1: 七波羅探題 ★ 8woXNpqj9 2025-08-27 07:28:27 一度も恋愛経験がない「未恋」20代が女性で約25%、男性で約40%に。牛窪恵「この30年間で結婚しなくなったのは、いまの若年層だけに限られた話でなく…」 ◆上昇を続ける若者の未婚率 (前略) 「いまどきの若者は、結婚も面倒なんでしょ」 そんな批判が目に見えて増えたのが、14?15年ごろ。20代の未婚率が、男女で8割前後(男性85.0%、女性77.5%)にのぼったころからです(総務省「国勢調査」)。 近年も、若者の未婚率は上昇を続けています。直近の国勢調査(20年)によれば、20代男性の9割弱(86.1%)、同女性の8割弱(79.4%)が未婚。15年とさほど違わないものの、30年前(90年)との比較では、男性で1割弱(79.4%↓)、女性では2割弱(63.2%↓)も未婚割合が増えたのは確かです【下図】。 もっとも、伸びが顕著なのはむしろ、その上の30代のほうです。30年前との比較で、未婚率は男女共に2割程度も増え(=男性26.0%→45.2%/女性10.7%→32.4%)、40代でもその伸び率はほとんど変わりません。そうだとすれば、この30年間で結婚しなくなったのは、「(いまの)若年層だけではない」ことになります。 ◆なぜ婚姻率は急降下したのか また現在、20代の未婚男女すべてが「結婚は面倒」「一生結婚したくない」と考えているのかといえば、もちろんそれも違います。 それを顕著に示すのが、国の第三者機関の経年調査(国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」)。この中で、「いずれ結婚するつもり」という20代の回答は、15年時点で、男女の9割前後(男性85.8%、女性90.0%)を占め、直近の21年時点でも約85%(男性84.3%、女性85.1%)と、6年間でさほど変わりませんでした。 両者が9割を超えていたバブル期(87、92年)に比べれば、「結婚するつもり」は1割以上減りましたが、それでも90年代半ば以降、劇的に減った婚姻率(実際に結婚した割合)に比べると、結婚を希望する人の割合はさほど減っていません。 つまり、結婚を嫌がる若者が、30年前より極端に増えたわけでもないのです。 では、なぜ8?9割の若者に結婚意欲がありながら、婚姻率だけが急降下したのでしょう。お察しの通り、それは(Z世代の先輩たちも含め)、20代のころは「いずれ結婚を」と考えていたのに、多くはそれが叶わなかった(ない)、あるいは途中で相手探しを断念するなどし、「やっぱり独身で(が)いい」と考え直したのだと推察できます。 また、中央大学文学部の山田昌弘教授は、「若者の婚姻率が低下した最大の原因は、明らかに若者を巡る『経済格差』です」と会うたびに仰います。 所得の格差を示す「ジニ係数」は、確かに02年から17年までの間に、若年層(25?34歳平均)で0.276→0.284へと拡大しました。国際的に「警戒ライン」とされる0.4には達しないものの、いまは奨学金の借入経験を持つ学生も多い。 (中略) ◆「未恋」の若者 それほど近年は、一度も恋愛経験がない「未恋」の若者が増えているのです。たとえば、内閣府が22年に公表した白書を見ると、20代女性の約5割、同男性の約7割が「配偶者や恋人はいない」と回答し、これまで誰とも(一度も)交際したことがない「未恋」の若者が、女性で約25%、同男性で約40%もいることが分かります。 この「未恋」割合は、本来なら、恋愛経験が増えると考えられる30代でも、20代と約5%しか違いません(女性約20%、男性約35%)。つまり、30?39歳になっても、誰とも交際経験がないままの人が、未婚の女性で5人に1人、同男性では3人に1人以上もいるのです(「男女共同参画白書」)。 昭和のように、条件中心で結婚する「見合い結婚」が主流であれば、いまほど問題はなかったはず。ですが近年、見合いの割合は1割にも満たず(9.9%)、圧倒的多数は「恋愛結婚」です(「第16回出生動向基本調査」)。そんななか、39歳になって誰とも交際経験がなく、かつ恋愛の実践的ノウハウも知らない状態で、いきなりデートを重ねて結婚できるかといえば……、現実はかなり難しいと想像がつきますよね。 また同じ調査で、現在「独身でいる理由」を見ると、25?34歳の男女共に2割前後(男性20.0%、女性18.2%)が「異性とうまくつき合えないから」を挙げています。とくに女性では、「結婚資金が足りないから」(13.4%)など経済難を「うまくつき合えない」が約5%上回っていますから、恋愛力の養成も課題の一つと言えるでしょう。 ※全文は出典先で 婦人公論8月27日…