
1: 匿名 2025/12/22(月) 07:18:29.14 ID:Q3N3T0MB9 産経新聞2025/12/21 09:00 青春時代の懐かしい曲とともに、シニアが周りと一体となって踊れるライブハウスやディスコが活況だ。往時を懐かしむ層に加え、20代の若者から外国人観光客までが押し寄せ、熱く盛り上がっている。現場の一つに行ってみた。 ミラーボールの下で 11月の週末、生バンドの演奏に合わせてさまざまな年代の男女がステップを踏む。曲のサビ部分で、シンガーと同じ振り付けを一斉にすると、ミラーボールの下は一体感に包まれた。ここは東京・銀座にあるライブハウス「銀座ケントス」だ。 「好きな音楽を聴きながら体を動かすのがとても楽しい。1ステージ踊ると2000歩になる。汗をかいて健康にもいい」と話すのは、今年定年退職を迎えた元公務員の男性(60)。知り合った〝ケントス仲間〟からは「タカさん」と呼ばれている。「職業や本名を知らなくても、同じ楽しみを持っているのですぐに打ち解けられる」と言う。 「コンさん」こと小杉登さん(75)はケントス歴約20年。毎週土曜の常連だ。タカさんをはじめとしたケントス仲間と「話して踊るのが楽しみ」。コンさんはケントスで27年にわたって活動するシンガー、みずのらんさんの長年のファンで、らんさんへの推し活も楽しんでいる。 らんさんは「『両親や上司に連れてきてもらった』という若い方もたくさん来ていただいている。ケントスを愛してくださる方々に支えてもらっています」と話す。年末でケントスを卒業する予定だが、「これからもわくわくする楽しい場所であってほしい」と期待を込めた。 「生演奏の楽しさ」 ケントスの歴史は長い。カラオケボックスがまだ普及していない昭和51年、「ノスタルジーとなつかしさ」をコンセプトに始まった。客がバンドの生演奏に合わせて踊り始めたことがきっかけで、踊るスペースを作り、「生バンド+踊れる」スタイルを確立させた。最盛期は全国に約40店舗を展開し、現在も東京を中心に6店舗を営業する。 バンドは日替わりで、1ステージ45分で10曲ほど演奏する。30分の休憩を挟み、6回のステージをこなす。20年くらい前にはやった曲を中心に、演目はその日の客層や雰囲気に合わせる。1970~80年代のバンド、アース・ウインド&ファイアーやクイーン、2000年代以降のブルーノ・マーズ、韓国アイドルのBTSといった、さまざまな年代やジャンルのミュージシャンの作品レパートリーが常時200曲くらいある。近年は外国人観光客も多いという。 ケントス運営会社の尾形光浩取締役は「音楽はスマートフォンでも聞けるけど、生演奏の楽しさは格別だ。1人でも、踊らなくても、お酒を飲まなくても、気軽に楽しさを味わってほしい」と話した。 50~86歳の女性、「ディスコ行ったことある」6割近く ディスコやライブハウスの活況を牽引するのは、1970~90年初頭のブームを経験した世代だ。 シニア女性向け月刊誌「ハルメク」のシンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」が昨年行った調査では、50~86歳の女性490人のうち、「ディスコに行ったことがある」人は58.8%と6割近くに上り、「今、ディスコに行ってみたい」と回答した人も21.0%で、5人に1人となった。 同研究所の梅津順江(ゆきえ)所長は「ディスコがはやっていた世代がシニアになった。時間ができて当時の熱が再燃し、ブームを作っている」と分析。「ちょっとした非日常を楽しめるし、全身を動かして運動になる。音楽を聴いて体を動かせば、脳の活性化につながる可能性もある。体と脳の健康にいい点も人気の背景にあるのではないか」とみている。(大渡美咲)…