サッカー界に「ビニシウス法」導入へ。口元を隠しての対峙は警告の対象にサッカー界が長年抱えてきた「人種差別」という闇に対し、国際サッカー評議会(IFAB)がついに大鉈を振るうこととなった。2月末に開催されたIFAB年次総会において、選手が口元をユニフォームなどで隠しながら相手選手に話しかける行為に対し、罰則を設ける新ルールが事実上合意に達した。通称「ビニシウス法」と呼ばれるこの新規定は、今年6月に開幕する北中米ワールドカップ(W杯)を前に正式承認される見通しだ。■ 導入の引き金となった「ベンフィカ戦の悲劇」新ルール誕生の直接的な要因となったのは、2月17日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のベンフィカ対レアル・マドリード戦だ。決勝ゴールを決めたブラジル代表FWビニシウス・ジュニオールに対し、ベンフィカのアルゼンチン出身MFプレスティアーニが接近。ユニフォームで自らの口元を覆い、外部から読唇術などで内容を判別できない状態で何らかの言葉を投げかけた。直後にビニシウスは主審へ駆け寄り、「サルと言われた」と激昂。試合が一時中断する騒動へと発展した。事態を重く見たUEFA(欧州サッカー連盟)はプレスティアーニに対し、1試合の暫定的な出場停止処分を科している。■ 「証拠隠滅」を許さない厳格な運用へ英紙『The Guardian』によると、新ルールでは以下の行為が**イエローカード(警告)**の対象となる可能性が高い。対戦相手と対峙した際、手やユニフォームで口を覆って発言する行為抗議行動として一方的にピッチを離脱する行為これまで、ピッチ上での差別的発言は「証拠不十分」として見逃されるケースが後を絶たなかった。口元を隠す行為を禁じることで、審判員やカメラによる監視を容易にし、卑劣な差別行為を根絶する狙いがある。■ 「人種差別主義者の居場所はない」スペイン紙『AS』はこの決定を、「FIFAが長年取り組んできた差別との闘いが、極めて真剣なものであることを示すもの」と高く評価。「サッカーに人種差別主義者の居場所はない。試合中にこのような行為が行われないよう、ルールの微調整は不可欠だ」と伝えている。スター選手であるビニシウスが受けてきた執拗な攻撃が、ついに競技の根幹である「ルール」を動かすこととなった。北中米W杯から運用が始まれば、選手のプレースタイルやコミュニケーションのあり方にも大きな変化をもたらすことは間違いないだろう。サッカー界に『ビニシウス法』が誕生、ユニホームなどで口覆い差別用語を…スペイン紙「サッカーに人種差別主義者の居場所はない」 [久太郎★]…