1: ペンシクロビル(茸) [AU] yaCAD53I0● BE:582792952-PLT(13000) 2025-12-22 22:48:47 sssp://img.5ch.net/ico/o_anime_usodesu.gif 冬の寒さと夏の暑さがいずれも厳しいわが国では、エアコンはもはや贅沢品ではなく、生命を維持するために必要最低限のインフラとなっています。しかし、本来国が守るべき生活困窮者の中には、エアコンが壊れても買うことができないなど、命の危険にさらされている人もいます。 生活保護行政でも、エアコンについて「購入は原則自己負担」「壊れたら借金して修理」という、憲法25条(生存権)が骨抜きになりかねない運用実態が散見されます。 この年末年始も、壊れたエアコンの前で、あるいはエアコンのない部屋で、カイロを握りしめることもできず、寒さに耐えている人々がいます。「助けて」と言いたくても、役所の窓口は年末年始の休暇で閉ざされています。 本稿では、行政書士である筆者に届いた人々の現実的な苦悩と、最新の行政通達、そして最高裁判例が示す「行政裁量」に関する判断枠組みを照らし合わせ、わが国のセーフティーネットの問題点を検証します。(行政書士・三木ひとみ) あるシングルマザーの悲劇 2024年8月、猛暑のさなか。神奈川県A市で小学生の娘と二人で暮らしていたシングルマザーのホノカさん(仮名・40代)は、住んでいた部屋のエアコンが故障し、行政に助けを求めました。 ホノカさんは、子どもの頃に受けた虐待により身心に障害を負っていました。また、娘のミズキさん(仮名・小学4年生)は、脳の病気を抱え入退院を繰り返していました。 ホノカさんは、ケースワーカーに窮状を何度も訴えました。しかし、返ってきたのは「このケースでは、例外なく費用は出せません」という言葉でした。 ホノカさんは諦め、灼熱の室内で娘さんと耐えていました。エアコンだけでなく、冷蔵庫も炊飯器も壊れていました。 私はホノカさんから相談を受け、行政書士として福祉事業所や厚労省にも電話を何度もかけ、交渉を重ねました。しかし、行政の壁は厚く、ついに障害を持つ母子家庭へのエアコン支給の公費が特例として認められることはありませんでした。 「公平な対応という観点から、ホノカさんにだけ特別に支給することはできない」それが、行政の回答でした。 そして、冬の寒さが厳しくなった2025年の年明け、ホノカさんが自宅で一人亡くなっていたという連絡が入りました。 ホノカさんがミズキさんと一生懸命、前を見て生きようとしていたことは、私が受け取った数々のLINEやメールからうかがわれます。 多くの安価な賃貸住宅において、エアコンは唯一の暖房器具です。それが壊れているということは、真冬の寒い部屋で、毛布にくるまって震えるしかないことを意味します。世間が正月を祝う団らんの灯りの陰で、ホノカさんはどれほどの寒さと心細さに耐えていたのでしょうか。 ホノカさんは「自分は生活保護を受けることができて恵まれているから」と、生活保護費を切り詰め、困っている被災地に支援を送っていたことがあるような、心の優しい女性でした。 行政の「公平性」という名の不作為によって、ホノカさんの気力体力が奪われていったことは想像に難くありません。…