
1: 七波羅探題 ★ 2026/03/19(木) 19:35:08 ID:wlJjBI2a9 公立高校の教師不足は「国家的損失」 保護者は「お金さえ払えば教育してくれる」という幻想を手放すとき 田内学 公立高校の教師不足は「国家的損失」 保護者は「お金さえ払えば教育してくれる」という幻想を手放すとき 田内学 | AERA DIGITAL(アエラデジタル)物価高や円安、金利など、刻々と変わる私たちの経済環境。この連載では、お金に縛られすぎず、日々の暮らしの“味方”になれるような、経済の新たな“見方”を示します。 AERA 2026年3月23日号より。AERA DIGITAL(アエラデジタル) AERA2026/03/19/ 16:00 物価高や円安、金利など、刻々と変わる私たちの経済環境。 この連載では、お金に縛られすぎず、日々の暮らしの“味方”になれるような、経済の新たな“見方”を示します。 AERA 2026年3月23日号より。 春休みに入り、新しい年度を待つこの時期。 子どものころは、新しいクラスで誰と一緒になるのか、誰が担任の先生になるのか、胸を躍らせてワクワクしていたものだ。 しかし、今の教育現場はそんなのどかな風景から遠ざかりつつある。 全国的な教員不足が極めて深刻なのだ。 文部科学省が先日明らかにした調査結果によれば、昨年5月時点で全国の公立学校の教員が3827人も不足しているという。 前回(2021年度)の調査から1762人も増えており、不足が生じている学校は全体の8.1%にあたる2589校にのぼる。 病気や出産・育児で休む教員の穴埋めすらできない「担任不在」の異常事態が広がっている。 さらに目を引くのは、その残酷なまでの地域格差である。 東京都や一部の政令指定都市では不足がゼロである一方、小学校における不足校の割合は、熊本市で39.1%、島根県で33.3%に達している。 地方から、教育というインフラが音を立てて崩れ始めていると言っていいだろう。 世の中はNISAだ株高だと騒がれているが、社会にとって最も効率が良く、確実な未来へのリターンをもたらす投資とは「教育」のはずだ。 その教育現場から人が消えつつある現状は、国家的な損失である。 学校の先生の待遇は少しずつ見直されてはいる。 悪名高い「給特法」により、これまで教員には時間外労働に対する残業代が原則支払われず、一律で月給の4%にあたる「教職調整額」が上乗せされるのみだった。 この状況を受け、処遇改善を目的に、教職調整額を26年1月から毎年1%ずつ、段階的に10%まで引き上げる法令改正が行われた。 しかし、待遇を少し改善しただけで解決するほど、事態は単純ではない。 若くてやる気のあるいい先生ほど辞めやすくなっているそうだ。 その原因の一つは、保護者との関係だ。 保護者からの多様な要望や、時には理不尽とも言える厳しいクレーム。 そして複雑化する子どもたちの状況への対応は、教員にとって想像を絶する精神的ストレスとなっているという話を聞いた。 なぜ、本来は協力し合うべき保護者と教員が、対立構造に陥ってしまうのか。 背景には、貨幣経済に頼りきった社会の病理があるように思う。 私たちはいつの間にか「税金を納めているのだから、サービスを提供して当然だ」と、学校という場にすら「消費者」の顔で向き合うようになってしまったのではないだろうか。 しかし、どれだけ税金を払い、どれほど立派な制度を整えても、お金のむこう側で実際に子どもたちと向き合っているのは、生身の人間である。 人がかつてない勢いで減っていくこれからの社会において、「お金さえ払えば誰かが完璧な教育を提供してくれる」という幻想は、そろそろ手放す時期にきている。 提供する側と要求する側という冷たい対立構造を降りて、少しだけ現場の先生たちに歩み寄ってみる。 一人の「消費者」であることをやめ、共に子どもを育てる当事者として同じテーブルにつく。 子どもたちが希望に満ちた顔で、新しい学年を迎えられるかどうかは、大人一人ひとりの向き合い方にかかっているのではないだろうか。 ※AERA 2026年3月23日号 田内学…