1: バイト歴50年 ★ tInQ7eLP9 2026-07-11 17:49:39 「所得再分配調査報告書」(以下「報告書」)は、日本の世帯所得の推移を知るために厚生労働省が3年に1回行なっている調査で、最新のものは令和5年(2023年)版です。 「再分配」とは国家が国民から税や社会保険料を徴収し、それを年金や医療費などのかたちで国民に分配することです。「再分配前所得」は、こうした国家による介入が行なわれる前の所得で、会社員なら手取りではなく額面の給与、高齢世代では年金を除いた世帯所得になります。 図表1は世帯単位の再分配前所得と、人口に対するその構成比を示しています。 ここからわかるのは、年金などの再分配を除くと、日本では年間所得50万円未満の世帯が30.4%、およそ3世帯に1世帯を占めていることです。色付けした部分までの累積比は51.3%で、半数の世帯が所得250万円以下です。 所得1000万円以上の世帯も9.6%あり、これをまとめると、「日本社会はおよそ3世帯に1世帯の所得がほぼゼロで、およそ10世帯に1世帯が年間所得1000万円超」になります。 世帯所得が2年間で9%以上も減った さらに驚くのは、(コロナ禍で1年遅れで行なわれた)前回調査(2021年)に比べて、世帯単位で見た再分配前所得が大幅に下がっていることです。2年前の世帯所得は423.4万円で、それが384.8万円へと9.1%(38万6000円)も減っています。 しかしこれは、にわかには信じがたい数字です。 日本経済はデフレから「脱却」したことで物価が上昇し、給与の引き上げがそれに追いつかず、実質賃金(*)が4年連続のマイナスになっています。これが「生活がどんどん苦しくなる」という怨嗟えんさの声を生んでいるのですが、労働者の名目所得そのものは賃上げによって増えているはずです。 *名目賃金(給与明細の金額)から物価の影響を除いた「ほんとうの(実質的な)購買力」のこと。 ところが「報告書」では、実質の世帯所得ではなく名目の世帯所得が、わずか2年間で9%以上も減ったことになっています。なぜこんなことになるのでしょうか…