66: 風吹けば名無し 2019/02/11(月) 05:01:55.49 ID:d7aPmqSga小学校低学年の頃、学校から帰ると叔父がいた。叔父は青ざめてて生気がなく、俺の顔を見ても「おかえり」としか言わない。叔父は関東の隅っこの山の麓で嫁さんと二人暮らしのサラリーマン。小学生が帰っている時間に都内のうちにいるのはおかしい。子供心になにかよくないことがあると思って聞けなかった。夕食。叔父も父も母も妹も、一言も喋らずに黙々とご飯を食べた。突然叔父が箸をおいて口を開いた。こんな話。一週間ほど前、「うちの犬が毎日昼の決まった時間になると狂ったように吠えて、ご近所に肩身が狭い」と嫁さんが言い出したらしい。叔父は「犬には犬の社会があるんだよ」とテキトーに流した。それからも犬の奇妙な行動は続いたらしく、少し恐くなった嫁さんは昼時には家をあけるようになった。叔父はくだらないことで脅える嫁さんに腹が立って、今朝「今日は早く帰ってくるから、家にいろ」と言って家を出た。…