですが、みな二度と利用したくないと言います。利用してとても嫌な思いをしたからです。 役所では考えられないことですが、私が行政の生活保護の部署とやりとりしていた際には、利用者を呼び捨てにするのが普通でした。差別的な身体的特徴で呼ぶこともあったようです。役所の中では唯一、市民を怒鳴っている部署でもありました。結局、利用者を同じ市民とはみていないのです。 私が知っている例ではもう3日も食事をしていないのに、生活保護だけは利用したくないと言う人がいました。 ◇他人をたたいても ――バッシングをしている人のなかには本来ならば生活保護を利用できる人たちもいるのではないですか。 ◆働いている人も含めて日本全体が貧困化し、生活が苦しくなってきています。そのなかで生活保護基準以下なのに、生活保護を利用していない人がたくさんいます。その人たちからみれば、生活保護を利用している人は税金に頼ってずるいと攻撃したくなるのでしょう。 ――他人をたたいたところで自分の生活はよくならないのではないでしょうか。 ◆他人をたたくことで、自分が正しいと、自尊心を守っているのだと思います。社会がそこまで病んでいるということです。 毎日新聞 2025年9月1日…