1:香味焙煎 ★:2024/03/08(金) 06:05:05.47 ID:IfFNJzdU9 自動車を運転中に事故に遭った際、女性は男性より1・45倍けがをしやすい。警察庁の持つ過去10年分の事故データを毎日新聞が分析したところ、性別による負傷リスクの差が浮かび上がった。こうした知見は近年海外で注目されており、国内でも同様の実態が裏付けられた。 女性のほうがけがをしやすい理由は分かっていない。ただ、車の安全性能に関する基準は、運転手として男性の体形を想定している。研究開発を含めた自動車製造の世界で、性差が長く見過ごされてきた可能性がある。 分析には、2013~22年に起きた交通事故をまとめた警察庁の統計を用いた。毎日新聞は、2台の普通乗用車による事故で、正面衝突や出合い頭の衝突など前面をぶつけた、シートベルト着用の運転手に絞って調べた。条件の選定や分析には、自動車事故や統計解析の専門家の助言を受けた。 対象となった運転手は計178万6680人(男性121万4032人、女性57万2648人)。「死亡」「重傷」「軽傷」「けがなし」に分類し、人的被害があった場合の大半を占める「重傷」「軽傷」に着目した。 事故に遭った時にけがをした割合は女性が21・05%で、男性(14・51%)の1・45倍だった。年別に見ても1・43~1・47倍とほぼ一定だった。 車の損壊程度別に負傷率を比べると、女性は「大破」で男性の1・25倍、「損傷なし」でも1・62倍となり、小さな事故ほど男女差は開いた。男性がけがをしない程度の軽い事故で、女性はよりけがをしやすい傾向が表れた。 日本や欧州では、安全性能を測るために実施が求められている衝突試験で、国連が定めた共通の国際基準を用いている。車の前面をぶつける試験では、運転席に乗せる人体ダミー人形について、平均的な成人男性を模したタイプを使うよう指定されてきた。体格が小さく骨格や筋肉量も異なる女性への影響を、見落としていた可能性がある。 自動車安全の専門家で、男女差研究の第一人者でもあるスウェーデン国立道路交通研究所のアストリッド・リンダー教授は「自動車事故における『女性の保護』は長く見過ごされてきた」と指摘する。平均的な成人女性の体格を考慮したダミーの実用化にも取り組んでおり、「普及すれば、性差なく誰にとってもより高い安全性を確保することにつながるはずだ」と話す。【春増翔太、堀智行、川崎桂吾】 毎日新聞 2024/3/8 05:30…