1: 名無し 2026/09/24(木) 23:38:06.878 ID:x.369t7sy 「歩くのなんて、久しぶりだな」 広島東洋カープの指揮官はそう言うと、湿気で白みがかった空を眩しそうに見上げた。 これまでの多くのプロ野球監督がそうであったように、新井にも朝、散歩に出る習慣がある。私の知る限り、指揮官という立場にいる人が歩く理由は様々で、頭をまっさらにしたいからだという人がいれば、単に体調管理だという人もいた。いずれにしても、監督は毎日のように決断を迫られ、勝敗の責任を背負い、それでいてベンチではどんな時も泰然としていなければならない。だからこそ、静かに自分と向き合う朝が必要なのかもしれない。そして、新井の場合は頭を空っぽにするというより、むしろ考えるために歩くのだという。「散歩していても、何をしていても、どうしても野球のことは浮かんでくる。消そうと思っても消せない。だから、考えながら歩いているかな。今日のオーダーをどう組むか、相手はどう出てくるか、そういうこと考えるのは苦じゃないから」 2: 名無し 2026/09/24(木) 23:38:17.522 ID:x.369t7sy 四六時中、野球について考えていて息が詰まってしまわないのかとも思うが、むしろ、それがこの仕事をしている醍醐味なのだろう。 だが、そんな新井が最近はほとんど散歩に出なくなったという。理由については私にも察しがついていた。 新井は繁華街の交差点で信号が青に変わるのを待ちながら、ため息と言葉をほぼ同時に吐き出した。「考えるのは結局、あのことばっかりだから――」 あのこと――今年1月、カープの内野手だった羽月隆太郎が指定薬物エトミデートを使用した容疑で逮捕された事件に端を発する騒動である。新井が表を歩く気にならないのは、散歩に出ても、頭を巡るのがグラウンド上の勝敗とは全く別の、自軍の醜聞だからである。「大変なことだよ……。これまでになかったことだから」 3: 名無し 2026/09/24(木) 23:38:43.318 ID:x.369t7sy 4: 名無し 2026/09/24(木) 23:39:01.961 ID:5ea8fZz5E そりゃ太るわ…