全てのレス元スレ 1: ◆Rin.ODRFYM:2019/08/09(金) 23:52:33.63 :sTJbwKvU0 ■ 一章 半分と半分 私の全身がすっぽりと入ってしまうくらい大きな姿見の前で、くるりと一回転。 片方の脚を上げてみたり、腕を広げてみたり、私の動きに伴って、当たり前だけれど鏡の中の私も動く。 そうやってしばらく鏡の中の自分を眺めることに夢中になっていたところ、ノックの音が三度飛び込んできた。 「どうぞ」 私がドアの向こうへ声を投げると、数秒の間があって、その後にゆっくりとドアノブが回る。 おそるおそるとも言うべき控えめな開き方でドアが少しだけ開いて、その隙間に滑り込むようにしてノックの主であろう、一人の男がやってきた。 視線がぶつかる。…