演習のはずだったのに、実弾の対艦ミサイルが自国の海岸へ飛んでいく——1982年のデンマークで実際に起きた出来事である。ミサイルは海辺の別荘地に着弾してコテージ4棟を吹き飛ばしたが、死傷者は奇跡的にゼロ。そしてこの事故には「hovsaミサイル(やっちゃったミサイル)」という、身も蓋もない通称が付いた。 ※注:「hovsa(ホウサ)」はデンマーク語で「おっと」「しまった」にあたる間投詞。日本語の「やっちゃった」くらいのニュアンス。 今日の知ってた? 🚀 1982年9月6日、デンマーク海軍のフリゲート「ペダー・スクラム」が演習中に実弾のハープーン対艦ミサイル1発を誤って発射。ミサイルは約34km飛行して海岸沿いの別荘地に着弾・爆発し、コテージ4棟が全壊、およそ130棟が損傷した。それでも死傷者はゼロ——この事故はデンマークで「hovsaミサイル(やっちゃったミサイル)」の名で知られている。 背景:ハープーンとはどんなミサイルか ハープーンは、アメリカのマクドネル・ダグラス社が開発した対艦ミサイルで、1970年代後半から西側諸国の海軍に広く配備されてきた、いわば「標準装備」の兵器である。デンマーク海軍も導入しており、フリゲート「ペダー・スクラム」にも搭載されていた。射程は100km超、艦艇を沈めるための本物の弾頭を積んでいる。 1982年9月6日、ペダー・スクラムはデンマークとスウェーデンに挟まれたカテガット海峡で演習中だった。そこで搭載していたハープーン1発が誤って発射されてしまう。ミサイルは低空を約34km飛行し、シェラン島北西部・ルムソース(Lumsås)の海辺に広がる別荘地に着弾して爆発。コテージ4棟が全壊し、周辺のおよそ130棟に被害が出た。それでも死者・負傷者は一人も出なかった。9月のオフシーズンで、別荘のほとんどが無人だったことが幸いした形だ。 もう少し詳しく 撃った兵士は、手順どおりに操作していただけだった。事故後の調査で分かったのは、これがオペレーターの操作ミスではなかったことだ。発射システムは訓練用のテストモードに設定され、実射に必要な物理キーは金庫に保管されたままだった。本来なら絶対に発射できないはずの状態である。ところがシステム側に欠陥があり、いつもどおりの訓練操作で本物のミサイルが飛び出してしまった。現場の乗員の責任は問われていない。 「hovsa」は事故の代名詞になった。この身も蓋もない通称はデンマークのメディアが広めたもので、死傷者が出なかったこともあって、事故は深刻な軍事スキャンダルというより「国民的な笑い話」として記憶されることになった。今では英語圏でも「Whoopsie Missile(やっちゃったミサイル)」の名で紹介されている。 問題の艦は、いまも見られる。ペダー・スクラムはその後退役し、現在はコペンハーゲンの港で博物館船として保存・公開されている。かつて実弾ミサイルを「うっかり」放ってしまった艦を、誰でも間近に見学できるというわけだ。 海外の反応 1. 海外の名無しさん この名前、発射ボタンを押した直後にオペレーターが漏らした一言をそのまま採用したってことだよな?事故の呼び名が「おっと」由来で定着してる国、正直ちょっと好きだ。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) 発射したのがデンマーク人だから、実際に何て言ったのかは永遠に分からないんだ。最近のデンマーク人は、デンマーク人同士でもお互いの言葉が聞き取れないからな。 3. 海外の名無しさん(>>2への返信) デンマーク人として一言抗議したいところなんだが、悔しいことに何も間違っていない。 4. 海外の名無しさん デンマーク人だけど本当の話だよ。どういうわけか奇跡的にけが人は出なかった。ただし別荘は何軒か、文字どおり跡形もなく吹き飛んだけどね。 5. 海外の名無しさん(>>4への返信) 記事で「死者もけが人もゼロ」の一文を読んで、心の底からホッとした。実弾の対艦ミサイルが別荘地に落ちてそれって、どれだけ運が良かったんだよ。 6. 海外の名無しさん(>>4への返信) 幸運が二重になってるんだよな。まず9月だったから別荘がほぼ無人だった。夏のバカンス時期なら中に人がいた可能性が高い。それと発射海域がカテガット海峡だったから、ミサイルがスウェーデン側に逸れていたら、ちょっとした外交事件になっていたはずだ。 7. 海外の名無しさん 補足しておくと、発射機はテストモードに設定されていて、発射に必要なキーは金庫にしまわれたままだった。つまり本来なら物理的に発射できないはずの状態だったんだ。原因はメーカー側の欠陥で、しかも現場のオペレーターはその欠陥を知らされていなかった。 8. 海外の名無しさん(>>7への返信) そうそう、オペレーターのミスじゃない。システムは安全側にロックされているはずだったから、彼はいつもの訓練手順どおり、たしか「12345」みたいな適当な座標を打ち込んで発射ボタンを押しただけなんだ。デンマークはシステムを作ったアメリカの会社を訴えて勝訴してる。かなり深刻な欠陥が明るみに出た事故だった。 9. 海外の名無しさん(>>8への返信) 手順どおりの訓練のつもりが、目の前で本物が飛んでいくんだもんな。ボタンを押した本人はあの瞬間、人生でいちばん長い数秒間を過ごしたと思う。想像しただけで胃のあたりが痛い。 10. 海外の名無しさん 公平を期して言っておくと、あのミサイルはどちらかというと、勝手に自分の意思で飛んでいったようなものだから。 11. 海外の名無しさん(>>10への返信) 「ダメでしょ!悪いミサイル!」って、犬を叱るみたいに言うのはやめろ。 12. 海外の名無しさん 俺が乗ってた艦も、ホルムズ海峡のすぐ近くで実弾の魚雷を誤発射したことがあるよ。実に楽しい時間だった。魚雷は起動する前に海底に突き刺さって止まってくれたけどね。 13. 海外の名無しさん(>>12への返信) その事故の報道、艦のことを「問題を抱えた駆逐艦」って書いてて、思春期の船みたいで笑うんだよな。「あなたの子ども時代の話を聞かせてください」「すべては、私がノバスコシアでゴムボートだった頃に始まりました……」 14. 海外の名無しさん(>>13への返信) 「問題を抱えた駆逐艦」の元祖といえば、第二次大戦のアメリカ駆逐艦ウィリアム・D・ポーターだ。ルーズベルト大統領を乗せた戦艦アイオワを護衛中、訓練のはずの魚雷を本当に発射して、よりによってそのアイオワに向かわせた。無線封止中だから発光信号で警告しようとして、それも間違えて「本艦は後進する」と伝える始末。最終的に無線封止を破って知らせて、アイオワは回避に成功した。以来この艦、すれ違う艦から「撃つな!こっちは共和党だ!」って挨拶されるようになったんだ。ルーズベルトが民主党だからね。 15. 海外の名無しさん(>>14への返信) その話でいちばん好きなのは、「魚雷が接近中です」と報告されたルーズベルト本人が「それは見たい」と車椅子を船べりまで動かさせて、迫ってくる魚雷を見物したというくだりだ。しかも後で、事故を起こした乗組員を処罰しないよう自分から頼んでる。大物すぎるだろ。 16. 海外の名無しさん デンマーク語の話に戻していい?あの言語、口いっぱいに食べ物を頬張ったまましゃべってるように聞こえるんだよ。頼むから、ちゃんと噛んで飲み込んでから話してくれ。 17. 海外の名無しさん(>>16への返信) その文句をデンマーク語で言おうとしたお前は、たった今、牛乳1000リットルを注文したぞ。 18. 海外の名無しさん デンマーク語は、読み書きを覚えるだけなら英語話者にはそこまで難しくないらしい。ただし聞き取りは別で、「音節の半分しか発音されない。しかもどの半分を発音するかは人によって違う」というジョークがあるくらいだ。 19. 海外の名無しさん(>>18への返信) そんなことは絶対にない!われわれデンマーク人は、ボディランゲージと文脈で、かなりの部分をちゃんと察し合っている! 20. 海外の名無しさん(>>19への返信) 察し合うのに疲れたから、うちの家族はもう全員、創作ダンスで意思疎通する方式に完全移行したよ。 21. 海外の名無しさん 本物のデンマーク人として補足すると、うちの地元の方言は、コペンハーゲンの人が聞いたらたぶんドイツ語に聞こえる。小さな国なのに、ローカル方言だけはやたらと豊富なんだ。そりゃお互い聞き取れなくもなるよ。 22. 海外の名無しさん ちなみに問題の艦ペダー・スクラムは、いまはコペンハーゲンの港で博物館船として保存されてる。訪れる価値はあるよ。 23. 海外の名無しさん(>>22への返信) 「あのミサイルを発射した艦」として見学に行けるの、最高だな。死傷者が出なかったからこそ、国を代表する笑い話として大事に保存できるわけだ。 まとめ 発射キーが金庫に入ったままでも、ミサイルは飛ぶときは飛ぶ——1982年のデンマークで起きた「やっちゃったミサイル」事件。コテージ4棟を全壊させながら死傷者ゼロという幸運もあって、コメント欄は事故の検証よりも、デンマーク語の聞き取りにくさいじりと各国海軍の失敗談自慢で大盛り上がりだった。手順どおりに操作しただけのオペレーターを責める声がほぼ見当たらないのも、この事故の後味の良さを物語っている。 元ソース: 1982年、デンマークの軍艦が実弾のハープーンミサイルを誤発射。この出来事は今では「やっちゃったミサイル」事件として知られている The post 「発射キーは金庫の中、システムはテストモード。それでもミサイルは飛んだ」1982年デンマークの誤射が「やっちゃったミサイル」と呼ばれるまで appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…