1 俺たちは捕まらない――。そう言わんばかりの挑発的な文句を、警察官が電話でぶつけられた。兵庫県尼崎市で起きた巨額の特殊詐欺事件だ。 調べでは、詐欺被害に遭ったのは市内の男性会社員(38)。11月3日、自宅にいるとスマートフォンに着信があった。相手は「福島県警捜査2課の警部補」を名乗り、 「あなたのクレジットカードが詐欺事件に利用された」とまくし立てた。 男性は身に覚えがないまま、「あなたが逃走しないよう、お金を預けてもらう必要がある」という説明を信じ込んでしまう。指示される通り、7~19日に現金を繰り返し振り込んだり、 マンションの入り口付近に置いておいたりして、計2900万円をだまし取られた。 相手からは「あなたの潔白が証明されるまで」として、出勤も禁じられた。さらに最初の電話以降、ビデオ通話機能でつながったままで、振り込みなどで外出する際も含め、 絶えず行動を監視されている状態が続いていた。 最後は、24日。「お金を返す。手続きをするから、電話をつないだまま最寄りの警察署へ行くように」と命じられる。男性の向かった先は、尼崎北署だった。 相手は、わざわざ署員に代わるよう言った上で、電話に出た生活安全課員にこう告げた。「その人から、お金をたくさん取りました。面倒を見てやってください」。 20~30歳代くらいの男で、あざ笑うかのような口調だったという。電話は、ぷつりと切れた。 前代未聞ともいえる挑発行為に、署の幹部は「捕まえられるなら捕まえてみろというのか。ゲーム感覚のつもりかもしれないが、捨てゼリフで幕引きにはさせない」と 怒りを隠さない。男性は長期にわたって「拘束」された上、貯金に加えて保険を解約するまでしてお金を渡しており、憔悴(しょうすい)しきっていたという。 手口の巧妙さを誇りたかったのか。それとも、まんまと現金を奪い取った高揚感なのか。詐欺グループの真意は分からない。 「絶対、あの声を忘れない」と電話口に出た署員は話しているという。思いを一つにした捜査員たちの声が、届くだろうか。必ず追い詰める――と。 7 警察から電話がかかることはほぼないとわからんのかね かかるとしたら落とし物や駐車違反くらいだろうに 後は大体直接くる 9 >>7 そうやっておれは分かってるから、と思っても詐欺師はその上を行くから被害が減らないのだよ…