ロンドンの公園に敷物を広げて、サンドイッチをつまみながら半日だらだら過ごす。あの何でもない集まりに、公園を管理する側からきちんとした定義が与えられている、という話である。しかも人数が一定を超えると「ピクニック許可証」が必要になり、その料金は250ポンド。日本円にすると5万円弱だ。何でもないはずのピクニックが、どこから「何でもなくない」に変わるのか。その線引きが、驚くほど具体的に文章になっていた。 ※注:これは「ロンドン中の公園に一律で適用される法律」ではない。ロンドンの緑地は、王立公園(ロイヤルパークス)、各区が管理する公園、公益団体が管理する緑地などに分かれていて、利用ルールは管理者ごとに定められている。元スレで話題になっているのも、そのうちのある公園の利用規定であり、どの公園の、いつ時点のものかまでは示されていない。実際に大人数で集まる予定があるなら、使う公園の管理者が出している最新の案内を確認するのが確実だ。 今日の知ってた? 🧺 ロンドンのある公園では、「非公式なピクニック(informal picnic)」という言葉に文章化された定義があり、参加者が30人を超える場合には「ピクニック許可証(Picnic Licence)」が必要とされている。料金は250ポンド(1ポンド190円で換算すると約4万8千円)。その定義によれば、非公式なピクニックとは「地面に敷物を敷く」形のものを指し、テーブルや椅子といった構造物を持ち込むものはこれに当たらない。理由として挙げられているのは、地面の損傷、生息環境の攪乱、そして希少な野生生物への影響である。 背景:どこからが「非公式」ではなくなるのか 元スレで最も読まれていたのは、規定の文面をそのまま引いたコメントだった。要約するとこうなる。「当方は、非公式なピクニックを『地面に敷物を敷く』形のものと定義しており、テーブル・椅子・その他の構造物を用いるものは含めない。それらは地面の損傷、生息環境の攪乱、希少な野生生物への影響を引き起こしうるためである」。 つまり、この規定が線を引いている場所は、こういうことになる。 敷物を地面に敷く形の集まりは「非公式なピクニック」に当たる テーブル・椅子・その他の構造物を使うものは、非公式なピクニックには当たらない 構造物を挙げている理由は、地面の損傷・生息環境の攪乱・希少な野生生物への影響 そのうえで、参加者が30人を超える場合には「ピクニック許可証」が必要で、料金は250ポンド ここに書いた4つが、元スレで確認できた内容のすべてである。音響機器を使う場合はどうなるのか、テントは構造物に入るのか、営利目的の催しには別の扱いがあるのか——気になるところは他にもあるが、そこまでは元スレでは触れられていない。ないものを想像で足すと、たちまち「ロンドンではテントを張ると罰金」のような話に化けてしまうので、ここでは止めておく。 ちなみに、この手の規定は英国に限った話ではない。コメント欄でも「うちの町の公園も一定人数を超えると届け出が要る」「アメリカでも大人数の集まりには許可が必要な公園が多い」という書き込みが早い段階から並んでいた。日本にも、公園に物を置いたり行事のために一定の区域を占有して使ったりする場合には、公園の管理者から占用許可を得るという仕組みがある。手続きの中身や費用は管理者ごとに違うので一概には言えないが、「公共の場所を一時的に独り占めするなら手続きを踏む」という考え方そのものは、わりとどこの国も同じらしい。 もう少し詳しく 250ポンドは高いのか。金額だけ見ると身構えるが、割ってみると印象が変わる。30人ちょうどで割れば一人あたり8ポンドと少し、日本円にして1600円ほど。参加者が50人いれば一人500ポンド……ではなく5ポンド、およそ950円になる。会費制の集まりの中に紛れ込ませれば、飲み物代より安い。屋内の会場を数十人で借りることを考えれば、桁が違う。コメント欄でも「一人あたり10ポンド以下なら妥当」という声のほうが多かった。 もっとも、この金額を「安いから優しい」と読むのは少し違う気がする。安すぎれば誰もが公園を無料の貸し会場として扱い始めるし、高すぎれば普通の人が締め出される。250ポンドという額は、払えなくはないが、払う前に一度考える——そのくらいの位置に置かれている。「ちょっと面倒だな」と思わせることそのものが、この制度の機能なのだろう。 なぜ「敷物かテーブルか」なのか。笑いどころとして扱われがちな部分だが、公園を管理する側の理屈で読むとかなり筋が通っている。テーブルと椅子を30人分持ち込むということは、それを運ぶ車両が芝生の際まで入ってくるということであり、設営と撤収の時間が発生するということでもある。脚が地面を点で押すので、同じ重さでも敷物より跡が残りやすい。敷物一枚と、テーブル十卓。公園にかかる負担は、見た目の印象よりずっと違う。 「非公式」を公式に定義するという矛盾。それでも、この規定のいちばん面白いところは、やはり言葉そのものにある。非公式であることを、公式な文書が公式に認定している。しかも「敷物なら非公式」という判定基準まで添えて。役所仕事の極みのようでいて、実務としてはこれ以上ないほど正しい。「大きな集まりはご遠慮ください」とだけ書かれた規則は、結局その場に立っている職員一人に判断を押しつけることになるからだ。人数と敷物という誰にでも数えられるものに落とし込んだ時点で、この規定はかなり親切な部類に入る。 なぜこんな規則ができたのか。元スレでいちばん多くの支持を集めたコメントは、「こういう規則は、誰かが制度を利用し尽くしたから生まれる」という一言だった。返信では「公園で結婚式やイベントを開く人が出てきて、他の利用者が何時間も締め出される事態になったのだろう」という推測が続いていた。実際に何があったのかは元スレでは確認できていないが、規則というものが大抵そういう順序で増えてきたのは、たしかにその通りだと思う。 海外の反応 1. 海外の名無しさん 「非公式なピクニック」の定義が公式文書に載っているという時点で、もう面白い。非公式であることを行政が公式に認定してくれるわけだ。役所仕事の極みという感じがして、なんだか嫌いになれない。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) とはいえ、線を引かないと現場が回らないのも事実だと思う。「大きな集まりはご遠慮ください」とだけ書かれた規則は、結局その場にいる職員が一人で判断を背負うことになる。何をピクニックと呼ぶのか先に文章にしておくのは、むしろ現場に優しいやり方だ。 3. 海外の名無しさん 30人を超える集まりを「非公式なピクニック」と呼ぶのには無理がある。それはもうピクニックじゃなくて、催し物だろう。 4. 海外の名無しさん(>>3への返信) 5人ならピクニック、10人でも親戚の集まりで済む。30人を超えたあたりから、誰かが受付をやり始めて、誰かが飲み物の本数を計算し始める。あの瞬間にピクニックは終わって運営が始まるんだと思う。 5. 海外の名無しさん 規定の本体を読むと、判定基準は人数だけじゃないのが分かる。地面に敷物を敷いていれば非公式、テーブルや椅子を持ち込んだらそうではない、と書いてある。つまりテーブルを出した瞬間に、こちらの集まりは公式なものへ昇格するらしい。 6. 海外の名無しさん(>>5への返信) 茶化されてるけど、これは相当まっとうな基準だと思う。テーブルと椅子が出てくるということは、それを運ぶ車が芝生の際まで入ってくるということだし、設営と撤収の時間も要る。脚で地面を点で押すから跡も残りやすい。敷物一枚とは、公園にかかる負担がまるで違う。 7. 海外の名無しさん 250ポンドと聞くと身構えるけど、30人で割れば一人あたり8ポンドちょっとだ。会費制の集まりだと思えば、そこまで法外な額でもない気がしてきた。 8. 海外の名無しさん(>>7への返信) たぶんそこが狙いなんだと思う。屋内の会場を30人で借りたら桁が変わる。安すぎれば誰でも公園を貸し会場代わりに使い始めるし、高すぎれば普通の人が締め出される。「ちょっと面倒だな」と思わせるあたりに、わざと置いてある額だ。 9. 海外の名無しさん それでも公共の場所に集まるだけで金を取られるのは、どうも釈然としない。税金で維持されている公園で、その税金を払っている側が人数分の値札を貼られている感じがする。 10. 海外の名無しさん(>>9への返信) 擁護しておくと、大人数が一か所に集まったあとの芝生は本当にひどいことになる。踏み固められて根が死んで、雨が降れば泥だまりになって、元に戻すまで何か月もかかる。出るゴミの量も普通じゃない。その手入れをしているのも結局は税金なんだから、大きく使う人が少し多く払うのは筋が通っている。 11. 海外の名無しさん それなら29人のピクニックを、同じ時間に同じ場所で3つ開けばいいわけだな。もちろん互いにまったく無関係の、たまたま隣り合っただけの集まりということで。 12. 海外の名無しさん(>>11への返信) たぶん管理する側もそれは分かっていてやっている。日常的に取り締まる気なんてなくて、明らかに度を越した使い方をされたときに「これは規定に反しています」と言えるカードを一枚持っておきたいだけだと思う。 13. 海外の名無しさん うちの町の公園も、15人を超える集まりには届け出が要る。ただし手数料はゼロだ。要するに、何かあったときに誰へ連絡すればいいのかを先に知っておきたいだけらしい。 14. 海外の名無しさん(>>13への返信) その運用はかなり賢いと思う。お金を取るのが目的じゃなくて責任者の名前と連絡先を押さえるのが目的だから、届け出る側の抵抗も小さい。ゴミが残っていたとき誰に電話すればいいか分かっているだけで、公園の状態はずいぶん変わる。 15. 海外の名無しさん 大人数の集まりに許可が要るのは、別にロンドンだけの話じゃない。アメリカでも公園で人を集めて何かやるなら許可が必要なところは多いし、名前が「許可証」か「免許」かで印象が変わっているだけだと思う。 16. 海外の名無しさん ロンドンの大きな公園で毎年夏に友人たちと集まっていて、来る人数が30人を超える年もある。全員ただ敷物に座って、菓子を食べて喋っているだけだ。正直、この規定の存在自体を今日はじめて知った。 17. 海外の名無しさん(>>16への返信) 実際そんなものだと思う。敷物に座って喋っている集まりに職員がわざわざ寄ってきて人数を数えることは、まずない。問題になるのは音を出したり、区画を長時間占領したり、企業が会場代わりに使ったりした場合だけだ。 18. 海外の名無しさん この規則、たぶん個人が作らせたんじゃなくて、企業や団体が作らせたんだと思う。公共の公園をタダの会場として使い倒す人たちが出てきて、後から線を引く羽目になったやつだ。 19. 海外の名無しさん(>>18への返信) 結婚式を「友人20人と両親と祖父母がたまたま集まった非公式なピクニック」と言い張ることは、書き方次第で実際にできてしまう。だからこそ、人数という無粋な数字を置くしかなかったんだろう。文章で防ごうとすると、いくらでも抜けられる。 20. 海外の名無しさん 理由のところに「希少な野生生物への影響」まで書いてあるのが、個人的にはいちばん意外だった。公園は人のための場所だとばかり思っていたけれど、管理する側はそこまで数に入れているらしい。 21. 海外の名無しさん(>>20への返信) 都市の公園は、まわりが全部舗装されているぶん、鳥や虫にとっては海に浮かぶ島みたいな場所になっている。人が毎回同じ場所を踏み続けると、そこだけ草が戻らなくなって、巣を作る生き物から先にいなくなる。理由として書いてあるのは、そんなに大げさな話じゃない。 22. 海外の名無しさん 昔、近所の公園に大人数が来て勝手にクリケットの区画を引いてしまい、他の人が入れない状態がしばらく続いたことがあった。結局その公園ではクリケット自体が禁止になった。ああいうのを一件でも起こさないための紙切れなんだと思う。 23. 海外の名無しさん(>>22への返信) ちなみにクリケットは、投球する中央の区画だけ寸法が決まっていて、その外側の競技場そのものには公式な大きさがない。だから広い場所さえあれば、いくらでも大きく取れてしまう。公園と相性が悪いのは、ある意味で仕組みの側の話でもある。 24. 海外の名無しさん どこの国の公園にも似たような決まりはあるけど、たいていは「大規模な催しは事前にご相談ください」みたいな、読んだ側が何も分からない書き方をしている。「非公式なピクニックとは敷物のことである」と正面から書いてくれるほうが、実はよほど親切だと思う。 まとめ ロンドンのある公園では、「非公式なピクニック」に文章化された定義がある。地面に敷物を敷く形のものがそれに当たり、テーブルや椅子などの構造物を使うものは当たらない。理由は地面の損傷、生息環境の攪乱、そして希少な野生生物への影響。そのうえで参加者が30人を超えるなら250ポンド、日本円で約4万8千円の許可証が要る。コメント欄は「非公式を公式に定義するとは役所仕事の極み」という笑いと、「あの人数が集まったあとの芝生とゴミを見れば当然だ」という擁護に、きれいに二分されていた。ただ、両者が着地した場所は案外近い。無粋な数字を一本引いておかないと、公園という場所は「悪気のない誰か」に静かに占領されてしまう。あなたなら、何人からを「もうピクニックではない」と感じますか。 元ソース: ロンドンの公園での「非公式なピクニック」には公式な定義があり、参加者が30人を超えると250ポンドのピクニック許可証が必要になる The post 「非公式なピクニックとは、地面に敷物を敷くもののことである」テーブルを出した瞬間に公式になるらしい appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…