埼玉県春日部市の地下深くに、「地下神殿」と呼ばれる巨大な空間がある。大雨で川があふれそうになると、その水を地下に引き込んで江戸川へ流す治水施設「首都圏外郭放水路」だ。この施設が「自由の女神がすっぽり入る立坑」「出番は年に7回ほど」と海外の掲示板で紹介されると、コメント欄では「年7回って、むしろ多くない?」「それで本当に元は取れているのか」と、数字をめぐって意外な議論が始まった。 今日の知ってた? 🌊 埼玉県春日部市の地下にある「首都圏外郭放水路」には、自由の女神がすっぽり入るほど大きな立坑(縦穴)がある。元スレでは、この施設は毎秒200立方メートルの水をポンプで排水でき、使われるのは年に7回ほどだが、運用開始からの18年間で約1,484億円分の浸水被害を防いだと見積もられている、と紹介された。 背景:首都圏外郭放水路とは 首都圏外郭放水路は、国土交通省の江戸川河川事務所が管理する地下の治水施設である。中川や倉松川など、埼玉県東部を流れる川が大雨で増水したとき、あふれそうな水を地下に取り込み、トンネルで運んで、流せる水の量に余裕がある大きな川・江戸川へ送り出す。いわば、川の水のための地下バイパスだ。 なぜ、これほど大がかりな施設が必要だったのか。中川・綾瀬川の流域にあたるこの一帯は、土地が低く平らで、周囲より低い「お皿の底」のような地形が多い。川の傾きがゆるやかで、雨水がなかなか下流へ流れていかない。さらに都市化が進んで田畑が住宅地に変わると、雨が地面にしみ込まず、一気に川へ流れ込むようになった。台風や大雨のたびに浸水被害を繰り返してきた地域だったのである。 工事は1990年代前半に始まり、2002年に一部で運用を開始、2006年に全体が完成したとされる。元スレの「最初の18年間」という数字は、この運用開始からの期間を指しているようだ。 もう少し詳しく 自由の女神が入る「立坑」。川から取り込んだ水は、まず巨大な縦穴に落とし込まれる。これが立坑で、深さ約70m、内径約30mとされる。元スレでいう「自由の女神が入る」のは、この立坑のことだ。立坑どうしは、地下約50mを通る全長約6.3kmのトンネルでつながっている。 「地下神殿」の正体は、水の勢いを落ち着かせる水槽。トンネルを通ってきた水は、排水ポンプの手前にある「調圧水槽」と呼ばれる地下空間に集められる。長さ約177m、幅約78mの空間に、高さ約18mの柱が59本立ち並ぶとされ、その眺めが神殿のように見えることから「地下神殿」の愛称で知られるようになった。ここで水の勢いを整えてから、ポンプで江戸川へ送り出す。 毎秒200立方メートルという排水能力。江戸川へ水を送り出す大型ポンプは、航空機用エンジンを応用したガスタービンで動いているとされる。毎秒200立方メートルという排水能力は、ざっくり言えば、学校の25mプールの水を2秒ほどで空にできる勢いだ。 見学ツアーとロケ地としての顔。調圧水槽などを見て回れる見学ツアーが開かれており、観光スポットとしても人気がある。柱が並ぶ非日常的な空間は、映画やドラマ、CMなどの撮影にもたびたび使われてきた。 「年7回」と「約1,484億円」をどう見るか。元スレで紹介された数字は、見る人によって印象が大きく変わる。年に7回ほどの出番を「めったに使わない」と受け取る人もいれば、「2か月に1回近く働いている」と受け取る人もいる。建設費は2,000億円台とされ、18年分の被害軽減額と単純に並べれば、まだ建設費には届いていない。一方で、浸水で仕事や物流が止まる損失まで考えれば評価は変わる、という見方もある。コメント欄でも、この点をめぐって意見が分かれた。 海外の反応 1. 海外の名無しさん 今まさにフル稼働してると思う。こっちはここ2週間くらい、雨が降ったりやんだりを繰り返してる。これがなかったら、東京のあたりはとっくに水浸しになってたはずだよ。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) 少しでいいから、その雨をヨーロッパに回してもらえないかな。こっちは今年も雨が全然降らなくて、川も畑もカラカラなんだ。 3. 海外の名無しさん(>>1への返信) 妻が東京の世田谷に住んでるんだけど、ちょうど昨日、「これだけ降ってるのに雨水がちゃんとさばけてる。よくできてるなあ」と感心してたところだった。 4. 海外の名無しさん(>>3への返信) ただ、世田谷だと場所も川も違うから、たぶんこの放水路とは別の施設のおかげだと思う。この放水路が守っているのは埼玉の東部を中心とした川の流域で、東京都は東京都で、地下に雨水をためる調節池をいくつも造っている。 5. 海外の名無しさん 大規模な治水インフラって、笑っちゃうくらい割のいい投資なんだよな。オランダのアフシュライトダイク(北海の入り江を締め切った大堤防)なんて、大きな嵐が来るたびに、防いだ被害だけで建設費を取り返してるようなものだと思う。 6. 海外の名無しさん(>>5への返信) 正直に言うと、その堤防の名前を見たとき、キーボードに顔を突っ込んだのかと思った。綴りを思い出せなくて適当に打ったとか。調べてみたら、本当に「Afsluitdijk」という綴りだった。くしゃみの音にしか見えない。 7. 海外の名無しさん(>>5への返信) で、そういう施設ほど、何事もない年が続くと「維持費がかかりすぎる」「そもそも本当に必要なのか」と言い出す人が出てくるんだよね。何事もなかったのは、その施設があったからなのに。 8. 海外の名無しさん 「年に7回しか使わない」って書き方、ちょっと笑った。7回って、2か月に1回くらいは出番があるってことでしょ。全然「しか」じゃない。 9. 海外の名無しさん(>>8への返信) 自分も、10年に1回あるかないかの大災害のときだけ動く、保険みたいな施設を想像してた。年7回なら普通に働き者だよ。 10. 海外の名無しさん(>>8への返信) 非常用のインフラで年7回も出番があるなら、造る理由としては十分すぎる。2年に1回しか使わなかったとしても、造る価値はあると思う。 11. 海外の名無しさん 水を差すようで悪いけど、お金の面だけで見ると、この数字はそこまで「お得」じゃない。約1,484億円は今のレートで10億ドルくらい。一方で建設費は20億ドルほどだったと読んだ。18年かけても建設費の半分しか取り返していない計算で、しかも維持費は入っていない。もちろん、水害で壊されてから建て直すより防いだほうがいいに決まってるし、治水事業そのものは大好きなんだけどね。 12. 海外の名無しさん(>>11への返信) その被害額に、町が水に浸かって会社も店も止まり、物も運べなくなる分の損失まで入ってるのかは疑問だな。大都市圏が浸水したら、人は仕事に行けないし買い物もできない。税収まで含めれば、経済へのダメージは直接の被害額よりずっと大きいはず。 13. 海外の名無しさん(>>11への返信) そもそも、こういう施設は何十年も使う前提で造るものだから、18年で元が取れたかどうかを計算すること自体がちょっと違う気がする。記録的な大雨が一度来れば、それだけで収支はひっくり返るしね。 14. 海外の名無しさん 18年で約1,484億円ってことは、1年あたり80億円ちょっと。助かったのは確かだけど、国全体で見れば耐えられないほどの被害額じゃない。アメリカのフロリダがハリケーンで毎年どれだけの被害を出しているかを考えるとね。 15. 海外の名無しさん(>>14への返信) 比べる相手が違うと思う。これは国全体の災害対策じゃなくて、特定の川の流域を水害から守るための施設だよ。その地域だけで毎年80億円分の浸水が減っているなら、そこに住んでいる人にとってはとてつもなく大きい。 16. 海外の名無しさん 日本はこれを20億ドル規模のお金をかけて造った。一方フィリピンでは、治水事業に使われるはずの予算が政治家や業者に中抜きされていた疑惑が発覚して、大騒ぎになった。高級車や豪邸に消えたと報じられていて、思い出すだけで気分が悪くなる。 17. 海外の名無しさん(>>16への返信) 恥ずかしい話だけど、フィリピンで大雨や洪水のたびに人が亡くなるのは、どうしようもないことだとずっと思ってた。対策の予算が横領されていたと知って初めて、防げたはずの被害もあったんだと気づかされたよ。 18. 海外の名無しさん アメリカ人としては耳が痛い話だ。ハリケーン・カトリーナのとき、ニューオーリンズでは堤防が決壊して、市街地の大部分が水に沈んだ。治水は何も起きない年が続くと後回しにされがちだけど、そのツケは一晩で回ってくる。 19. 海外の名無しさん アメリカ人って、メートル法を使わずに済むならどんなものでも単位にするよな。自由の女神何体分、アメフトのフィールド何面分、スクールバス何台分って。 20. 海外の名無しさん(>>19への返信) 日本人も人のことは言えないぞ。広さの話になると、だいたい「東京ドーム何個分」で説明される。どれくらい広いのか、結局よくわからないまま納得させられるやつ。 21. 海外の名無しさん(>>19への返信) 細かいことを言うと、自由の女神は台座まで含めると高さ90mを超えるから、深さ70mほどの立坑だと頭が出てしまう。すっぽり入るのは像の部分だけだな。 22. 海外の名無しさん これって、ゲーム『ミラーズエッジ』に出てくる、あの地下の巨大排水施設みたいなステージの元ネタだったりする?写真を見たとき、真っ先にあのステージを思い出した。 23. 海外の名無しさん(>>22への返信) 自分は『指輪物語』のモリアの坑道を思い出した。『ダンジョン飯』に出てきても違和感がない。あまりに広いから、地下なのに霧が出ることもあるらしい。照明を消したら、とんでもなく不気味な景色になりそうだ。 24. 海外の名無しさん 見学ツアーがあるよ。実際に行ってきた。ただ、自分が参加したときは案内が日本語だったから、日本語がわかる人と一緒に行くのがおすすめ。柱の間に立つと、自分が小人になったみたいな気分になる。 25. 海外の名無しさん(>>24への返信) 行ってみたいけど、歩いてる途中でガイドさんに「皆さま、落ち着いてお聞きください。ただいま大雨の情報が入りました。来た道をすぐにお戻りください。泳げる方には、水温は17度とお伝えしておきます。泳げない方、本日はご参加ありがとうございました」と言われたらと思うと、足がすくむ。 まとめ 埼玉県春日部市の地下にある首都圏外郭放水路は、あふれそうな川の水を地下に取り込み、江戸川へ流す巨大な治水施設だ。元スレでは「自由の女神が入る立坑」「出番は年7回ほど」「18年で約1,484億円の被害軽減」と紹介され、コメント欄では「年7回はむしろ多い」「建設費に対して元は取れているのか」と数字をめぐる議論が続いた。オランダやフィリピン、アメリカの治水と比べる声や、ゲームのステージのようだという声も多く、ふだんは目に触れない地下の備えに、あらためて関心が集まっていた。 元ソース: 日本は自由の女神がすっぽり入るほど巨大な治水用の立坑を造った。毎秒200立方メートルの水を排水でき、使われるのは年に7回ほどだが、最初の18年間で推計1,484億円の浸水被害を防いだ The post 「自由の女神がすっぽり入る立坑がある」埼玉・春日部の地下に広がる“地下神殿”、首都圏外郭放水路の桁違いな中身とは appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…