
BOXING BEAT(ボクシング・ビート) 2025年7月号 (2025-06-16) [雑誌]フィットネススポーツ2025-06-16BOXING BEAT(ボクシング・ビート) 2025年6月号 (2025-05-16) [雑誌]フィットネススポーツ2025-05-161: 以下、名無しで筋肉速報がお送りします 2025/06/20(金) 17:17:57.70 ID:Cii2BkYn9 ◆プロボクシング ▽WBO世界ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者・ブライアン・ノーマン(5回KO)同級2位・佐々木尽●(6月19日、大田区総合体育館) 日本人初のウエルター級世界王者を目指したWBO同級2位の佐々木尽が、王者ブライアン・ノーマンに5回KOで敗れ、歴史的番狂わせでの王座獲得はならなかった。左フック一発で意識を飛ばされ、試合後は病院に搬送された。同級世界戦の日本開催は36年ぶり3度目。日本人選手の同級での世界挑戦は、16年ぶり6度目(5人目)。ミニマム級(47・6キロ以下)からミドル級(72・5キロ以下)までの13階級で日本人が唯一戴冠したことがない最激戦階級の分厚い壁に、またしても阻まれた。(観衆3200) 左フック一発で、日本ボクシング界と佐々木の夢は打ち砕かれた。5回、佐々木の左ボディージャブの打ち終わりに、ノーマンが左フック一閃(せん)。佐々木は糸の切れた操り人形のように倒れ、後頭部を打ちつけると大の字で天を仰いだ。カウント途中に、セコンドの中屋廣隆チーフトレーナー(71)が棄権の意思を表明。13歳の時からボクシングのすべてをたたき込んだ恩師が、まな弟子の挑戦に終止符を打った。 戦前の予告通り、試合開始のゴングから勝負をかけた。ボディーへの左ジャブで果敢に攻めたが、ゴングからわずか35秒、ノーマンが放った最初の左フックでダウンを奪われた。直後に左右左の連打で再びキャンバスをはわされた。2回以降、佐々木は自らを鼓舞するように「打ってこい」と叫びながら気力で反撃した。しかし、歴史の扉をぶち破ることはできなかった。ダメージが深く、リングから担架で運ばれ、病院に緊急搬送された。中屋一生会長は、病院でCT検査などを受けた結果「出血などのけがはなかった」と説明。ただ後頭部を打ち「ここ1か月半の記憶が飛んでいる。試合が決まったことも覚えていない」として、20日に病院で検査すると報告した。 型破りな言動の裏には、深く刻まれた挫折の記憶があった。高校合格当日、中屋トレーナーに「世界チャンピオンになります」と誓った。しかし、高1で出場したアマチュアの試合は1勝3敗。「自殺しようと思ったぐらい悔しかった。そこで心に火がついた」。17歳でプロデビュー後も、2度の計量失敗と、左肩腱板(けんばん)断裂による手術。夢への道は何度も閉ざされたが、そのたびに立ち上がった。 今年3月、米ラスベガスに「挑戦状」を持参してノーマンに対戦を直訴し、日本ボクシング界の未踏峰への挑戦権を得た。「日本の歴史を変えるために生まれてきた」。まだ23歳。人生をボクシングにささげた若武者の拳が切り開く未来は、きっと新たな歴史となるはずだ。(勝田 成紀)…