1 名前:少考さん ★:2026/11/06(金) 20:51:40.10 ID:rwy6iEWm9.net 日本語話せない外国人受刑者、AI翻訳機で意思疎通…社会復帰に向けた処遇充実に期待 : 読売新聞 2026/11/06 15:00 福元理央 外国人の収容者が多い刑務所や拘置所で、手のひらサイズのAI(人工知能)翻訳機が活躍している。刑務官らとのコミュニケーションをスムーズにしようと、法務省が昨夏、全国で約200台を導入した。「言葉の壁」を低くすることで心情をくみ取り、社会復帰に向けた処遇の充実が期待されている。(福元理央) 徐々に信頼関係 「調子はどう? 工場に行ってみないか」 10月下旬、東京都府中市にある府中刑務所。チリ人の男性受刑者が入る単独室の前で、男性刑務官(40)が小さな翻訳機を手に日本語で話しかけた。部屋の小窓に翻訳機を差し出すと、翻訳機から、刑務官の言葉をスペイン語に訳した女性の声が流れた。 小窓の向こうでそれを聞いた男性受刑者は、少し考えて、差し出された翻訳機に向かってスペイン語で応答した。数秒後、翻訳機から日本語が聞かれた。「はい。私は工場に見学に行ってみるつもりです」 この受刑者は日本語を理解できず、入所当初は刑務官の指示にも従わなかった。集団生活が難しいと判断されて単独室に収容され、工場での刑務作業もしてこなかった。 翻訳機を介したやりとりを重ねるうちに態度が軟化して、この日は工場での作業に前向きな姿勢が見られたという。刑務官は「少しずつだが、信頼関係が築けている」と話す。 府中刑務所では2025年末時点で、受刑者ら1760人のうち、永住者らを除く来日外国人は416人で2割を超える。翻訳機を導入する前は、刑務官の指示や説明は身ぶり手ぶりで伝えるしかなく、言葉を理解できずに受刑者が暴れる事態も頻繁にあったという。 翻訳機の導入後は、外国人受刑者から、「どうして食べ残しを受刑者同士で授受してはいけないのか」「刑務作業中に立ち上がってはいけないのはなぜ?」などと理由を聞かれることが多くなった。翻訳機を通して丁寧に説明している。 入所時に刑務所のルールを教えている刑務官(50)は「言葉が通じると心情も把握しやすい。力で従わせるのではなく内面に働きかけることが、更生・再犯防止のためにも重要だ」と話す。 90言語 日本語を話せない外国人は原則として、府中、大阪両刑務所、東京拘置所など6施設に収容される。通訳役の「国際専門官」が配置されているものの、定員は合計で28人にとどまり、日常の処遇や夜間・休日は刑務官らが対応している。判決を待つ「未決拘禁者」は原則、逮捕された警察署に近い拘置所に収容され、通訳がおらず意思の疎通が課題となっている。 こうした状況を踏まえ、法務省は昨年8月、全国171か所ある刑事施設のうち、75%の129施設でAI翻訳機を配備した。約90言語に対応し、音声のほか、文字を撮影すれば翻訳表示できる。翻訳内容がAI学習されないことなどを条件に入札で選定した。 施設内には刑務官もスマートフォンを持ち込めないため、法務省は来年度以降、外国人収容者の多い施設を中心に、さらに翻訳機の配備台数を増やす方針だ。 処遇の充実期待 刑務所や拘置所に収容される外国人は近年、増加傾向にある。 法務省によると、25年末時点では、受刑者や未決拘禁者、罰金や科料の代わりに軽作業をさせる「労役場留置者」を合わせた来日外国人は2779人で、15年末に比べて1・3倍になった。国籍は少なくとも20か国以上に上り、ベトナムが682人で最も多く、中国(510人)が続く。 日本語を話せない外国人受刑者に対しては、被害者の視点を取り入れるなどした「特別改善指導」や、資格や免許を取得して社会復帰につなげる「職業訓練」はほとんど行われてこなかった。 刑務所の処遇に詳しい慶応大の太田達也教授(刑事政策)は「外国人受刑者が出所後に在留特別許可を得て日本にとどまるケースもあり、日本社会への復帰や再犯防止を踏まえた処遇を外国人に対しても行う必要性が高まっている」と指摘する。その上で「翻訳機の活用で言語の障壁が低くなれば、特別改善指導や職業訓練といった道もひらける可能性がある」と話している。 引用元:…