144 :おさかなくわえた名無しさん 2009/09/15(火) 01:35:49 ID:WEZ5EIVS 今から10年位前、近所に新しく出来た家電量販店の開店セールで並んでいた時の事。 俺の狙いは激安PCだったんだけど、競争率が高そうだから深夜から並び始めて先頭をキープしていた。 冬場だったんで防寒装備もしていたが、寒くて意識も朦朧としてくるうえに尿意が襲ってくる。 そんな時、ホームレスのおっさん(50代はげちゃびん)が話しかけてきて、なんで並んでるかとか色々聞いてきた。 普段なら口も聞きたくないところだが、気がまぎれるかなと思って開店セールのことを話して聞かせた。 それはいい事を聞いたとばかりにおっさんは俺の後ろに並び始め、 こちらもトイレとか缶コーヒーを買いに行く際におっさんと組んだ方がいいと思い色々と話すこととなった。 そこでおっさんが身の上話を始めたが、成人した子供が二人居ること、 以前は一部上場企業の課長だったこと、産業用システムの設計をしていたとのこと、 リストラにあって離婚し独り身になったことなどを聞かされた。 自分も工学系の学生だったが、おっさんの話は技術的には多少古い時代のことがメインだったが、 一般の人では知らないことなども専門用語を使いしっかりと話していた事を憶えている。 リストラで離婚、しばらく自暴自棄になった後、お決まりの堕落だよと自嘲気味に言っていたな。 生活は慣れればなんとかなるが、もう一度家族に会いたいけど合わす顔がないとのことだった。 少し複雑な気持ちになりながら一夜を明かしたが、 あのおっさんが家族と一緒に暮らす事を本当に夢のように語ってた事を思い出すと、 今でも物悲しいようなもどかしいような気持ちになる。…