元スレ 再掲 1: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 21:55:11.55 :gkbJ8HCz0 ミーンミンミンミーン…… キョン「あいび……。すまん、なんだって?」 古泉「IBN5100。幻のレトロPCとも称される旧式のコンピュータのことですね。 しかし、それが発売されたのは確か今から……」 長門「35年前の1975年」 古泉「だそうです。これを探すとなると相当困難かと」 キョン「ところでハルヒよ、またどうしてそんなものに興味を持ったんだ」 ハルヒ「これを見なさい!」 3: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 21:57:29.43 :gkbJ8HCz0 キョン「パソコンの画面? なになに……」 【都市伝説】幻のレトロPCが出現したらしいwwwww【9スレ目】 キョン「これ、某大手掲示板じゃないか。こんなところの情報を鵜呑みにする気なのか?」 ハルヒ「ところがどっこい! “疾風迅雷のナイトハルト”まで出張ってきて本格的に捜索されているらしいわ!」 ハルヒ「どこのどいつかは知らないけれど、それをあたしたちSOS団が先回りゲットして鼻を明かしてやりましょう!」 キョン「なんだその厨二病全開のネーミングセンスは」 長門「『疾風迅雷のナイトハルト』。MMORPG”エンパイア・スウィーパー・オンライン(通称エンスー)”において多くのプレイヤーから英雄視されている神プレイヤーのアカウント名”ナイトハルト(クラス:パラディン)”の通称」 キョン「……長門よ、ネトゲもやってるのか?」 長門「わりと」 4: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 21:58:58.57 :gkbJ8HCz0 ハルヒ「この祭りの覇者としてSOS団が君臨すれば全世界にSOS団の名が知れ渡るって寸法よ!」 みくる「なんだかすごいですぅ」 キョン「ハルヒ、そんな旧式のパソコンなぞあっても要らんだろう。もう既にお前の目の前にはコンピ研から略奪してきたブラウン管モニターと共に立派なPCがあるじゃないか」 長門「正確にはIBN5100はパソコン、パーソナルコンピュータではない」 ハルヒ「わかってないわねぇ、キョン。こんなレトロPCがネット環境に対応してるわけないでしょ?」 キョン「じゃぁ何に使うんだ」 ハルヒ「売ればプレミアつくだろうから、コレクターに高値で売ってもいいけど……。数十年大切に保管しておいて、また噂を流して全国一斉宝探し大会を開催するってのもいいわね!」 古泉「SOS団運営の見事な利用方法かと」 ハルヒ「そうなのよ! 不思議探索の成果を元手に次の不思議探索が始まる……。これぞ資本主義の基本ね!」 キョン「資本なら今年の3月に長門が部費をたんまり生徒会からもらってきただろ。そもそもそのレトロPCとやらはこの日本のどこにあるって言うんだ?」 ハルヒ「アキバらしいわ」 キョン「あ、アキバって、まさかお前」 ハルヒ「今年の夏は、アキバへ行くわよーっ!」 5: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 21:59:48.57 :gkbJ8HCz0 --------------------------------------- ◇Chapter.1 涼宮ハルヒのモラトリアム◇ --------------------------------------- D 1.130426% β世界線 2010.07.16 (Fri) 16:11 文芸部部室 6: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:02:19.79 :gkbJ8HCz0 キョン「ま、待て待て! ホントにこんなあるかないかもわからんものを探すために東京くんだりまで行くつもりか!?」 ハルヒ「ハァ。まったく、呆れて物も言えないわ。アンタ、この1年と3ヶ月でSOS団の何を学んできたの?」 古泉「不思議探索こそ、SOS団の本分かと」 ハルヒ「副団長はわかってるわねー。ほら、平団員は見習いなさい?」 古泉「お褒めに預かり光栄です」 キョン「そりゃいつも通り駅前をウロウロする程度なら構わんが、見知らぬ遠方の大都市となると何に出くわすかわかったもんじゃないぞ」 ハルヒ「それがおもしろいんじゃない! ついでに東京観光もできて一石二鳥よ!」 キョン「できればメインディッシュを逆にして頂きたい! だが一日二日で見つかるような代物とも思えん」 古泉「宿泊は、東京の湯島にある僕の親戚の家に間借りという形で良ければ宿泊費は抑えられます」 古泉「来月から家族で長期間海外旅行に行くそうで、もし良ければ家番を兼ねて泊まってくれないかと頼まれていたのですよ」 ハルヒ「さっすが古泉くん! それじゃ、SOS団大不思議探索@東京遠征を計画するわよ! おーっ!」 みくる「お、おーっ!」 キョン「……やれやれ」 7: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:05:05.34 :gkbJ8HCz0 2010.07.16 (Fri) 18:10 通学路 下校中 ハルヒ「ついに私たちSOS団が萌えの本場アキバに行くわよ、みくるちゃーん!」 みくる「は、はぁーい! 今から楽しみですぅ!」 ハルヒ「浮かれちゃダメよ、みくるちゃん! 最大の目的は都市伝説級の逸品を探し当てることなんだからね!」 みくる「えぇー」 長門「…………」 キョン「それで、その親戚ん家ってのは」 古泉「もちろん、機関の手配になります。ご安心下さい、今年は殺人事件など起こりませんので」 キョン「寸劇と言ってくれ。警官の耳にでも入ったら職質される」 古泉「それに日程は8月以降と釘を刺しておきましたので、SOS団としても機関としても色々準備できるでしょう」 キョン「心配しているのはそこじゃないんだがな。今年の夏休みも息つく暇が無さそうでありがたいこった」 8: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:09:38.80 :gkbJ8HCz0 2010.07.19 (Mon) 10:12 終業式 HR 担任「あー、いよいよ明日から夏休みだ。高校2年の夏は、確かに来年が辛いからと言って遊びたくなるのはわかる」 担任「だがな、だからと言って遊んでばかりいると来年がつらくなるのはお前たちだからな。宿題も去年より多く出ているんだから……」クドクド キョン(いつもに増して話が長いな、岡部の野郎) キョン(そういえば朝比奈さんは大学受験をどうするつもりなんだろうか。まぁ、未来人が進路を心配するというのも変な話だが) ハルヒ「…………」ハァ キョン(背後に聞こえた溜息は朝比奈さんの身の上を案じたものだろうか、それとも岡部の長講一席による退屈から生じたものだろうか) 担任「……であるからして、しっかりと自覚を持って有意義な時間を過ごすように。最後に、先生からお前らにビッグニュースがある!」 キョン(……ん?) 担任「この度、先生は結婚することになりました!! だっはー!!」 キョン「んなッ!?」 ハルヒ「なんですってッ!?」 9: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:11:35.72 :gkbJ8HCz0 2010.07.19 (Mon) 14:23 文芸部部室 ハルヒ「SOS団の総力を挙げて岡部の結婚披露宴を盛り上げるわよ!」 みくる「お、おーっ」 ハルヒ「来週の27日にやるらしいから、みんなで準備するわよ! アキバ探索計画の立案は一旦後回しね」 古泉「んっふ。担任教諭の結婚をお祝いするなんて、素敵なことじゃないですか」 キョン「岡部の野郎も生徒が余興をすることに満更でもないらしい」 キョン「それでハルヒよ、今度はなにをやらかすつもりなんだ?」 ハルヒ「あたしたちにできることと言ったらバンドとかかしら」 キョン「あぁ、去年の文化祭の時のアレか。それならENOZの先輩方に手伝ってもらうか?」 古泉「一応僕はベースが弾けますよ」 みくる「た、タンバリンならなんとか……」 ハルヒ「じゃぁキョン。ドラム練習しておきなさい。あたしは軽音部に言って楽器借りられないか頼んでくるから!」 キョン「はいよ、ドラムねドラム、ってできるか! あ、おい、話を聞け! ……行っちまいやがった」 長門「大丈夫。演奏についてはわたしがなんとかする。あなたはスティックを握ってさえいればいい」 キョン「涙が出るほど助かるぜ、長門」 10: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:12:42.68 :gkbJ8HCz0 ハルヒ「軽音部に話したら楽器貸してくれるって!」 キョン「まさか野球部の時みたいに脅したんじゃないだろうな」 ハルヒ「そんなことしなくても向こうから貸してくれたわよ。去年の文化祭からあたし、結構軽音部に勧誘されてたのよねぇ……。毎回断ったけど」 キョン(そういやうちの軽音部はハルヒに純粋に恩があるんだったか) ハルヒ「そんなわけだから、キョン。今すぐココに軽音部から楽器を運んで来なさい!」 キョン「このクソ暑い中ドラムセットを旧部室棟へ移動させるなんて、よくそんな拷問が思いつくもんだ」 古泉「僕も手伝いますよ」 11: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:13:26.77 :gkbJ8HCz0 キョン「疲れた……。両の手がじんじんしやがる」 古泉「衣装はどうしましょう」 ハルヒ「せっかくだからコスプレしましょ! 有希は次回作の映画の宣伝を兼ねて魔女っ子、あたしは新歓の時のチャイナにするわ!」 ハルヒ「古泉くんとキョンはスーツスタイルでバッチリ決めてきなさい! みくるちゃんは……」 みくる「ふぇぇ……」 ハルヒ「やっぱりいつものメイド服よね!」 12: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:15:05.60 :gkbJ8HCz0 それから一週間、SOS団はさながら軽音楽部の体を成していた。とは言ってもホンモノの軽音部が聞いたら失笑もののクオリティだ。 文芸部室はここ数年の静謐を破り、ひたすらに騒音を奏でるパンドラの箱と化していた。 コンピ研やら他の部活動から文句の一つも来なかったのはどういう理屈なんだろうな。もしかしたら宇宙的パワーが働いていたのかもしれない。 急に俺のドラム技術が上達したらハルヒが怪しむだろうからと、長門の能力によって俺の演奏は日ごとにド下手、かなり下手、下手、ちょっと下手、我慢できる、普通といった具合で押し上げられていった。器用なもんだ。 古泉が微妙にうまいのが癪に障る。まぁ、長門とハルヒの超絶技巧があればそれなりに聞けるものになるんじゃないか。朝比奈さんは主に演出面と精神衛生面担当だ。 13: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:16:16.61 :gkbJ8HCz0 2010.07.27 (Tue) 16:46 祝川 旅館 結婚披露宴会場 司会「続いては、新郎の職場であります、北高の生徒さんたちによる出し物です! どうぞー!」 担任(す、涼宮が居るのか……。不安だ……) パチパチパチ…… キョン「マジで大丈夫なのか……」 長門「信じて」 古泉「僕も長門さんに頼りたくなってきました……」 長門「がんばって」 みくる「ふみゅぅ……緊張します」 ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん! それじゃ、行くわよ!」 14: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:16:44.92 :gkbJ8HCz0 私ついていくよ どんなつらい 世界の闇の中でさえ きっとあなたは輝いて 超える未来の果て 弱さゆえに 魂壊されぬように my way 重なるよ今 2人に God bless… 15: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:17:39.93 :gkbJ8HCz0 パチパチパチ…… 担任「おぉー!! お前らありがとうなぁー!! 俺は今、モーレツに感動しているー!!」 キョン「ふぅー、なんとか成功したみたいだな」 古泉「あなたはスティックを握っていただけの自動演奏でしたけどね」 キョン「うるさいぞ古泉」 ハルヒ「さぁ、早く着替えて、あとはおいしいものをお腹いっぱい食べましょう! 元取るわよ元!」 みくる「はぁーい」 長門「…………」コクッ 16: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:18:20.58 :gkbJ8HCz0 みくる「あたしちょっとお手洗いに行ってきます」 ハルヒ「あ、じゃぁあたしも行くわ。有希は?」 長門「いい」モグモグ ハルヒ「そう。じゃぁみくるちゃん、二人で行きましょ」 みくる「はぁい」 キョン「なんとなくハルヒがなにかやらかすかと思っていたが、平穏無事に終わりそうでよかったよ」 古泉「それはフラグというやつですよ」 長門「…………」モグモグ 17: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:22:59.99 :gkbJ8HCz0 古泉「ところで、IBN5100と言えば、タイムトラベラー“ジョン・タイター”のことはご存知ですか?」 キョン「ジョン・タイター?……あぁ、部室の本棚にそんなタイトルの本があったっけか。だが、そのジョン太郎とIBN5100とにどんな関係があるんだ」 長門「IBN5100には公表されなかったコンピュータ言語の翻訳機能があることが2036年にわかったとタイターは言っている」 長門「彼の使命は2年後に迫っている2038年問題に対応するためのものであり、過去から受け継いだコンピュータプログラムをデバッグするためにIBN5100が必要。そのために1975年へタイムトラベルをしている」 キョン「レトロPCにそんな機能が本当にあるのか?」 長門「実際にIBN5100は内部でSystem/370のエミュレーションをおこなっており、メインフレーム上のプログラムのデバッグに使用できる機能がある」 キョン(相変わらず長門の口から出てくる長台詞はよくわからん) 古泉「未来人を擁するSOS団が未来を救うためのキーアイテムを捜索する……。なかなかどうして、面白そうではありませんか」 18: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:24:08.28 :gkbJ8HCz0 ※書籍『未来人ジョン・タイターの大予言』(短縮URL) 19: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:26:11.43 :gkbJ8HCz0 キョン「ジョン・タイターか……どうにも胡散臭いな」 キョン「俺たちは4年前にハルヒの作った時空断層があることを知ってるから、1975年にタイムトラベルできるわけないことを知っている。なんとも世界はハルヒを中心に回っているようだ」 古泉「おや、その時空断層はたしか朝比奈さんのタイムマシン、TPDDでは時間遡行ができないという代物だったと記憶していますが」 キョン「それがどうした」 古泉「理論と仕組みが異なれば時空断層など関係なく過去へ行けるかも知れませんよ。歩いては渡れない川に、橋を架ければ越えられるように」 キョン「お前は世界五分前仮説信者じゃなかったか?」 古泉「バートランド・ラッセルは思考実験として提唱したのであって、信者を集めるためのものではありませんが」 古泉「ですが敢えて理屈を述べるならば、五分前に過去世界も創造されていれば問題なく過去へ行けます。どうでしょう?」 キョン「70点だ」 古泉「残りの30点は?」 キョン「俺の心労が増えたための減点だ」ハァ 20: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:31:07.04 :gkbJ8HCz0 キョン「肝心な話なんだが、ハルヒはその未来人について知っているのか?」 古泉「えぇ、それはもちろんそうでしょう。“未来人”、“ジョン”、“予言書”……あの涼宮さんをしてこれらの単語を看過させることが不可能であることはあなたがよくご存じのはずだ」 キョン「となるとだ。ハルヒはIBN5100をレトロPCとか都市伝説とかネット上の宝探し祭りとして捉えてるだけでなく、その上未来的な超秘密アイテムとして認識してるわけだ」 キョン「なるほど今回の東京探索の理由に合点がいった。納得はいかないが」 キョン「だがどうしてそれを俺や朝比奈さんに言おうとしない? お前ら二人はまぁ、元から知ってたわけだが」 古泉「もしかしたら、心のどこかであなたをジョン・スミス、そして朝比奈さんを未来人だと思う節があり、それが涼宮さんにブレーキをかけさせたのかもしれません」 キョン「後者は俺が暴露しても全く信じなかったわけだが、あいつも心境が変わったのかね。ないと言い切れないのが今年に入ってからハルヒのたまに見せるアンニュイな部分なんだよな」 古泉「去年もそのような場面はあったのですよ、あなたは気付いていなかったかもしれませんが」 キョン「核融合しか能のない永久恒星ではないのは、あいつが人間である証明なんだと前向きに考えよう」 21: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:32:40.72 :gkbJ8HCz0 ロビー ハルヒ「なにこの旅館! トイレまで遠すぎよ! 間に合わなかったらどうするつもりなのかしら、まったく!」 みくる「涼宮さん、落ち着いてくださいー」 ??「あれー? ここどこー?」 みくる「あ、あのー、もしかして披露宴会場の場所をお探しですかぁ?」 ??「うん、トイレに行ったら迷子になっちゃったのです……」 ハルヒ「あたしたちもこれから戻るところだから一緒に行きましょ」 ??「わぁ、ありがとうなのです! えっと……」 ハルヒ「あたしは涼宮ハルヒ! SOS団団長よ! で、こっちはウチのマスコット兼メイドのみくるちゃんね!」 みくる「あ、朝比奈みくるですぅ」 まゆり「トゥットゥルー☆ まゆしぃです!」 22: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:37:27.81 :gkbJ8HCz0 ハルヒ(不思議ちゃん……! なんてキャラの立ち方なのかしら……!) ??「ここに居たのかまゆり。なかなか戻ってこないから心配したぞ」 まゆり「あ、オカリンだー! まゆしぃは優しい女の子たちに道案内してもらってたのです」 オカリン「そうだったのか。連れが迷惑かけてすまないな」 まゆり(オカリンって、こういう時はすっごくまともな対応ができるんだよねぇ……) ハルヒ「いえいえ、どういたしまして」 みくる(涼宮さんって、社交的になろうと思えばなれるんですよねぇ……) 23: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:38:48.76 :gkbJ8HCz0 オカリン「ん? もしかしてさっきバンド演奏してた、叔父さんのとこの生徒か?」 ハルヒ「はい、そうです。岡部先生が叔父さんってことは、オカリンさんは親戚の方ですか?」 岡部「そうだ。あと名前はオカリンではなく岡部倫太郎だ」 みくる「それでオカリンさんなんですねぇ」 まゆり「そうなんだよー。オカリン、コッチがハルにゃんで、コッチがミクルンだよー」 ハルヒ「は、ハルにゃん!?」 みくる「ミクルン……」 岡部「こいつは椎名まゆり。変なあだ名をつけるのが趣味なのだ」 まゆり「えぇー、かわいいよー。ミクルンのメイドさんコスも可愛かったねぇ♪ 実はまゆしぃもメイドさんとして働いてるんだよーえへへー」 みくる「えっ、まゆりちゃんってメイドさんなんですか?」 岡部「いや、こいつはメイド喫茶でバイトしているだけだ」 ハルヒ「メ、メイド喫茶……!」 まゆり「アキバにある、メイクイーン+ニャン2っていうお店なのです。もし東京に来ることがあったら遊びに来てにゃんにゃん♪」 ハルヒ「ぐっ、これが本場の萌えなのね……。いかに自分の世界が狭かったかを思い知らされたわ……」ガクッ みくる「ふぇぇ、すごいですぅ」 24: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:39:49.33 :gkbJ8HCz0 ハルヒ「8月になったらあたしたち、東京の秋葉原にふしぎ、じゃなかった、観光に行く予定なんです。もし良かったらまゆりちゃんのお店に遊びに行っていいかしら?」 まゆり「ホント、ハルにゃん! うれしいよーぜひ来てねー」 ハルヒ「必ず行くわ!」 岡部「さぁ、そろそろ行くぞまゆり。お袋たちまで心配し始めるかも知れん」 まゆり「またねー、ハルにゃん、ミクルン♪」 みくる「ばいばーい」 25: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:41:12.01 :gkbJ8HCz0 ハルヒ「……ということがあったのよ!」 古泉「東京の方との交流ですか。アキバでの予定が一つ出来ましたね。メイド喫茶、非常に興味をそそられます」 キョン「あのハンドボール馬鹿がこんな形でSOS団に貢献してくれることになるとはな。それにしても、メイド喫茶ねぇ……」 ハルヒ「エロキョン! なに鼻の下伸ばしてるのよ!」 キョン「なぁっ、俺は断じて鼻の下など伸ばしていない!」 ハルヒ「ふぅん、どうだか……。みくるちゃん、本場のメイド喫茶で修行して、メイド秘奥義を極めるわよ!」 みくる「は、はいっ! って、え、えぇっ!? あたし、修行するんですかぁ!? ふぇぇ」 26: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:44:13.85 :gkbJ8HCz0 D 0.571024% α世界線 2010.07.28 (Wed) 12:40 キョン自宅 キョン「昨日は普段使わない筋肉を無理やり動かしたもんだから疲れちまったんだが、久しぶりに昼ごろまで寝ていたら頭が痛い……」 キョン妹「夏休みだからってダラけちゃいけないんだよー?」 キョン「カウチポテトに洒落込んでいるお前に言われたくない。チャンネル変えるぞ」ポチッ キョン妹「あぁー! ひっどーい!」 プルルルルル…… キョン妹「キョンくんでんわー」 キョン「言われんでもわかってる。ん、ハルヒからか。あー、もしm」 ハルヒ『今すぐテレビをつけなさい!』 キョン「……今まさにテレビの視聴をお前に邪魔されたところなんだが」 27: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:45:22.33 :gkbJ8HCz0 ハルヒ『チャンネルを変えて、ニュース番組を見るの! 早く!』 キョン(去年のデジャヴを感じる……。まぁ、さすがにエンドレスループは始まってないだろう) キョン「あーもう、わかったわかった。えっと、ニュース番組、ニュース番組……」ピッピッ 速報! 秋葉原に人工衛星落下 LIVE リポーター『……混乱が続く秋葉原の空から中継です。現在は通行規制が敷かれているためラジ館周辺には人が居ません。ご覧ください、こちらが墜落したと思われる人工衛星です! ビルの壁面から飛び出るような形で……』 キャスター『……ラジオ情報館に墜落した人工衛星は依然正体不明です。各国いずれもこれは自国のものではないと表明しており、衛星は身元が分かるまで保管されることとなるようです……』 キョン「な、なんだこの映像は……!?」 ハルヒ『わかんないけど、なんだかすごいことになってるわ!! 秋葉原ッ!!』 28: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:46:50.98 :gkbJ8HCz0 2010.07.28 (Wed) 13:30 北口駅前 ハルヒ「遅い! 罰金!」 キョン「こっちには妹を振り切るというハンデがあるんだから大目に見てくれてもいいじゃないか……くそっ……」キーコキーコ みくる「キョンくん、だいじょうぶですかぁ」 長門「息が上がっている」 ハルヒ「予測できる困難に対して何も対策を立てていないのは合理人のすることじゃないわ。早く自転車停めてきなさい!」 ハルヒ「改めてみんな、緊急招集に応じてくれて感謝するわ!」 古泉「僕もみなさんとちょうどお話ししたいと思っていたところです。例の人工衛星について」 29: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:49:26.67 :gkbJ8HCz0 喫茶店 珈琲屋夢<ドリーム>店内 ハルヒ「あれは人工衛星じゃないわ」 キョン「お前ちゃんとテレビ見てたのか? 人工衛星だって言ってたじゃないか」 ハルヒ「はぁ? マスコミの言う事なんて、事実を隠蔽するための情報工作に決まってるじゃない」 キョン「なっ……!」 ハルヒ「きっとあれは宇宙船、UFOよ! 中に宇宙人が乗っていたんだけど、今は黄色人種に変形して、日本の文化をラーニングして、一般人に紛れて生活しているはずだわ!」 キョン「久しぶりに電波な方向でぶっ飛び始めたな、ハルヒよ」 ハルヒ「それかタイムマシンね! 未来からタイムトラベルしてきたんだけど、空間座標維持装置が壊れてしまっていて、本来出現するはずだった場所から座標がズレてしまったためにビルにめり込んだのよ!」 キョン「搭乗者の未来人はどうして過去にそうなることを予測できなかったんだ」 ハルヒ「あるいは超能力者の仕業かもしれないわ! ある日突然自分に備わったPKを世界中に見せつけたくて、宇宙空間に漂うスペースデブリをテレポートさせたら自分の力をコントロールできずに人工衛星を出現させてしまったの!」 キョン「さっき人工衛星じゃないって言ってたのはどこへ行ったんだ。だれかなんとかしてくれー」 30: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:51:50.19 :gkbJ8HCz0 古泉「僕は未来人説を推したいですね。あれがタイムマシンなら一度乗ってみたくあります」 ハルヒ「みくるちゃんはどれだと思う?」 みくる「ふぇっ!? え、えーっと、あたしは、宇宙人さんと仲良くなりたいなぁって思います」 ハルヒ「有希はッ!?」 長門「人智を越えた能力による自律進化の可能性を有する人間……ユニーク」 ハルヒ「みんな満点な回答ね!」 キョン「……まぁ、俺に聞かれても困るけどな」 31: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 22:53:59.18 :gkbJ8HCz0 2010.07.28 (Wed) 19:20 公園 長門「不可視遮音フィールド展開」シュイン キョン「また集まってもらってすまない」 古泉「いえ、あなたの心配はごもっともです」 みくる「あれ、なんなんでしょうねぇ」 キョン「まず一番の懸念事項は、あれがハルヒの能力によって引き起こされた事件なんじゃないかということだ。タイミングが出来すぎている」 古泉「人工衛星が仮に地球に墜落したとして、大気圏を突破した物体があんなに綺麗な形を保てるとは思えません。ラジオ情報館というテナントビルも原型を留めているのが不思議です」 古泉「仮にあれが人工衛星だとするならば、宇宙空間からダイレクトで秋葉原へテレポートしてきたと考えるべきでしょう」 キョン「テレポートねぇ。またとんでもない話だな」 32: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 23:02:29.13 :gkbJ8HCz0 古泉「そして国籍不明の人工衛星というのもかなりおもしろい話です。普通なら現物を調べれば国籍程度わかりそうなものです」 古泉「しかし過去にこんな例がありました。冷戦時代の話ですが、極軌道上に国籍不明の2体の人工衛星が出現したことがありましてね、“ニューズ・ウィーク”はこれを『太陽系外に起源を持つ知的種族群が送り込んだ訪問者』として発表したのですよ」 キョン「今度は宇宙人の仕業と来たか。こりゃもう、ハルヒが望むすべての属性を合わせ持ったキメラの所業なのかもしれん」 キョン「長門はどう思う?」 長門「現物を確認するまでは、なんとも」 キョン「秋葉原についてから、ってところか」 キョン「古泉の言うテレポート説ならハルヒの能力の可能性が高いな。あいつは一体全体何を望んでいるんだ?」 古泉「秋葉原に降り注ぐ宇宙的規模の奇跡、と言ったところでしょうか。折り重なる“偶然”の力でどこまでも我々を楽しませたいようです」 キョン「どっかの人工衛星には犠牲になってもらったがな」 33: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 23:04:21.03 :gkbJ8HCz0 みくる「一応未来に通信してみたんですけど、特にあの物体の正体については報告がありませんでした」 キョン「ありがとうございます、朝比奈さん。そうなるととりあえずは安心していいのか……?」 古泉「未来からの報告が無いとなると、涼宮さんの能力ではない線も大いにあり得そうです」 キョン「どこかの組織の陰謀、ということか?」 古泉「陰謀論を口にするのは趣味ではありませんが、可能性は否定できません」 キョン「お前自身が陰謀論の塊みたいな存在だろうが」 古泉「手厳しいですね。ですが、涼宮さんを狙うにしてはいささか遠回り過ぎる……」 キョン「そういえばハルヒを狙う勢力って今どうなってるんだ?」 古泉「あまり部室以外でこの話はしたくありませんが、長門さんの遮音フィールドもあることですし……、いいでしょう。お話します」 34: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 23:05:42.95 :gkbJ8HCz0 古泉「以前あなたにお話した時よりは僕の所属する組織、“機関”が優勢になっています」 古泉「自己崩壊していった組織もいくつかあります。とは言っても、新規参入する巨大な組織が登場するとも限りませんので警戒を疎かにしているわけではありませんよ」 キョン「不安は拭えない、か。できればこの間の“偽SOS団”に次ぐ新しい団体様の御登場は勘弁していただきたい」 古泉「IBN5100の探索とあの人工衛星にもし何か関連があるとすれば……。SOS団は大いなる権謀術数に巻き込まれることになるでしょう」 キョン「お前はいつから予知能力者になったんだ。そういや前に予知能力の超能力者がいるとかいないとか言ってたっけな」 古泉「みちるさん事件の時のアレは冗談ですよ。未だに機関は予知能力者を手中に収めていません。未来関係は朝比奈さんに一任していただきたいところです」 みくる「え、ええっ!? あたしですかぁ……。がんばりますぅ」 35: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 23:09:45.05 :gkbJ8HCz0 それからというもの、ハルヒはほぼ毎日のように俺たちを駅前の喫茶店に招集し、東京観光、もとい不思議探索イン秋葉原の作戦計画を立てていった。15泊16日、およそ月の半分を東京で過ごす条約が全会一致で採択され、議長国のハルヒによって締結された。 だが突然の岡部の結婚披露宴のせいでハルヒも今年の夏休みの宿題にはまだ手をつけてなかったらしく、なるはやで終わらせる運びとなった。もちろん俺の分の集団的安全保障も織り込み済みだ。 去年よりも量が多く一日二日で終わるものではなかった。まぁ、これでループ回避フラグが立ったと思えば安いものだが、いささか自分の動機が不純な気もしなくもない。 なにより今までにない長征、大東遷だ。その資金は個々人で稼がねばならなかった。俺の場合罰金分も用意しないといけないしな。だが、風船配りバイトだけはお断りだった。 それよりも頭を使ったのは例のレトロPC、IBN5100の在り処についてだ。コレクターズPCがありそうな場所、と言ったら普通は場所が絞れそうなもんだが……。 36: ◆/CNkusgt9A:2015/07/28(火) 23:13:16.81 :gkbJ8HCz0 どうも東京という街は信じられないほど狭いエリアに多くの店舗がある。数だけじゃなく種類も豊富だ。一ヶ月の時間があったとしても秋葉原の全てを回ることなど到底不可能に思えた。 それに店舗にIBN5100があるとも限らない、らしい。ハルヒは、忘れ物センターや、希少品としての展示、質入れ、どこかの倉庫、あるいは呪われた装備としての教会における捧げ物化もあり得るなどと言い出した。こりゃ魔法使いの古泉がシャナクを習得する必要があるな。 ゆえにありとあらゆるところを探さなくてはならない。もちろんそれにはメイド喫茶や同人ショップ、ガンバムカフェやゲームセンターも含まれる、のだそうだ。 ……まぁ、俺も秋葉原が楽しみでないと言えば、嘘になるんだけどさ。結局、軽音部へのお礼やら宿題やら下準備やら資金調達やら親への根回しやら機関の人員配備やらで10日近くもかかってしまったが、ハルヒ大明神が慊焉とせぬ面持ちで二学期を迎えられる大遠征作戦になるならば徒労ではないはずだ。 43: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 22:51:52.83 :fesbiJUQ0 D 0.456903% 2010.08.07 (Sat) 08:21 東海道新幹線車内 ハルヒ「うーん、遅くまで調べ物をするんじゃなかったわ。みくるちゃん、膝枕ぁー」 みくる「はーい♪ ゆっくり休んで下さい」 ハルヒ「……ぐぅ」zzz みくる「ふふっ、涼宮さん猫みたい♪」ナデナデ キョン(じ、実にうらやまけしからん光景が前列の三列シートで展開されている……!) 古泉「可愛らしいですね。まるで遠足を楽しみにしていた子どものよう」 古泉「夏休みに友達と一緒に東京旅行をする。なんと健全な高校生の青春ではありませんか」 キョン(通常なら犯罪係数の高い発言だろうが、このさわやかハンサム野郎が言うとどこ吹く風である) 44: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 22:54:06.60 :fesbiJUQ0 キョン「……古泉。今回の東京旅行で何も起こらないと思うか?」 古泉「再確認しておきますが、去年と比べれば涼宮さんの願望実現能力は間違いなく縮小傾向にあります」 古泉「勿論、だからと言って今回、“涼宮さんが望んだからIBN5100が我々の手に入る”という可能性もゼロではありません」 キョン「レトロPCは確かに都市伝説だろうが、いわゆる超常的なオカルトや完全なるオーパーツというわけでも無いからな」 キョン「ハルヒのやつ、心のどこかでアキバにあるはずだと信じているかもしれん」 古泉「そうだとしたら我らSOS団の手元にコレクター垂涎の品が手に入る。しかも価値のわからない人にとってはただのガラクタです。SOS団的に万々歳じゃないですか」 45: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 22:56:06.12 :fesbiJUQ0 キョン「どうもお前は楽観的だな」 古泉「んっふ。せっかくの東京観光です。機関のメンバーも有事に備え東京に潜伏していますし、僕らは僕らで楽しみましょう」 キョン「頼り甲斐のあるこって。お前、もしかして今度こそは自分がタイムトラベルできるかもしれないからって浮かれてないか。IBN5100で未来を救うつもりか?」 古泉「確かにあの人工衛星のことも気になりますが、IBN5100とタイムトラベルに何の関係が?」 キョン「白々しいにもほどがあるだろ」 古泉「察しの悪いようなので一応言いますけど、涼宮さんのIBN5100探しはこの夏休みをSOS団みんなで楽しむための口実に過ぎないのですよ」 キョン「俺がどれだけハルヒと付き合いがあると思ってるんだ。それくらいわかっている」 古泉「でしたら何も最初から心配し過ぎることはありません。結局僕たちは、何かがあってからしか動けないのですから」 キョン「悔しいが、な」 46: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 22:57:07.14 :fesbiJUQ0 キョン「長門、東京は初めてだったか?」 長門「初めて」 キョン「そうか。楽しみだったりする、のか?」 長門「秋葉原の近く、神保町という地域には日本一の古書店街があるらしい」 キョン「……クジ引きで同じ班になったら行ってみるか」 長門「それから、秋葉原はカレーが有名らしい」 キョン「長門が秋葉原を心底楽しみにしていることがよーく伝わってきたぞ」 47: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 22:58:57.60 :fesbiJUQ0 2010.08.07 (Sat) 10:30 秋葉原駅 電気街口 ハルヒ「アー! キー! ハー! バー! ッラーーーーッ!」 キョン「やめんか恥ずかしい!」 古泉「残念ながらラジ館は無残な姿になっているようですね。報道陣や野次馬、警察もかなりの数いるようです」 ハルヒ「残念なんかじゃないわ古泉くん! 謎が謎を呼ぶ完璧な姿じゃない! 警官が少ない時間帯を調べて内部に潜入するわよ!」 キョン「こんな警官だらけのところで犯罪計画を立てるんじゃありません!」 ハルヒ「あーッ! あっちにホンモノのメイドさんがいるッ! みくるちゃん、ちょっとこっちに来なさい!……って、みくるちゃん?」 キョン(あれ、さっきまで隣に居たのに朝比奈さんどこへ……、って、早速キャッチに捕まってるーッ!?) 48: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:01:47.26 :fesbiJUQ0 みくる「え、えぇー、お買い得ですねぇ」キラキラ 絵売り「もうあなただけに特別な料金で……きっと運気が回ってきますよ……」 古泉「朝比奈さん、向こうで涼宮さんが呼んでますよ。すいません、少々急いでるもので」 絵売り「チッ。お手間は取らせませんのでこちらがお会計に」グイッ 長門「…………」ジーッ 絵売り「ヒッ……」タッタッタッ キョン「な、長門? 何をしたんだ?」 長門「宇宙的パワーで追い払わなければこちらが金銭を支払うまで請求していた」 キョン「エイリアンかなにかだな、そりゃ」 49: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:03:28.27 :fesbiJUQ0 みくる「涼宮さん、ごめんなさいぃ。わぁ、ホンモノのメイドさんですね!」トテトテ 猫耳メイド「メイクイーン+ニャン2をよろしくお願いしますにゃんにゃん♪」 みくる「メイクイーンニャンニャンですかぁ!」 ハルヒ「ぜひお邪魔させてもらうわ。チラシを3枚ちょうだい! みくるちゃん、本場のメイド喫茶でお茶入れメイドのなんたるかをバッチリ学んできなさい!」 みくる「は、はいぃ! あたし、がんばりますっ!」 キョン「ハルヒにとってのホンモノのメイドって森さんみたいなのじゃなかったのか?」 古泉「まぁ、メイド喫茶のメイドさんもある意味ホンモノなのでしょう」 50: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:04:52.45 :fesbiJUQ0 キョン「そう言えば長門、あの人工衛星を直接見て何かわかったか?」 長門「あれはこの世界のものではない」 キョン「……は?」 長門「あの物体はわたしたちの存在する現世界の全ての時空間および全ての亜空間を含めて存在するはずのない波動で構成されている」 キョン「ちょ、ちょっと待て長門……それって、つまり……」 古泉「異世界からの来訪者、ということですね」ンフ キョン「……1年と4か月越しにフラグ回収とは、うちの団長様には頭があがらんな」ハァ 51: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:08:05.67 :fesbiJUQ0 古泉「長門さん、あの中に生体反応の痕跡はありますか?」 長門「今から10日前、7月28日、あの物体がラジ館に出現した瞬間、搭乗員と思われる人間が一人居た。この世界に到着後すぐに降りた模様」 キョン「おいおい、マジで異世界人さんのお出ましかよ……。こりゃハルヒの能力も現役バリバリだな」 古泉「ちょうど僕ら宇宙人、未来人、超能力者と同様に、涼宮さんに対しては友好的になっていただけると嬉しいのですが」 キョン「だといいんだがな」 ハルヒ「有希ーッ! 古泉くーん! それからあとキョーン! なにやってんのー、早くメイド喫茶に行くわよー!」 キョン「往来のど真ん中で叫ぶやつがあるか! どこまでも恥ずかしい奴だ」ヤレヤレ 52: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:09:19.66 :fesbiJUQ0 古泉「メイド喫茶に行きたいのは山々ですが、先に皆さんの荷物を宿泊先に預けておく方が良いでしょう。僕が荷物を置いてきますので、みなさんはお先に行っておいてください」 キョン「一人で運べる量じゃないぞ」 古泉「ご心配なく。タクシーを使いますから」 キョン(……あぁ、アレか。東京にも進出したのか、新川さん) ハルヒ「そう? なんだか悪いわね」 古泉「すぐ合流しますので」 53: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:10:39.55 :fesbiJUQ0 2010.08.07 (Sat) 11:00 メイド喫茶メイクイーン+ニャン2 ハルヒ「おっじゃまするわよー!」バターン!カランコロンカラーン! キョン「店の扉を壊す気か!」 メイド「ニャニャ!? とっても元気なお嬢様ニャ!」 ハルヒ「うほおぉぁーホンモノのメイドさん達が居るーッ!!! みくるちゃん、よーく見てよーく勉強しておきなさいッ!!!」 みくる「これが……メイド喫茶……ッ!!」グッ キョン(猫耳ツインテールか……。悪くない)グッ 54: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:12:15.08 :fesbiJUQ0 メイド「お帰りニャさいませお嬢様、ご主人様。何名様ですかニャ?」 ハルヒ「五人よ! 一人は後から来るわ! しっかし、かわいいわねぇーとってもかわいいわー、この猫耳カチューシャもよくできてるわねー」 メイド「そう言って頂けて大変光栄ニャのですが、あんまりジロジロ見られるのは……、あっ、猫耳は触っちゃだめニャ!!」 キョン「こらハルヒ、店員さんに迷惑をかけるんじゃない」 ハルヒ「なによ、キョンだってかわいいって思ってるんでしょ? この変態」 キョン「は、はあッ!? とばっちりもいいところだ!!」 メイド「変態ご主人様~、お席はこちらになりますニャ~ン♪」 キョン「へ、変態じゃない!! 俺は、断じて、変態じゃない!!!」 ハルヒ「すっごく変態っぽいセリフね、それ」 55: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:15:18.63 :fesbiJUQ0 フェイリス「あらためましてこんにちニャンニャン! フェイリスのニャンニャンネームは、フェイリス・ニャンニャンって言いますニャン♪ よろしくニャンニャン♪」 キョン「……激しく頭痛がしてきたのだが」 長門「ニャが多い」 フェイリス「お嬢様達はご来店初めてですかニャ? まず簡単にご説明させていただきますニャン!」 ハルヒ「その必要はないわ!」 フェイリス「ニャニャ! まさか、お嬢様様はフェイリスのお店に道場破りに来たのかニャ!?」 ハルヒ「そのまさかよ! 我らがSOS団のマスコット、みくるちゃんとのメイド対決のためにわざわざ東日本までやってきたのよ!!」 みくる「ふぇぇー!? そうだったんですかー!?」 キョン「なんの話だ」 フェイリス「ニャニャ!? 西のメイドさん代表だったとは、このフェイリスの双眸を持ってしても見抜けなかったニャ。もしや既にメイド秘奥義を習得しているのではっ!?」 キョン(メイド秘奥義って共通語だったのか) ハルヒ「いいえ、この娘はまだ成長途中……。あなたが気付けなかったのは、そこの有希の宇宙的情報操作能力によるものッ!!!」バーン 長門「…………」 56: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:18:22.92 :fesbiJUQ0 フェイリス「ニャニャ!? コズミックパワーまで味方に付けているのかニャ!?」 ハルヒ「さぁ、雌雄を決しようじゃない! 看板は頂くわ!」 フェイリス「ニャフフ……。仕方ないニャ、メイクイーン+ニャン2の秘密兵器を出さなければならニャい時が来たようニャ……」キラーン ハルヒ「な、なんですって……」ゴクリ キョン「注文、まだかなぁ」 フェイリス「召喚<サモン>ニャ! 我がメイクイーン+ニャン2が誇る汎用人型決戦兵器、“マユシィ・ニャンニャン”!!」 まゆり「ごめんねフェリスちゃん、今日は登校日で遅くなったよー。すぐにホール行くねー」カランコロンカラーン ハルヒ「ま、まゆりーッ!?」 まゆり「あーっ、ハルにゃんにミクルンだぁ! 来てくれたんだねーうれしいよー!」 キョン(ん、まゆりってたしか、岡部の結婚披露宴に居た……。あぁ、姿を確認する前に裏手に回ってしまったか) 57: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:20:23.32 :fesbiJUQ0 フェイリス「ま、まさか既にマユシィ・ニャンニャンが秘密地下組織SOS団の毒牙にかかっていようとは……。フェイリスの負けニャ、看板は持っていって構わない、ニャ……」ガクッ ハルヒ「いいえフェイリス・ニャンニャン、いい勝負だったわ。そして勝負の後に残るのは友情ッ! これから共に日本の、そして世界の萌え文化を支えていきましょう?」 フェイリス「ハ、ハルにゃん……! わかったニャ、友情の証にこの伝説の猫耳カチューシャをあげるニャ!」 ハルヒ「あっ、そのカチューシャをみくるちゃんにつけて、ここのお店で働かせてもらってもいいかしら?」 キョン「突然素に戻りやがった」 フェイリス「オッケーだニャン♪ ニャンニャンネームは、ミラクル・ニャンニャンでどうかニャ?」 みくる「え、えぇー!? あたしここで働くんですかぁー!?」 58: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:22:14.94 :fesbiJUQ0 古泉「遅くなりました……ほう、これは」カランコロンカラーン まゆり「お帰りなさいませご主人様、マユシィ・ニャンニャンです! よろしくにゃんにゃん♪」 みくる「お、お帰りなさい、ませ、ご、ご主人様ぁ……。えっと、み、ミラクル・ニャンニャン、ですぅ……うぅっ……」ピョコン キョン(金髪ポニーテール……だとッ!!!!!!!! 朝比奈さんも当社比マシマシで素晴らしいが、金髪ポニー……、犯罪的だッ!!!!!!)ガタッ ハルヒ「こらぁみくるちゃん! もっと胸を張って堂々としなさい!」 みくる「ふぇぇ」ピィィ まゆり「ミクルンとってもかわいいねーえへへー♪」 フェイリス「お店の制服もよく似合ってるニャ!」 キョン「……コーヒーがおいしいな」チラッ チラッ 古泉「そうですね」 キョン「うおっ、お前いつの間に」 長門「…………」モグモグ 59: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:25:29.47 :fesbiJUQ0 キョン「今更で恐縮なんですが、お店のご迷惑になってませんか? 問題があるようでしたらすぐやめさせますので」 フェイリス「大丈夫だニャーン! ここにいるご主人様たちはよく訓練されているので問題ないニャン」 キョン「はぁ、さいで」 みくる「きゃぁっ!」ガシャーン ご主人様「」バッシャァァァ みくる「ひぅっ、ご、ごめんなさいぃ……。お水こぼしてしまいましたぁ……ぐすっ……」 ご主人様「……ど……」 キョン「なぁッ!? す、すいませんうちのモノが」 ご主人様「ドジッ娘属性ktkrェェェェェッ!!!! んほおおぉぉぉぉっ!!!!」ビショビショ キョン「」 60: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:27:01.54 :fesbiJUQ0 キョン「わ、わけがわからん……。これがアキバなのか……」 古泉「意外と俗っぽいところに不思議な世界がありましたね」 長門「ユニーク」モグモグ まゆり「だいじょうぶミクルン? ちょっと休憩室で休んでる?」 みくる「い、いえ、そういうわけには……」 まゆり「じゃぁ私がお店の裏側を教えてあげるね♪ こっちがキッチンでー」 みくる「あぁっ、待ってまゆ、ま、マユシィ・ニャンニャンさぁん!」 61: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:29:26.95 :fesbiJUQ0 フェイリス「そういえばご主人様たちは観光で来たのかニャン? 萌えの街アキバを心行くまで楽しんでいってほしいニャーン♪」 ハルヒ「いいえ、フェイリス・ニャンニャン。あたしたちSOS団が観光をしているのは奴を欺くためのフェイクよ! 真の目的は他にあるわ!」 キョン「……古泉、『奴』って誰だ?」 古泉「疾風迅雷のナイトハルトでは?」 キョン「そんな名前もあったな。ハルヒの脳内ログに残ってるとは思えんが」 古泉「ネットの情報では既に彼を中心とするメンバーは例のブツの捜索を諦めたそうですが」 フェイリス「ニャニャ! その真の目的とはいったい!?」 ハルヒ「本当はSOS団内部の超極秘機密事項だけど、戦友<とも>となったあなたにも特別に教えてあげるわ。それはッ! 幻のレトロPC、IBN5100を探し出すことなのよッ!!」 フェイリス「あっ、それフェイリスが昔柳林神社に奉納した奴ニャ」 62: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:32:24.57 :fesbiJUQ0 ハルヒ「し、知っているの!? フェイリス・ニャンニャン!」 フェイリス「フェイリスのパパはレトロPCとか古い電化製品の収集家だったんだニャ」 キョン(だった? 今は違うのか) 古泉「まさか東京に着いて早々にヒントを得るとは。幸先グッドですね」 ハルヒ「こうしてはいられないわ! 有希! 古泉くん! 急いでヤナバヤシ神社へ向かうわよッ!」 八ルヒ「キョンはみくるちゃんを連れて後から来なさい! フェイリス、まゆり、また来るわねッ!」カランコロンカラーン 古泉「では、僕らは行きましょう」 長門「…………」スーッ フェイリス「いってらっしゃいませお嬢様―! ご主人様ー!」 まゆり「いってらっしゃいませお嬢様♪ ご主人様♪」 キョン「あ、おい! ハルヒッ!……って、行っちまいやがった」 キョン(無軌道に楽しんじゃってまぁ。悪い気はしないけどな) 63: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:36:00.99 :fesbiJUQ0 フェイリス「ところでぇ、ハルニャンたちはそんな古いパソコンを見つけてどうする気ニャンニャン?」ジトーッ キョン(顔が近いッ! じっと見つめられると、さすがに照れるッ!) キョン「ど、どっかのタイムトラベラーが探しているようですが、そ、それを阻止したいのかも知れません」アセッ フェイリス「タイムトラベル……」 キョン「そ、それじゃ、俺たちもそろそろおいとまします」 キョン「朝比奈さん、準備できましたか?」 みくる「はぁい、お待たせしましたぁ」 64: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:37:38.65 :fesbiJUQ0 フェイリス「はい、これ柳林神社までの地図ニャ。それから、ミラクル・ニャンニャンことミクルンには、友情の印の猫耳カチューシャだニャ!」シャッ まゆり「るかちゃんによろしくねー♪」 キョン(るかちゃん?) みくる「お世話になりました。また色々教えてくださいねぇ」ピョコン フェイリス「お会計はコチラになりますニャン」 キョン「……慣れとは恐ろしいな。押し付けられてもいない伝票を自然に手に取ってしまうなんて」 キョン「仕方ない、払ってやるか。どれどれ……って、あの、フェイリスさん? これ、一桁間違ってません?」 フェイリス「お会計はコチラになりますニャン♪」 キョン(お、おおおお落ち着け俺……冷静になって考えろ……東京の物価、五人分の昼食費、接待サービス、チャージ料、オプション代……) みくる「あの、キョンくん。あたしも払うよ?」ネコミミ キョン「あ、ありがとうございます……」グスッ 65: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:48:43.60 :fesbiJUQ0 2010.08.07 (Sat) 13:20 メイクイーン+ニャン2 従業員用更衣室 フェイリス「お疲れ様ニャーン♪」 まゆり「あーフェリスちゃーん」 フェイリス「これからキョーマのところかニャ?」 まゆり「うん。お昼ご飯を買ってきてって」 フェイリス「ふーん……。ねぇ、マユシィは見たことあるニャ? タイムマシン」 まゆり「タイム……? あぁ! 電話レンジさん?」 フェイリス「電話レンジ?」 まゆり「バチバチーって雷みたいのが、こう、ビリビリーって。ちょっと怖いんだぁ」 フェイリス「すっごいニャ! 映画に出てくるタイムマシンみたいニャ!」 まゆり「うん……でも、マユシィはあんまりあーゆーことしてほしくないんだけどなぁ」 フェイリス「どうしてニャ?」 まゆり「……なんか、オカリンが遠くに行っちゃう気がするのです」 66: ◆/CNkusgt9A:2015/07/29(水) 23:51:00.19 :fesbiJUQ0 2010.08.07 (Sat) 13:40 柳林神社 キョン「あの猫耳メイドニャンニャンに渡されたメモ用紙に書かれた手書きの地図によれば……ここだな」 キョン「ハルヒのやつ、覚えておけよ……くそぅ……」 みくる「元気出して。あ、涼宮さん!」ピョコン キョン(この人はどうして律儀に猫耳を付けたままなのか) ハルヒ「ゼェ……ゼェ……やっと見つけたわ、ヤナバヤシ神社……」 キョン「なんだ、迷子になってたのか」 ハルヒ「違うわよ! 色んな人にヤナバヤシ神社の場所を聞きまくったんだけど、どいつもこいつも知らないだの聞いたことがないだの言って、教えてくれなかったのよ!」 ハルヒ「探すのを手伝おうとすらしないし! まったく、使えないったらありゃしないわ!」 古泉「それで例の人工衛星のところに居た警察官に場所を聞いてココへたどり着いたというわけです」 キョン「この秋葉原を彷徨ってる人間のほとんどが秋葉原に住んでないんだろうな。大都市特有の冷たい風ってやつか。今はヒートアイランドだが」 古泉「ミルグラムの過剰負荷環境、ゴフマンの儀礼的無関心、あるいはバ�…