1 名前:樽悶 ★:2024/04/25(木) 18:28:45.79 ID:M7r5wbor9.net 文=David Axe 先週末、ウクライナ東部の廃墟化した都市アウジーウカのすぐ西の前線を監視していたロシア軍のドローン(無人機)や斥候兵は、奇妙な光景を目にした。オチェレティネ村のすぐ東にあるウクライナ側の塹壕陣地には、ウクライナ軍の精鋭部隊である第47独立機械化旅団の兵士たちがいるはずだった。ところが、そこはもぬけの殻だった。 そう、この村は無防備な状態になっていたのだ。 この好機をロシア軍の第30独立自動車化狙撃旅団は逃さなかった。アウジーウカ中心部から北西に延びる線路沿いに数km一気に進撃し、オチェレティネの大半を掌握した。その南にあるノボバフムチウカ村も占領した可能性がある。 この前進はロシア軍によるウクライナ支配領域への侵入としてはここ数カ月で最速ペースのものであり、アウジーウカ西方のウクライナ側の防御線を崩壊させるおそれが出ている。この防御線は数カ月にわたって維持されてきたが、ロシア軍によって深く切り開かれつつある。 「パンドラの箱が開いた」。ウクライナの調査分析グループ、ディープステートはそう表現している。 ウクライナ軍の指揮官たちが恐慌をきたしていることは、彼らがオチェレティネの北から西にかけての突破口を防ぐために慌てて送り込んだ部隊を見てもわかる。第100独立機械化旅団である。第100旅団はウクライナ軍で最も新しく、最も軽装備の旅団のひとつであり、指揮官たちが求めているような最前線での緊急対応にはおそらく向いていない。 オチェレティネの防衛が崩れたのは第47旅団の責任ではないもようだ。M1エイブラムス戦車やM2ブラッドレー歩兵戦闘車など米国製装甲車両の中心的な運用部隊である第47旅団は、1年近くにわたって戦闘を続けてきたあと、切に必要とされている休息期間に入るため、オチェレティネからの撤収命令に従っていたとされる。 オチェレティネでの任務は第115独立機械化旅団が引き継ぎ、アウジーウカ西方の防御線を完全に維持するのに十分な兵力で、第47旅団がいたのと同じ戦闘陣地を途切れなく埋めることになっていた。 だが、うまくいかなかった。第47旅団の有名な中隊長で、ウクライナ軍による昨年の反転攻勢の過程で片足を失ったミコラ・メリニクは、第115旅団の「一部部隊がズラかった」と明かしている。 第115旅団が防御線を守らなかったために、ロシア軍の第30旅団をオチェレティネに誘い入れるかたちになった。ウクライナ軍の司令部はパニックに陥った。指揮官たちは、戦闘で疲弊している第47旅団に引き返して前線に戻るよう命じ、第100旅団には反撃を命じた。 ■米国が急送した10億ドル分の弾薬は間に合うか 第100旅団は、2018年12月にウクライナ領土防衛隊(米国の陸軍州兵に相当)の旅団として編成され、先月末に陸軍の機械化旅団に格上げされたばかりの部隊だ。 第100旅団は経験が浅いわけではない。所属する2000人かそこらの将兵は、ロシアがウクライナで拡大して2年2カ月たつ戦争で何度も戦闘を行っている。だが、この旅団は、第47旅団のような精鋭部隊の戦闘力の中核になっている重装備、つまり西側製の戦車や歩兵戦闘車、大砲は持っていない。 それでも第100旅団は奮戦し、線路沿いにオチェレティネからさらに11kmほど西のプロフレス村方面への前進を試みたロシア軍の第30旅団や第41諸兵科連合軍の部隊を食い止めた。「第100機械化旅団の反撃が功を奏し、プロフレスに向けた前進の試みは阻止された」とディープステートは報告している。 オチェレティネ方面で次に何が起こるかは不透明だ。ウクライナのシンクタンクである防衛戦略センター(CDS)は24日の戦況評価で、ウクライナ側は今のところ「(オチェレティネ)村の西部で陣地を保持し、村の南部に対する火力統制も維持している」と分析している。 とはいえ、ウクライナ軍が比較的弱い旅団を戦闘に投入せざるを得なかったことは、アウジーウカ西方でのウクライナ側の予備の乏しさを物語っている。対するロシア側はこの方面で、まるまる1個の戦車師団、第90親衛戦車師団を予備として温存している。 ウクライナ軍の東部作戦コマンド(統合司令部)が追加の予備を動員する前に、第90師団がオチェレティネ方面に突入すれば、ロシア軍の侵入は本格的な突破に拡大する可能性がある。ウクライナ軍の数万人規模の部隊は、さらに西にある次の防御線まで後退を余儀なくされるかもしれない。(以下ソース) 4/25(木) 17:30配信 引用元:…