経営が悪化し、社債の償還期限の問題に直面している日産自動車は借り入れやさらなる資産売却を通じて1兆円規模の資金調達を検討している。 ブルームバーグが確認した文書によると、高利回りのドルやユーロ建てを含む最大6300億円の転換社債や普通社債を発行する。また、英国政府系の機関である英国輸出信用保証局から保証が付いた10億ポンド(約1900億円)のシンジゲートローンも受けることも視野に入れる。 日産はまた、保有する仏ルノーや電池メーカーのAESCグループの株式、南アフリカとメキシコの工場を売却する計画。さらに、横浜市の本社と米国にある不動産も売却してリースバックすることも検討している。 事情に詳しい複数の関係者によると、4月に就任したイバン・エスピノーサ社長兼最高経営責任者(CEO)は今月に入って取締役会にこの計画を提示した。 資金の一部は4-6月期(第1四半期)中に調達する方針だが、承認は得ておらず実現するかどうかは不透明という。 新たな資金調達は既存の社債の借り換え分も含んでいる。 報道を受け、午後の取引再開直後から日産株は上昇幅を拡大。一時前日比4.6%高の377円と4月2日以来の日中高値を付けた。…