
1: 匿名 2025/12/13(土) 15:00:21.32 ID:4foRlvkA9 12/13(土) 9:01配信 デイリー新潮 「黒差別」を巡る問題は、いまなお、国内外を問わず、絶えず議論になるテーマである。この2025年も8月のテニスの全米オープン女子で、ラトビア選手がアフリカ系米国選手に敗れた際、相手方を「教育も品格もない」と発言。「差別的だ」と批判が沸き起こり、同大会に参加していたハイチ出身の父を持つ日本の大坂なおみ選手も、「最悪の言葉」とコメントするなど、大きな騒動となったのだ。 【写真を見る】「ちびくろ・さんぼ」絶版騒動を報じた朝日新聞の紙面>> 日本でも、いまなお問題となるテーマだが、その表現との関連において、過去、最もホットに議論された事例と言えば、今から37年前に起きた『ちびくろ・さんぼ』絶版騒動ではないだろうか。 昭和の終わりも間近の1988年12月、大阪府堺市にある市民団体からの「黒差別だ」との指摘を受け、岩波書店が13日までに同書を絶版措置に。同社は『ちびくろ・さんぼ』を日本で最も古くから出版していた版元だった。同様の抗議を受けた他の出版社も既に絶版を決定しており、これにより、2005年、瑞雲舎(東京・港区)が同書を復刊するまでの17年間は、このオリジナルな内容そのものが新刊本として日本で世に出回ることはなかったのである。1990年には、冬季五輪招致を目指していた長野市が、保育園や家庭に同書の廃棄を要請したことでも話題となった。 当時、『ちびくろ・さんぼ』の何が問題とされ、なぜ絶版という極めて異例の措置が取られたのか。そして、それは妥当なものだったのか――。「週刊新潮」では、2005年、瑞雲舎版が刊行されたことを機に、改めて絶版の際の経緯を当時の関係者に取材している。出版社に相次いで抗議文を送り、絶版の流れを作った人物が、取材に語った言葉とは。以下、当時の記事を再録し、「黒差別」と「表現」について考える契機にしてみよう。 たった4日で絶版 A氏(58)は、堺市役所の教育委員会に勤務していた。妻は小学校教諭。当時、小学校1年生だった長男が黒差別に関心をもったことから、親子は「黒差別をなくす会」を結成。妻が会長で、A氏が副会長、長男が書記長を務め、岩波書店に抗議文を送ったのである。 こうした市民運動の支援をしたのが、朝日新聞をはじめとした当時の進歩的文化人だった。この効果は大きく、岩波書店の関係者はこう振り返る。 「抗議文が届いてから、編集現場に何の相談もなく、たった4日で会社として絶版を決めてしまった」 その勢いで、Aさんの会は会員を増やし、カルピスの商標やダッコちゃん人形などにも次々と抗議。さらに札幌市内に「くろん公園」「ちびくろ公園」という名前の公園があることを聞きつけると抗議文を出し、その結果、公園名は変更となったのである。 「“さんぼ”という単語自体が、明らかに黒に対する侮蔑語です。復刊については、表紙の絵を見て、心を痛めている黒がいるという現実を知っているのかと言いたい。この本だけでなく、いまだに黒差別がなくなっていないという現実が問題です」 復刊された『ちびくろ・さんぼ』は、現在30万部を超える売れ行きである。 先の社長は語る。 「“さんぼ”という意味は、たしかにアフリカ系のアメリカ人にとっては差別的です。しかし、原作のインドという舞台では、“さんぼ”はよくある名前で、太郎、次郎みたいなもの。復刊して、お年寄りの方から“自分たちが息子に読んであげた本。今度は孫に読んであげたい”と手紙を頂きました。3世代にわたって読まれている本なのです」 抜粋ソース >>…