1966年8月21日、ブラジル・ニテロイ。警察と消防がモーロ・ド・ヴィンテムの頂上付近へ到着すると、空き地に二人の男性が並んで倒れていた。 二人ともスーツの上に雨合羽を着ていた。そばに置かれていたのは、水のボトル、タオル、アルミ箔で作った簡素なコップ、そして目の部分に穴がない二つの「鉛の仮面」。ポケットからは「18時30分にカプセルを飲み、金属を保護し、合図を待つ」と読めるメモが発見された。 遺体に目立った外傷はなく、現場にも争った跡はない。殺人現場らしい乱れの代わりに残っていたのは、決められた手順が実行された形跡だった。 最も筋が通るのは、二人が薬物か毒物を使った実験を行い、その最中に事故死したという説だ。しかし、それだけでは説明できない。カプセルの中身、消えた大金、そして二人が待っていた「合図」の正体が残るからだ。…