Kコンテンツ、なぜ韓国ではなく東京で撮影するのか【コラム】(朝鮮日報) 8年前のことだ。特に何も考えずにマーベル映画『ブラックパンサー』を観ていたところ、スクリーンいっぱいにチャガルチ市場が躍動し、広安大橋が登場するシーンに戦慄した。海外映画の舞台といえば、たいていニューヨークの高層ビルやモロッコの狭い路地だろうと思っていたが、私が生まれ育った釜山がブロックバスターの華麗な追跡シーンとして世界に刻み込まれた。韓流を超え、Kロケーションの始まりを告げた見事な試みだった。当時韓国政府は撮影のために道路15カ所を規制し、制作費の25%(27億ウォン)を即時還付するという全面的な支援を行い、「撮影しやすい国」というマイルストーンを築いた。 ところが最近、韓国の有名制作会社が手掛ける420億ウォン規模のグローバルOTTプロジェクトが、次シーズンの舞台として釜山ではなく東京を検討中だという話を聞いた。作家は釜山をテーマとしたにもかかわらず、撮影地は東京に傾いている。その理由は、日本が「制作費の半額還付」を掲げているのに対し、韓国はそれさえも事実上打ち切られてしまったためだ。 日本の経済産業省は、制作費の最大50%を還付する「JLOX-PLUS」を運用中だ。日本で撮影すれば「特別戦略枠」を適用し、10億円(約94億ウォン)までの現金還付を保証する。一方、韓国の撮影インセンティブ予算は年間20億~40億ウォン程度だ。大作1本が年初に申請して獲得すれば、それだけで予算が底をついてしまう先着順の構造だ。1話あたり70億ウォンが投入される今回のプロジェクトの場合、東京で撮影する瞬間、損益分岐点は100億ウォン近く下がる。制作会社が東京での撮影を検討するのは、決して奇妙な選択ではない。 現実は正反対に流れている。海外共同制作支援予算はほぼ消滅し、ロケ支援組織も壊滅状態だ。制作会社は警察署・区役所など関係機関を5、6カ所、一つ一つ回って許可を得なければならない。「Kコンテンツの世界化」を海外で叫びながら、国内では門戸を閉ざし審査ばかりに明け暮れているという不満が現場から上がっている。 (中略) 日本はシステムを活性化させるために資金を投入して道路のロケ地使用を認めているが、韓国は行政の壁に阻まれ、自国市場さえも明け渡している。釜山・海雲台の超高層ラウンジが東京のビル群に変わる瞬間、数百億ウォンの消費と雇用も共に国境を越えるだろう。世界が韓国の風景を渇望する黄金期に、なぜ我々は主人公たちを東京の街へと押し出しているのか。制作インフラが官僚主義にとどまる限り、世界のカメラはこれからも韓国を素通りし続けるだろう。 (引用ここまで) だいぶ懐かしい「ブラックパンサー」の一部が韓国で撮影されているのはよく知られています。 当時、韓国政府が取り仕切っていたフィルムコミッションが誘致したものでした。 2018年公開。 また、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」(アベンジャーズ2)でちらっとソウルが映っているのもフィルムコミッションでの成果でしたね。 こちらは2015年公開。 ただ、アベンジャーズ2でのソウルはお世辞にも「きれいなもの」としては扱われていなかったのです。 路地裏のがちゃついた雰囲気や、夜の派手な電飾看板なんかが扱われていまして。 「ニューヨークにも負けない先進都市」をアピールできると息巻いていたのですが、「思っていたのと違う」みたいな形だったのですね。 「ブラックレイン」での日本のような扱いにしてほしかったのでしょうね。 あるいはニューロマンサーでのチバシティのような。 「地下鉄の椅子の配置が実際のものとは違った」とかのクレームがメディアからついたのですよね。 「超近代都市としてソウルを描写する」との覚書まで締結していたそうですよ。 でもなぁ、ソウル中心地の街角なんてどこにでもありふれているんですよ。 藤子・F・不二雄の21エモンで宇宙人が地球観光にきて「こんなものは我が国ではごく普通だ」って言うのだけども、新幹線や「昭和村」には興味津々だったなんてエピソードがあります。 外国人にとっては手近にないものこそが目新しいのですよ。 まあ、韓国人にとって「見せたい韓国」はそうじゃないんでしょうけども。 そうした行き違いからこのところ韓国でロケが行われた外国映画はとんと見なくなりましたね。 そしてさらに韓国映画 ── というかサブスクで配信される映画でロケ地がフィルムコミッションに乗る形で東京になりそうだとのこと。 韓国では大統領が代わる度、あるいはソウルや釜山の市長が代わる度に前任のやってきたことは無に帰するのはいつものこと。 そのあたりの影響がフィルムコミッションにも出ている感じがしますね。 note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 サムスン電子のボーナスは6000万円! メモリ景気に沸く韓国!! 本当に韓国経済の景気はよいのか? 」となっています。 また、楽韓noteメンバーシップを開いています。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 マガジンから移行していただけるようお願いします。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…