1: 1ゲットロボ ★ 2025/11/25(火) 12:30:59.62 ID:+N7hM1DR9 「日本の水中考古学の出発点」とされる琵琶湖北部の葛籠尾崎(つづらおざき)湖底遺跡で、1万年以上前のものとみられる縄文土器がほぼ完全な形で残っている様子が滋賀県などの調査で確認された。最新鋭の水中スキャナーを使った手法が漆黒の湖底の3D把握を可能にした。調査の難易度が高い各地の水中遺跡の解明にも大きく寄与しそうだ。 県が11月25日発表した。県は奈良文化財研究所の委嘱を受けて10月、4連カメラを装着した水中スキャナーを使って琵琶湖の葛籠尾崎の南30~50メートル付近の水域を、東西約200メートル、南北約40メートルの範囲で探査した。海底ケーブル調査向けのシステムを文化財調査で導入し、人が潜水困難な水深30メートル以上の深い水域の地形や遺物の散布状況などを立体的に可視化した。 その結果、水深64メートルの湖底で、底がとがった尖底(せんてい)土器が見つかった。県などの研究グループは形式や押型文があるとみられることなどから、神宮寺式もしくは神並(こうなみ)上層式の土器と鑑定した。年代はこれまでに同遺跡で発見されたなかでも最も古い縄文時代早期前葉~早期中葉初期の1万1千~1万500年前のものと推定した。土器の高さは約25センチと推計された。 地上の遺跡で発掘される遺物の多くは破損状態だ。こうした土器がほぼ無傷で見つかることは非常に珍しく、水中遺跡ならではの発見といえそうだ。 動画には、今回確認された土器の周辺で、この土器より8千年以上新しい古墳時代中期(約1500年前)の土師器(はじき)の甕(かめ)計6個が、12メートル四方の範囲に並ぶように映っていた。 水中遺跡の探査に詳しい国学院大学の池田栄史(よしふみ)教授(水中考古学)は「今回の調査では深い水域にある遺跡でも人間が潜水して調べるのと遜色のないデータが得られた。大型の潜水調査船に頼らずに特に波や水流の静かな内海や湖で、水中遺跡の調査が大きく進むことが期待される」と話す。 全国には400近くの水中遺跡がある。葛籠尾崎湖底遺跡は1924年、縄文土器が底引き網漁で見つかったことを機に発見された。これまでも漁などにより、縄文~平安時代の土器約200点が見つかっている。だが調査が難しい深い湖底にあるため、全容は謎に包まれている。 遺跡の成立は近くの陸地からの土器流出、祭祀(さいし)や葬送、遺棄や廃棄、地震による陸地の陥没、船の転覆や事故――の諸説が唱えられているものの、特定には至っていない。(永井靖二、高田誠) ■陸上の遺跡ではほぼ起こり得ない 琵琶湖の水中遺跡に詳しい矢野健一・立命館大学特任教授(考古学)の話 1万年以上も昔の土器がほぼ完全な形で残っているのは、陸上の遺跡ではほぼ起こり得ない。水中遺跡ならではの発見といえる。 また、以前にこの遺跡で見つかった縄文土器は底引き網でかかったものだったため、今回の調査で湖底にどのような状態で存在していたのかが分かったことも重要だ。 同遺跡は、水深が80メートルを超える湖底に連なる谷型地形の一帯にある。地殻変動による沈降が続き、谷型地形が土砂などで埋まらなかったことが、遺物が湖底に長期間、埋まらずにいた要因になったと考えられる。 今回の発見は、遺跡の成因や一帯の地質学的なメカニズムの解明にも資するものといえる。 朝日新聞社 引用元: ・【ドキドキ】琵琶湖底に1万年以上前の縄文土器 ほぼ完全形 水中スキャナー撮影 [1ゲットロボ★]…