1 名前:ごまカンパチ ★:2025/07/27(日) 17:05:07.10 ID:P1tf/gsE9.net 世界保健機関(WHO)がたばこ、酒、加糖飲料に対する「健康税」の強化を世界各国に要請した。 これらは私たちの日常に深く根付いている嗜好品だが、その裏側には、個人の健康を蝕み、社会全体に重い負担を強いるという厳しい現実が隠されている。 日本では、たばこと酒には重い税が課されているが、加糖飲料には特別の措置はない。 しかし、今、加糖飲料についても、生活習慣病の増加による社会的負担の増加という「見えないコスト」への対応が問わる事態になっている。 ■静かに蝕むたばこと酒、加糖飲料の隠された脅威 たばこは、疑いようもなく「予防可能な最大の死亡原因」であり、年間13万人近くが命を落としている。 喫煙者は非喫煙者に比べ、肺がんで死亡するリスクが男性で4.5倍にも跳ね上がり、心疾患や脳卒中のリスクも1.7倍に増加する。 脅威は喫煙者本人にとどまらず、受動喫煙によって、年間1万5000人の非喫煙者が死亡している。 飲酒の被害もまた深刻で、総死亡者数の3.1%に相当する年間3万5000人が死亡している。 肝硬変やがんのリスクを高めるだけでなく、認知症との関連も指摘されている。 さらに衝撃的な事実は、飲酒がもたらす社会経済的損失が、年間で実に4兆円以上にものぼることだ。 医療費や生産性の損失を含むこの額は、酒税収入1兆円強をはるかに上回る。 砂糖の有害性は、たばこや酒の毒性とはメカニズムが異なる。 「砂糖が直接の原因である死亡」という統計は存在しない。その影響は間接的に生活習慣病を助長するものであり、 肥満、2型糖尿病、心血管疾患といった代謝性疾患を引き起こすのだ。 そして、砂糖より安価なため、清涼飲料水や加工食品に多用される果糖ぶどう糖液糖などの異性化糖は、 砂糖と同様に、内臓脂肪の蓄積やインスリン抵抗性を促進することが指摘されている。 砂糖や異性化糖そのものを制限することは困難なので、代替手段として、これらを多量に含む加糖飲料の制限が世界的な課題になっている。 日本の過体重・肥満の割合は、米国、ヨーロッパの約半分だが、男性の肥満率(BMI ≥ 25)は過去10年間で有意な上昇傾向にあり、現在では31%を超えている。 また、糖尿病の有病率は米国よりやや低いものの、ヨーロッパに近い値である。 そして、成人男性の18.1%、女性の9.1%が糖尿病を強く疑われており、その総数は1700万人に達する。 ■「健康志向」製品の巨大市場 日本では、砂糖に対する健康上の懸念が強く、これに応える巨大な市場が存在する。それは、「糖質、糖類オフ」市場で、1兆円に達する規模だ。 これは「カロリーオフ」市場に匹敵する規模で、消費者の関心がカロリーから糖質・糖類へとシフトしていることを示している。 この市場は、生活習慣病予防やダイエットといった消費者ニーズによって牽引されている。 食品業界はこれに応え、エリスリトールやオリゴ糖といった機能性甘味料や代替糖を使用した製品が市場に導入され、 血糖値対策のための「機能性表示食品」も成長している。 日本人の6割は、砂糖の過剰摂取が生活習慣病や肥満につながることを認識し、半数以上が自身の糖分摂取に気をつけている。 この高い意識が「低糖質」製品市場を支えているのだ。 ■日本の糖尿病パラドックス 巨大な「糖質、糖類オフ」市場が存在し 、砂糖の過剰摂取が健康に悪いという意識も浸透し、砂糖消費量は先進国の中でも際立って低く、 肥満率も世界で最も低い水準にあるという事実からすれば、日本の生活習慣病、特に2型糖尿病の有病率は著しく低いはずである。 しかし、統計値を見ると欧米よりやや低い程度であり、最近は増加傾向にある。 この「日本のパラドックス」とも言うべき矛盾の原因はどこにあるのだろうか。 根源的な要因は、欧米人と比較して日本人のインスリン分泌能力が半分程度しかないことである。 このため、欧米人であれば重度の肥満になるまでインスリン分泌は低下しないが、日本人は軽度の肥満でも低下するため、糖尿病を発症しやすいのだ。 この「倹約遺伝子」とも呼ばれる体質が、飽食の現代において、糖尿病になりやすさの基盤となっている。 第二に、欧米の肥満が皮下脂肪の蓄積を主とするのに対し、日本人はBMIが正常範囲内であっても、内臓の周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」に陥りやすい。 そして内臓脂肪は、TNF-α、IL-6など、何種類ものインスリン抵抗性物質を分泌するため、糖尿病のリスクを高める。 ※略 引用元:…