1: 七波羅探題 ★ fjFcNjL69 2025-11-12 16:07:58 carview!2025.11.12 14:50 ■ウインカー未使用の現実 日本の道路では、「ウインカーを正しく使用しないドライバー」が一定数存在する。 中古テスラは「二束三文」って本当? バッテリー不透明性と「売って終わり」政策が奪う国益とは 道路交通法第53条では、運転者は左折、右折、転回、進路変更の際に方向指示器で合図し、その動作が終わるまで続けることを義務付けている。さらに道路交通法施行令第21条では、交差点の30m手前、あるいは進路変更の3秒前に合図を出すことを定める。違反した場合、普通車では反則金6000円、違反点数1点が科される。 しかし、実際の道路では理想から大きく乖離している。2016年に日本自動車連盟(JAF)が全国で実施した調査では、「ウインカーを出さずに右左折や車線変更をする車が多い」と感じる人が77.1%に上った。 さらに2023年には、JAF Mate誌が東名高速道路東京料金所付近で調査を行った。車線変更時にウインカーを3秒前に点灯させていたドライバーは 「わずか1%」 で、同時点灯が約43%、3秒未満が約37%、走行中の点灯が約19%だった。この傾向は、安全意識の低下だけでなく、 ・車の流れを妨げない自己判断 ・心理的な急ぎ が影響していると考えられる。 では、なぜここまでウインカー不使用が横行しているのか。本稿では、ドライバーの心理的背景を探りつつ、交通社会全体のストレス軽減につながる適切な合図の重要性を解説する。 連鎖する交通リスク ウインカーを出さない行動には、感情的要素と状況的要素が複雑に絡んでいる。JAFが2025年2月に実施した会員アンケートでは、約7割のドライバーが 「前方の車が突然ブレーキを踏んで驚いた経験がある」 と回答した。さらに同年4月の実地調査では、全体の約4分の1がウインカーを出す前にブレーキを踏んでいたことが確認された。 こうした行動の背景には、突発的な判断が多い。 ・目的地を急に見つけた ・ナビの音声案内に焦って進路変更した ・道を間違えて動揺した といったケースだ。危険回避以外の理由でブレーキを踏んだ車の約4割は、その後に右左折や進路変更を実施している。事前に合図していれば、後続車へのリスクを低減できた可能性が高い。 また、急なブレーキを目撃したドライバーの約6割が 「急ハンドルや急減速を強いられた」 と回答している。一瞬の判断ミスが周囲の車両に連鎖的な危険をもたらすのだ。国土交通省の交通事故分析でも、方向指示器を適切に用いないことは事故リスクを高める運転行動のひとつと位置付けられ、早めの合図が事故防止に有効であると指摘されている。 交通心理学の視点では、運転者が自らの運転技量を過大評価する「自信バイアス」や判断への「過信」が、合図の省略や自己中心的な進路変更につながる。こうした心理傾向は相互配慮を低下させ、交通環境全体の予測可能性を損なう要因となる。 このように、ウインカーの不適切な使用は単なる怠慢ではない。心理的焦りと認知的過信が重なった結果として現れ、交通安全に深刻な影響を与えている。 ウインカーの本来の目的は、自車の意図を他者に伝えることだ。しかし、実際の道路では、多くのドライバーが“他人に見せるための合図”という点を軽視している。 なぜこうした運転が目立つのか。それは合図を自分が曲がるための動作と捉え、 「後続車や対向車、歩行者が状況を把握するための情報」 という視点が欠けているためだ。道路交通法施行令では、右左折の合図は「その行為をしようとする地点から30メートル手前」、車線変更は「その行為をしようとする時の3秒前」と定められている。 この30mや3秒という基準は、ただのルールではない。後続車が前車の動きを認識し、安全に速度調整や回避行動をとるための時間的・空間的余裕を確保する目的で設定されている。 したがってウインカーは点灯させるだけでは不十分だ。 「他者に正しく認識される」 ことで初めて、その役割を果たす。ひとりひとりのドライバーが見られるための意識を共有し実践することで、追突事故のリスクは大幅に低減される。結果として、安全で円滑な交通社会の実現につながるのである。 多くのドライバーが日常的にマナーを意識しているものの、行動として徹底できていない現状には注意が必要だ。 ※以下出典先で…