冬場は上にコートを着れば隠れるため特にずっと同じ服になる。あぐらをかいて座ると股から異臭がモワっと漂う。そんな男だった。ちなみにニートではない。駐車場の管理人のバイトをしている。切欠は従兄が結婚し、俺実家の近くのアパートに住み始めたこと。従兄の親は隣市に住んでる。俺ん家の方が近いし姑より話しやすいようで、従兄嫁はこっちの風習でわからないことがあると俺母に訊きに来るようになった。従兄嫁は二十五、六歳。卓球の石川佳純がショートだった頃に似ている。めっちゃ美人というわけではないが愛想よくて感じがいい。俺は弟は自分が臭い自覚がないと思っていたんだが、従兄嫁が来るようになったら風呂に入りはじめたらしいから、臭い自覚があったようだ。股から魚臭がするジーンズは洗濯された。ある程度臭くなくなったら母、従兄嫁、弟で茶飲み話をするようになった。従兄は美容師なんで店で買った雑誌の古いやつをよく持ち帰る。それを弟に見せて「こんな服いいんじゃない」とアドバイスしたようだ。帰省したら普通の服を着た臭くない弟がいて仰天したわ。歯医者に行ったらしくて笑うと歯石が全然なくて草だった。しゃべる内容もまともになっていた。話を聞いたら従兄嫁にホレてるとかそういうんではないらしい。「優しいお姉ちゃんができた!」みたいな。ちょいキモいが。すまんな役に立たない兄で。…