1: ◆KQ9OMhlEUtzQ 2017/08/23(水)03:43:02 ID:8Qf 「突然ですが、プロデューサー」 「なんですか?」 仕事終わりの居酒屋。どうしても、と聞かなかった楓さんを連れての酒の席。 程よく酔いが回り上機嫌の彼女は、空になったお猪口をプラプラさせる。 仕事スイッチがオンになっている時は、立ち振舞いや雰囲気。どれをとっても『綺麗』という表現が適切だ。 それは、お酒が入ったときでも変わらない。 酔いに朱く染めた頬、トロンとした瞳。それを照らす暖色のライト。 その全てが高垣楓という女性の魅力を引き出し、大人の色気を引き立たせる。 2: ◆KQ9OMhlEUtzQ 2017/08/23(水)03:43:20 ID:8Qf そんな彼女ではあるが、子供っぽいところもある。 スキを見せればダジャレをぶっ込み、軽くあしらえば傷心しましたと飲みに誘ってくる。 自由気ままとは彼女のためにあるのではないかと思うほど、オフの時はギャップが凄い。 現在はその子供っぽさが全面に出ているようで、揺れるお猪口を見つめながらニコニコしていた。 「私、綺麗って言ってもらったことはありますけど、一度も『かわいい』って言ってもらえてない気がするんです」 いきなり何をぶっこんでいるのだろうか。塩焼きしたホッケをつまんでいた箸が思わず止まる。 3: ◆KQ9OMhlEUtzQ 2017/08/23(水)03:43:30 ID:8Qf 「……楓さん?」 「するんです」 呆気にとられているとズイッと身を乗り出してくる。 ニコニコしたままなところを見るに、完全にからかいモードである。 「酔ってますね?」 「酔ってないです」 「酔ってる人は大体そう言うんです」 決まり文句を言いながら身を乗り出す楓さんをなんとかたしなめる。 口を尖らせてブーイングしてくるが、酔っぱらいには付き合っていられません。…