1:ばーど ★:2023/12/31(日) 19:18:26.86 札幌市西区で11月中旬、軽RVの左前輪が脱落し、直撃を受けた女児が意識不明の重体となるなど、道内で走行中の車からタイヤが外れる事故が相次いでいる。道警によると、西区の事故以降、少なくとも24件発生し、うち96%の23件は左車輪が外れた。脱落事故は全国的に増加傾向で、道内と同様に左車輪が外れるケースが目立つ。専門家は、左側通行のため左側に荷重がかかりやすいことや、タイヤの固定方式が国際基準に変わったことが一因との見方を示す。道警は運転前の定期的な点検を呼び掛ける。 【図】左車輪が脱落しやすい主な要因 「事故前に『ゴゴゴ』と異音がしたが、タイヤに氷が付いていると思った」 旭川市の道道で20日、運転中の乗用車から左後輪が外れた道北の20代男性は、旭川中央署に説明した。タイヤは約1カ月前に自ら取り付けたという。同市内では同日、道央道でもワゴン車の左後輪が外れた。いずれもけが人はいなかった。 道内では11月14日、札幌市西区の市道を走っていた軽RVの左前輪が外れて坂を転がり、約70メートル先にいた女児(4)に直撃し、女児が重体となっている。 道警が西区の事故以降、12月30日夕までに起きたタイヤ脱落を調べたところ、西区の事故を含め計24件発生し、外れたのは左前輪が12件、左後輪が11件、右前輪が1件だった。車両の種別は普通車が16件、大型車が6件、軽RVを含めた軽自動車が2件。24件のうち、西区の事故以外に人身事故は2件起き、歩行者と対向車の2人が軽傷を負った。 国土交通省は大型車の脱落事故の発生状況をまとめており、2011年度は11件だった。その後、右肩上がりで増え、22年度は過去最多の140件に。同年度の脱落でも95%は左車輪だった。月別では11~2月に66%と冬季に集中し、タイヤ交換から1カ月以内が53%に上った。 なぜ左車輪の脱落が目立つのか。中日本自動車短期大の清水啓司教授(自動車工学)は左側通行が一因とし、《1》道路は水はけを良くするため中央線から両側に向かって低くなっており、車体左側に荷重がかかる《2》左折時に左車輪が急旋回するため、よじれるような力が働く―ことを挙げる。 加えて大型車の脱落が増える要因として、大型車の主要メーカーが採用するタイヤ固定法が09年、国内独自のJIS方式から国際基準のISO方式に変わった影響を指摘する声もある。 JISはボルト1本に対しナット2個で固定するが、ISOはナット1個で締め付けるため、着脱が容易になった。一方、JISは左車輪のナットは左回り、右車輪は右回りで締めるのに対し、ISOは全て右回りを採用した。近畿大の梶原伸治准教授(自動車工学)は「ISOでは右車輪は走るほどナットが締まるが、左車輪は逆に緩む」と語り、方式変更で大型車のタイヤ脱落が増えたとみる。 国交省によると、22年度の大型車の脱落事故140件のうち、ISOは9割超の131件に上った。同省は「固定方式の変更と事故の増加の因果関係は不明」とするが、全日本トラック協会(東京)は「着脱が簡単になった一方、脱落しやすい面もある。こまめな点検が必要だ」と話す。 日本自動車連盟(JAF)によると、乗用車は一般的に100キロ程度走るとナットが緩む可能性がある。道警は「定期的に運転前にはナットを締めるなど点検し、走行中に違和感があったら、運転をやめて確認を」と語る。 12/31(日) 15:01 北海道新聞…