【社説】駐米大使の帰国が露呈した韓米関係の赤信号(中央日報) 康京和(カン・ギョンファ)駐米韓国大使が趙顕(チョ・ヒョン)外交部長官の指示で一時帰国した。事実上の緊急召還だ。3カ月前にも個人の日程を兼ねて帰国していた康大使の相次ぐ一時帰国も異例だが、外交安保部処のほか経済部処の長官らとともにNSC(国家安全保障会議)常任委員会会議に出席するのも前例を探すのが難しい。あちこちで赤信号が見える韓米関係の現住所を露呈しているようだ。康大使本人も「現場感を伝えるために来た」と述べ、ワシントンの尋常でない気流を政府要路に伝えるための帰国であることを明らかにした。 康大使は16日、魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が開いた国家安全保障会議(NSC)常任委員会会議に出席したが、外交・国防・統一部長官、国家情報院長など普段の出席者のほか、財政経済部、産業通商部、公正取引委員会の当局者も出席した。こうした背景は、「韓米関係は通商と安保が結びついているだけに、一段階進展させるためには複数の部処が有機的に協力して対応するべき」という魏室長の発言から推測できる。 現在の韓米関係は、昨年10月に両国首脳が合意した通商・安保共同ファクトシートの履行が9カ月間にわたり空転していることからも分かるように、決して正常な状況とは言えない。核心的な原因は、政府内で青瓦台(チョンワデ、大統領府)の政策室長を筆頭とする「通商派」と、安保室長や外交部長官に代表される「安保派」の隔たりが適切に調整されていないからだ。 「通商派」は投資の商業的合理性、国内産業保護、為替安定などの経済論理を掲げ、3500億ドル(約5兆6800億円)にのぼる対米投資の執行に消極的だ。実際、6月に「対米投資特別法」が国会を通過したにもかかわらず、政府はまだ第1次投資プロジェクトを提示していない。昨年5500億ドルの対米投資を約束した日本が2月と3月の2回にわたり約1090億ドル規模の対米投資プロジェクトを発表したのとは対照的だ。米国がどのような視線で韓国を眺めているのかが分かる。最近、米連邦議会にまで飛び火した「クーパン事態」について、康大使は「予想よりはるかに長引いている」と述べたが、その根底は対米投資プロジェクトにある。 一方、「安保派」は対米投資の履行なしには原子力潜水艦の導入、再処理およびウラン濃縮、戦時作戦統制権(戦作権)の返還など、自主国防のための宿願事業を進展させることができない現実的な限界に直面している。外交部長官が対米外交の最前線にいる康大使を緊急召還し、「通商派」に現地の雰囲気を説明するという苦肉の策を出したのもこのためだ。 さらに過去の民主党政権時代の根深い「同盟派」と「自主派」の隔たりも、韓米関係をさらにこじらせる要因として作用している。鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の発言を口実にした米国側の対北朝鮮情報制限、戦作権返還の時期と条件に関する韓米間の不協和音などがその事例だ。 (引用ここまで) 「英語おばさん」ことカン・ギョンファ駐米韓国大使が一時帰国。 全権大使が召喚されるのではなく、単に一時帰国すること自体がかなり珍しいのではないでしょうか。 ちょっと「日本大使が帰国するのはどんなパターンがあったか」と考えてみたのですが、先方の国家元首が訪日するか、閣僚がよほどの要件を持って訪日する際に随行するくらいしか思い浮かびません。 二国間関係に重要な問題が生じて召喚された、あるいは大使会議等であればまた別ですが、今回はそういった形ではありません。 あくまでも「在米韓国大使だけが帰国」です。 カン大使は4月にも一時帰国していたのですが、その際にはプライベートの用事もあったとのことでした。 今回は明白に「緊急一時帰国」となっています。 帰国理由として、カン・ギョンファ大使が「現場感を伝えるために帰国した」と述べた、とのことで。 米韓間の懸案が少なくないことを示唆しています。 安保面でも経済面でも米韓関係はきしみを上げているのは既報です。 統一部長官が機密情報であった北朝鮮のウラン濃縮施設の場所をぽろりとこぼしてしまったなんてこともありました。 アメリカ側はそれに対して軍事情報共有を停止しています。 アメリカ、韓国との軍事情報共有を停止。韓国政府閣僚が北朝鮮の核関連施設の場所を漏らしたことへの報復か これ以外にも安保関連ではイ・ジェミョンが重ねて「外国の軍隊など必要ない」と発言するなど軋轢が拡がっています。 イ・ジェミョンの就任前にCSISのビクター・チャ氏が指摘していたように、ですね。 ちなみに就任後にも同じように指摘がありました。 経済関連ではトランプ関税関連の対米投資が1ミリも進んでいないこと、あるいはアメリカ企業であるクーパンを差別的に扱っていることなど。 根本的に韓国が同盟国であるアメリカを尊重していないことから、不信感が積み重なっています。 ただ、韓国側はそうは思っていないのでしょうね。 そうした「アメリカ側の意図」「現地の空気感」をカン・ギョンファ大使が韓国政府に伝えるために一時帰国せざるを得なかった……ってことなのでしょう。 思っていたよりも米韓関係は悪化しているってことだよなぁ。 note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 韓国で起きた「投票用紙不足」事態……なぜ起きたのか、そして周辺事情を見てみよう 」となっています。 また、楽韓noteメンバーシップを開いています。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 マガジンから移行していただけるようお願いします。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…