2025年末、日本の山間部に暮らす73歳の男性に、電力会社を名乗る人物から電話がかかってきた。個人情報を答えなければ電気を止めるという。男性は不安になり、電話番号や銀行口座の残高を話してしまったが、途中で不審に思い、金は送らなかった。 翌年2月、男性の電話番号と銀行残高が、タイ国境に近いカンボジア北西部の施設跡から見つかった。ロイターが男性に連絡して確認したところ、資料の内容は電話で相手に話した情報と一致した。 施設内には、家庭内暴力の被害を打ち明けたアメリカ人女性の記録、恋愛詐欺や警察官になりすますための台本、暗号資産ウォレットの情報も残されていた。さらに、外国の警察署や銀行を再現した部屋と、大量の二段ベッドが見つかった。 日本人を狙った詐欺の資料と、働く人間を閉じ込める設備が、同じ施設内にあった。…