世界各国で電気自動車(EV)の販売が急増している。イラン情勢の悪化に伴うガソリン価格の高騰や、原油供給停滞の長期化への懸念から、走行時に化石燃料を使わないEVへの関心が高まっている。開発に注力する中国メーカーは販売攻勢を強める一方、ハイブリッド車(HV)などが主軸の日本車には逆風が吹いている。 タイの首都バンコク近郊で3月25日~4月5日に開かれた自動車展示会。一般客との商談による受注台数は、前年比1・7倍の13・3万台と大幅に増え、7割をEVが占めた。中国EV大手BYDは「化石燃料依存の低減」を前面に出した販売戦略が奏功。全体の13%を占め、トヨタ自動車を抑えて首位だった。奇瑞汽車やMGなど他の中国勢も好調だった。 インドネシアでも3月、EVを中心とする中国車の新車販売台数が前年同月比で1割以上増えた。 東南アジア各国は石油不足に備え、省エネの一環でEVの利用促進を掲げる。原油輸入を中東に依存する一方、天然ガスや石炭といった発電燃料は自国で一定量をまかなえる国も多く、「EVがより選ばれるようになる」(タイ工業連盟のクリアンクライ会長)との見方が広がる。 補助金削減の影響でEV販売が減速していた欧州でも、EVが復調している。 ドイツでは、3月のEVの新車販売台数が前年同月の1・7倍の7・1万台に急増した。英国では3月の新車販売台数が6・6%増の38・1万台となり、EVは24%増の8・6万台と過去最高を記録した。英オンライン自動車販売大手「オートトレーダー」のイアン・プラマー最高顧客責任者は「消費者が新車を選ぶ際の決め手が燃料費になった」と指摘する。…