1 : ◆「婚約破棄で傷ついた」といわれ結婚話は避けていた 「とてもショックだった。結婚していると聞いていれば妊娠も流産もなかった」。2月中旬、東京地裁。女性は声を絞り出した。 女性の証言などによると、大手総合商社に勤める40代男性と2019年、マッチングアプリで知り合った。しばらくメッセージのやりとりをし、都内の飲食店で会ったとき、男性は「付き合っている人はいない」と話した。 間もなく交際に発展。「休日はスポーツで忙しい」という男性の都合で、会うのは平日の夜だった。互いの自宅に行ったことも、旅行したこともなかった。 というのも、男性から「婚約破棄して傷ついている」という内容の発言があったから。これ以上傷つけてはいけないと、結婚など将来的な踏み込んだ話はしていなかったという。 ◆法廷で男性は「遊び目的で割り切った関係」と そんな中、交際5年目の2024年、妊娠が判明した。女性は「うれしくて子どもの名前を考えていた」。しかし、男性に報告すると「子どもは欲しくない」と中絶を求められた。問いただすと、既婚者だと明かした。 おなかの子は流産。女性は昨年6月、人格権や性的自己決定権を侵害されたとし、慰謝料など550万円を男性に求めて提訴した。 法廷で男性は、既婚者と言わなかった理由を「遊び目的で割り切った関係と思っていた」と繰り返した。 ◆「相手に非があると認められ、前に進める」 4月23日の判決で坂本智裁判官は、男性が「結婚の現実的な可能性があるように装い、女性に性交渉に応じさせた」として、女性の自己決定権を侵害したと認定。5年に及ぶ交際の末、妊娠が分かると突き放した男性の対応を「不誠実」と断じ、110万円の支払いを命じた。 全文はソースで…