
転載元: ニーニーφ ★ 2025/08/03(日) 14:06:24.02 ID:yCYx7xbo9 高校野球で投手が大きく振りかぶって投げる「ワインドアップ」が見られなくなっている。かつては主流の投球フォームだったが、今夏の群馬県大会では数えるほどしか確認できなかった。ワインドアップで投げた名投手の姿を記憶する高校野球ファンからは惜しむ声が上がっている。(金城英大) ワインドアップは、両手を振りかぶって投げるフォームの一つだ。勢いをつけてリズムよく投げられる一方、動作が大きくフォームにばらつきがでるため制球が乱れるという指摘もある。盗塁を防ぐため、走者を背負ってからはセットポジションで投げるのが一般的だ。 読売新聞の高校野球取材班が7月5~27日の今大会で確認したところ、登板した投手約150人のうちワインドアップで投げたのは数人のみで、多くが走者のない場面でもセットポジションで投げていた。 優勝した健大高崎のエース石垣元気投手(3年)は、登板した決勝と3回戦のいずれもセットポジションだった。かつてはワインドアップに挑戦したこともあったが「振りかぶって足を上げる際に捕手から目線が切れる」ことから制球が乱れたという。同じく決勝に登板した佐藤 龍月りゅうが 投手(同)も「股関節に体重をためるイメージで投げたい」とセットポジションだった。 決勝に先発した下重賢慎投手(同)は、ワインドアップで投げる姿に憧れつつ、両手を振りかぶらないノーワインドアップを選択。「テンポ良く投げられ、野手から守りやすいと言われる」と理由を明かした。 スポーツ選手の動作解析が専門の筑波大体育系の川村卓教授は、球速はどの投球フォームでも大きく変わらないと指摘した上で、「走者の有無によって動作が変わるため、最初からセットポジションに統一した方が安定すると考える選手が増えているのではないか」と分析した。 一方、桐生市商の島田翔太投手(2年)は今大会の登板時はワインドアップで投げた。春先まではセットポジションだったが、練習試合での大量失点を機に「全部変えないといけない」と見直した。その結果、ボールに力を伝えやすくなり、球速は向上。公式戦初登板だった1回戦で7者連続三振を奪って存在感を示した。 ワインドアップの投手といえば米大リーグでも活躍した野茂英雄さんや松坂大輔さんが有名だが、県勢でもプロ野球で活躍した前橋工出身の渡辺久信さんや桐生第一で全国制覇を成し遂げた正田樹さん、同じく桐生第一の藤岡貴裕さんがワインドアップ派だった。 野球漫画「タッチ」などで知られるあだち充さん(前橋商出身)の作品でも主人公が大きく振りかぶるシーンが印象的で、長年の高校野球ファンで桐生市の男性(48)は「最近は振りかぶる投手が全く見られず、絶滅危惧種になっている。もう少し大胆に振りかぶる投手がいてもいいのに」と往年を懐かしむように語った。…