1 名前:昆虫図鑑 ★:2026/03/09(月) 16:09:37.83 ID:8hUU3t4w.net 「地上の楽園」と宣伝された北朝鮮への帰還事業を巡り、北朝鮮政府の責任を認め、脱北者ら4人に計8800万円を賠償するよう命じた判決が2月、確定した。原告女性が40年間にわたり強いられた悲惨な生活の実態を明かし、「判決が北朝鮮に残された人を救うきっかけになってほしい」と訴えた。(中村俊平) 「人生奪われた」 「原告らは北朝鮮に人生の大半を奪われたと言っても過言ではない」。1月26日、東京地裁の法廷に響く神野泰一裁判長の判決言い渡しを聞きながら、原告の一人、斎藤博子さん(84)はハンカチで涙をぬぐった。「これまでの苦難を裁判所にようやくわかってもらえた」と語る。 福井県出身で、中学卒業後、17歳の時に在日朝鮮人の夫と出会って結婚した。間もなく、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の構成員が自宅を訪ねてくるようになった。「病院代が無料」「きれいなアパートに住める」「食べ物の心配もいらない」。北朝鮮への渡航を何度も勧められた。 日本と北朝鮮の両赤十字の協定に基づき、1959年に始まった帰還事業への勧誘だった。「日本人妻は3年で帰国できる」とも聞かされ、20歳だった61年、夫や幼い長女と船に乗り込んだ。84年まで続いた同事業では、在日朝鮮人ら計約9万3000人が北朝鮮に渡り、うち約1800人は斎藤さんのような日本人妻だったとされる。 餓死者を「回収」 中国との国境に近い町での生活は、「楽園」とはかけ離れていた。割り当てられた8畳ほどの薄暗いアパートは、天井に裸電球がついているだけ。風呂はない。家族3人に15日分の食料として配給されたのは、米1キロと小麦粉だけだった。「だまされた」。約束の3年が過ぎても日本に戻れなかった。新たに5人の子をもうけたが、結核を患った夫は薬を手に入れることができないまま、94年に亡くなった。 この頃、飢饉(ききん)があり、配給は途絶えた。家族で銅線の密売や窃盗をして得たお金で食料を買ったり、野草で飢えをしのいだりした。「あのひもじさは思い出すのも嫌だ」。各地で餓死者が続出し、路上に転がる遺体をトラックが毎週のように回収していたという。 (略) 斎藤さんは現地に残された人々の存在や窮状を広く知ってほしいとの思いから、18年に訴訟を起こした。地裁判決は「北朝鮮は、事実と異なる情報を流して原告らを誤信させた」「精神的、肉体的苦痛は甚大だ」と指摘。各1億円の賠償を求めた原告1人につき、2200万円を支払うよう北朝鮮に命じた。原告、被告とも控訴せず、判決は2月10日に確定した。 斎藤さんは「子や孫と連絡がとれず、つらい。日本政府には、北朝鮮に残された人々が日本に戻れる道を探ってほしい」と話す。日本政府は、北朝鮮政府に日本人妻の安否を調査するよう要請しているが、進展はないという。 異例訴訟、弁護団は評価 訴訟は異例の経過をたどった。北朝鮮に訴状が届かず、東京地裁は提訴の事実を地裁前に掲示して届いたとみなす「公示送達」を実施。その上で、2022年、「渡航の勧誘行為から20年以上がたち、賠償請求権は消滅した」と訴えを退けた。 これに対し東京高裁は23年、「北朝鮮に留め置いた行為も一体として評価すべきだ」として審理を地裁に差し戻した。地裁は1月26日、差し戻し後の判決で、不法行為は原告らが脱北した01~03年時点まで続いており、提訴した18年までに20年が経過していないとして、原告勝訴とした。 北朝鮮側は訴訟に一度も出廷せず、主張書面も提出しなかった。賠償に応じる可能性は低いが、原告弁護団は「帰還事業の違法性が公の記録として残った意義は大きい」と強調する。今後、日本国内に存在する北朝鮮の財産を探し、回収も検討するという。 引用元:…