双子は同じ日に生まれるもの——という前提が、この姉妹には当てはまらない。2012年、アイルランドで生まれたエイミーとケイトのエリオット姉妹は、姉が6月1日、妹が8月27日に生まれている。あいだは87日。双子の出生間隔としては、いまも記録上いちばん長い。しかも二人の誕生日が離れたのは事故が重なった結果ではなく、医療チームが「そうする」と判断した結果だった。 ※注:双子かどうかは「ひとつの妊娠のなかで一緒に育ったか」で決まるもので、生まれた日が同じかどうかは関係ない。23時58分と0時03分に生まれて誕生日が別々になった双子はそう珍しくもなく、このエリオット姉妹はその差が極端に開いた例にあたる。 今日の知ってた? 📅 姉のエイミー・エリオットが生まれたのは2012年6月1日、妹のケイトが生まれたのは同年8月27日。差は87日で、双子の出生間隔としてはギネス世界記録に認定されている。エイミーが極端に早い時期に生まれたあと、ケイトはそのまま子宮に残り、3か月近くたってから生まれた。これは自然に起きた偶然ではなく、「遅延分娩」と呼ばれる産科の手立てで、条件が揃ったときにだけ医療チームが選ぶ方法である。 背景:一人目が生まれたあと、あえて二人目を出さない 双子の妊娠で、片方だけが極端に早い時期に生まれてしまうことがある。ふつうなら、そのまま続けてもう一人も生まれる。子宮の収縮は始まっているし、子宮の入り口も開いている。何もしなければ、数十分から数時間のうちに二人目も出てくる。 ところが、生まれるのがあまりに早すぎる時期だと、そこで二人目まで出してしまうのは、その子にとっては最悪の選択になる。妊娠6か月に届くかどうかという段階では、肺も腸も血管も、外の世界で自力でやっていくにはまだ足りない。一週間長く子宮の中にいられるかどうかで、その子が生き延びる見込みは目に見えて変わる。 そこで選ばれることがあるのが遅延分娩(英語では delayed interval delivery)である。一人目が生まれたあと、収縮を抑える薬を使い、抗生物質で感染を抑えこみながら、二人目の妊娠をできるところまで続ける。一人目のへその緒は子宮の入り口の近くで結んで切り、その子の胎盤は無理に出さずに置いておく。母親は入院したまま、日単位で様子を見られ続けることになる。 これは「起きる現象」ではなく「選ぶ処置」である。できる条件はかなり限られていて、二人の胎盤が別々であること、母親に感染の兆候がないこと、大きな出血がないこと、収縮が薬で落ち着くこと——そのすべてが揃った場合にだけ検討される。途中で発熱や出血が出れば、その時点で中止して二人目を出す。世界でも症例報告として数えられる程度の頻度でしかなく、日常的におこなわれている処置ではない。 もう少し詳しく 87日という数字の意味。報道によれば、母親のマリアさんはエイミーが生まれたあともそのまま入院を続け、ケイトが生まれるまでの3か月近くを病院で過ごした。エイミーのほうは、妹が生まれたあともしばらく病院に残っていたと伝えられている。87日というのは記録として並べると景気のいい数字に見えるが、実際には「一日でも長く」を医療チームと母親が積み上げた結果であって、狙って伸ばせる類のものではない。 先に生まれた子と、あとから生まれた子。ここで多くの人が引っかかるのが、「じゃあ二人の発達はどうなるのか」という点である。早産で生まれた子には修正月齢という考え方があり、本来の予定日を起点に数え直す。3か月早く生まれた子が生後3か月になった日、その子の発達の目安は「生まれたばかりの赤ちゃん」に近い。つまり妹のケイトが生まれた日、姉のエイミーはすでに生後3か月ではあるけれど、体としてはようやく新生児のところに追いついたばかり、という状態にあたる。 ※注:修正月齢は、早産で生まれた子の成長を評価するときに使われる数え方。予定日を基準に数え直すことで、「早く生まれたぶん、その時点でできることが少ないのは当たり前」という部分を差し引いて見られるようにする。一般に2〜3歳ごろまで使われ、そこから先は実際の年齢で見ていくことが多い。ただし早産そのものに伴う影響が別にあることもあり、修正月齢で追いつけば全部おしまい、という単純な話ではない。 星座は分かれ、学年は分かれない。6月1日と8月27日という日付を並べると、二人の星座は別々になる。しかも先に生まれた姉のエイミーのほうが、よりによってふたご座である。一方、学年のほうは分かれない。9月に新学年が始まるイギリスやアイルランドの区切りでも、4月に始まる日本の区切りでも、6月生まれと8月生まれは同じ学年に入る。10年ほど前のイギリスの新聞は、二人がそろって小学校の初日を迎えたところを伝えている。 ※注:日本の学齢は「4月2日から翌年4月1日まで」がひとつの学年。2012年6月1日生まれと8月27日生まれは、どちらも2012年度の枠に収まる。イギリスは「9月1日から翌年8月31日まで」なので、8月27日生まれのケイトはぎりぎりで同じ学年側だったことになる。あと5日ずれていたら、双子で学年が分かれるという事態が本当に起きていた。 海外の反応 1. 海外の名無しさん きょうだいの「自分のほうが先に生まれた」というマウント、あれの最上位版じゃないか。数分の差を一生言い続ける人がいるくらいなのに、87日差。もう反論のしようがない。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) こっちは3か月近く先輩なんで、そこんとこよろしく。……という一言を、生まれた瞬間から一生使えるわけだ。うらやましいような、面倒くさいような。 3. 海外の名無しさん(>>1への返信) うちも双子で、自分が1時間だけ上。それでも言い合いになると「私があなたの年齢だったころは、もう皿洗いをしてたけどね」って使ってる。1時間前の話なのに。これが87日ぶんあったら何が言えるんだろう。 4. 海外の名無しさん(>>3への返信) それ、逆向きにも刺さるやつだと思う。何か失敗するたびに「お前は3か月も長く準備期間があってそれか」って返されるまである。 5. 海外の名無しさん 友達ができるたび、恋人ができるたびに説明が発生するのがしんどそう。「あれが私の双子のきょうだい。今日はあの子の誕生日。いや、私のじゃない。明日でも昨日でもない。3か月後。……うん、じゃあ最初から話すね」を一生やることになる。 6. 海外の名無しさん(>>5への返信) 腕に説明ページのQRコードを彫っておくのが早い。聞かれたら黙って腕を差し出して、相手が読み終わるまでお茶でも飲んでいればいい。 7. 海外の名無しさん 発達にどう響くのかが気になる。素朴に考えれば先に生まれたほうが遅れそうなものだけど、いまの新生児医療がどこまで補えるものなのか、まったく想像がつかない。 8. 海外の名無しさん(>>7への返信) 早産の子には修正月齢という数え方がある。本来の予定日を基準に数え直すやり方で、3か月早く生まれた子が生後3か月になった時点で、発達の目安としては生まれたばかりの赤ちゃんと同じ位置に立つ。だから妹が生まれた日、姉は生後3か月ではあるけれど、体のほうはようやく新生児の地点に着いたところ、ということになる。 9. 海外の名無しさん(>>8への返信) ただ、外で育つのと中で育つのは同じじゃない、というのが難しいところ。子宮の中でしか進まない過程があって、途中で外に出るとその続きは別のやり方で補うしかなくなる。肺が分かりやすい例で、酸素を送りこんで支えることはできても、受け取る側の肺が育っていなければそこが上限になってしまう。 10. 海外の名無しさん うちの娘は27週で生まれた。運動面の遅れがけっこうあって、何年もリハビリに通った。いま8歳で、残っているのは握力が弱いのと走り方が少し独特なくらい。目の発達が心配だと言われて3歳まで毎年検査していたけれど、そっちは結局なにもなかった。 11. 海外の名無しさん(>>10への返信) うちも27週の子で、もうすぐ8歳になる。3〜4歳までは全体的にゆっくりで、体も小さかった。目のほうは手術が必要だった。いまは分厚い眼鏡以外はごく普通の8歳。姉妹が3人いるけど、育ち方は本当に一人ずつ違う。 12. 海外の名無しさん 素朴な疑問なんだけど、胎盤はどうなるんだろう。ふつうのお産では胎盤が残ってしまうのは危険で、感染や出血の原因になるはず。片方だけ生んだあと、母体はどういう状態で3か月を過ごすことになるの。子宮の入り口だって一度は開いているわけだし。 13. 海外の名無しさん(>>12への返信) 先に生まれた子のへその緒は子宮の入り口の近くで結んで残し、その子の胎盤は無理に出さずに置いたままにする、というのが一般的なやり方らしい。二人の胎盤が別々であることが前提で、熱や出血など感染の兆候が出た時点で中止して二人目を出す。だから、条件が揃わないとそもそも選択肢にすらならない。 14. 海外の名無しさん エイミーのほうは「ここ、二人で使うには狭すぎるわ。お先に」って感じで出ていったんだな。 15. 海外の名無しさん(>>14への返信) ケイトは「家賃タダの物件があと3か月残ってるんだけど?」って言ってそう。この温度差が姉妹の性格の全部な気がしてきた。 16. 海外の名無しさん 双子の数少ない利点って、大変なことがまとめて一回で済むところだと思ってた。それを2回に分けてやることになった母親のことを考えると、記録がどうという話ではなくなってくる。しかも3か月ずっと入院したままなわけで。 17. 海外の名無しさん 14年ほど前の話だけど、この87日のあいだ、二人のあいだで法律上できることが違う期間が一生ついて回るんだよな。年齢で線が引かれる場面って意外に多いから、細かいところで妙な状況がいろいろ出てきそう。 18. 海外の名無しさん(>>17への返信) 先に成人の年齢に届いたほうが、妹の目をまっすぐ見ながら合法的に一杯やるところまで想像できてしまった。87日間だけの優越感。 19. 海外の名無しさん 親からすれば誕生日の準備が年2回になるわけで、それは正直しんどいと思う。ただ本人たちからすれば、プレゼントの日が年に二回あって、しかも姉妹で取り合いにならない。これは子ども側の勝ちだ。 20. 海外の名無しさん 双子かどうかは同じ妊娠のなかで一緒に育ったかどうかの話で、生まれた日は関係ない。日付をまたいで生まれた双子なんていくらでもいる。この姉妹はその差が極端に開いただけで、双子であることは何ひとつ変わらない。 21. 海外の名無しさん 学年が分かれてしまうんじゃないかと心配して調べたら、9月1日で区切るこっちの制度だと、8月27日生まれはぎりぎり同じ学年側だった。あと5日ずれてたら本当に別々の学年だったわけだ。星座のほうはきれいに分かれて、しかも先に生まれた姉がふたご座。できすぎている。 22. 海外の名無しさん 記事によると、お母さんは当初どちらも助からないかもしれないと思っていたらしい。そこから二人とも育っているのなら、誕生日が2回になろうが説明が一生面倒だろうが、親からすれば全部おまけみたいなものだと思う。 まとめ エイミーとケイトのエリオット姉妹が生まれたのは2012年6月1日と8月27日、その差は87日。双子の出生間隔として記録上いちばん長い。ただしこれは珍事として起きたことではなく、一人目が極端に早く生まれたあと、二人目をできるかぎり子宮に留めるという「遅延分娩」を、条件が揃ったからこそ医療チームが選べた結果だった。コメント欄は前半こそ「先に生まれたほうが一生マウントを取れる」「友達ができるたびに説明が必要」という軽口で盛り上がっていたが、途中から「胎盤はどうなるのか」「発達に差は出るのか」という素朴な疑問へ流れ、早産の子を育てた人たちが次々に自分の経験を書き込んでいった。修正月齢の話、外では進まない発達の話、そして「87日は狙って伸ばせる数字ではない」という指摘。記録としての面白さから入って、母親と医療チームが一日ずつ稼いだ3か月の重さに行き着く——そういう読まれ方をしていたのが印象に残った。 元ソース: 双子のエイミーとケイトのエリオット姉妹は、エイミーが極端に早く生まれたため、87日離れて誕生した。これは双子の出生間隔として記録上いちばん長い The post 「姉が6月1日、妹が8月27日」双子なのにあいだが87日空いた——同じ妊娠から、ふたつの誕生日が生まれた話 appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…