1: シャチ ★ Ak9UME/z9 2025-11-07 03:06:00 第1回【秋田県知事が支援要請も「自衛隊にクマは撃てない」は本当か? 1960年代には「害獣の棲み処」に陸海空3自衛隊が“猛攻”をかけた実績も】からの続き──。秋田県の鈴木健太知事は10月28日、防衛省で小泉進次郎防衛相と面会した。秋田県は相次ぐクマの出没と被害に悩まされている。(全3回の第2回) *** 鈴木知事は「クマ問題が長期化し、現場は疲弊している。県内のマンパワーや資源では対応できない」と訴え、自衛隊の出動を要請した。担当記者が言う。 「ニュースを見た人の中には『自衛隊がクマを駆除する』と誤解した人もいると思います。しかし鈴木知事も小泉防衛相も“武力行使”までは考えていないようです。あくまでも実際の駆除は地元の猟友会が行い、自衛隊は“後方支援”に回ると見られています。具体的にはワナを設置しての巡回や、付近住民の安全確保、クマ目撃情報の対応と集約という任務になるでしょう」 これに反対する声も決して少なくない。例えば元航空幕僚長の田母神俊雄氏はXに《銃を使っての駆除は行わないということだ。それならなぜ自衛隊が派遣されるのか》、《自衛隊の行動を縛るべきでない》と投稿している。 だが軍事ジャーナリストは「あまりクマの能力を過小評価しないほうがいいと思います」と警鐘を鳴らす。 「『ヒグマは巨大で凶暴だが、ツキノワグマは小型で臆病』というイメージもあるようですが、これは全く事実に反しています。ツキノワグマでも体長が180センチに達し、体重も100キロを超える個体はいます。さらにツキノワグマは時速50キロという非常に早いスピードでの移動が可能です」 特殊部隊の隊員でもクマに負ける 時速50キロがどれほど早いか、100メートル走の世界記録保持者であるウサイン・ボルト氏の時速は37・6キロだ。 「ボルト氏の1・5倍のスピードですから、どれほどツキノワグマが早く走るか、数字が歴然と示しています。さらにツキノワグマの“腕力”や噛む力は突出しています。『前足で鉄筋をへし折った』、『鉄板をかみ砕いた』という目撃情報があるほどです。これほどの運動能力を持っているのですから、興奮して凶暴化すると人間の手には負えません。アメリカ軍の特殊部隊、陸軍のデルタフォースや海軍のネイビーシールズの隊員が3人1組でツキノワグマに立ち向かっても、重傷を負ったり死亡したりする危険性は高いと思います」(同・軍事ジャーナリスト) なぜ特殊部隊の隊員であってもツキノワグマに勝てないのか、クマの傑出した身体能力は見た通りだが、もう一つの大きな理由は装備だ。陸上自衛隊の主力小銃は89式5・56mm小銃。アメリカの戦争映画でおなじみの自動小銃M16の口径も5・56mmだ。 ここで重要なのが国際法のハーグ陸戦条約だ。非常に単純化すると戦争の“ルール”を定めている条約であり、重要な考えの一つに「非人道的な兵器の使用は禁止する」というものがある。 「完全被甲弾」の罠 「つまり敵の兵士であっても、必要以上の攻撃を加えてはならないわけです。その一例として弾丸の種類があります。ハーグ陸戦条約は『完全被甲弾(フルメタル・ジャケット)』の使用を推奨しています。この弾丸は全体が真鍮の一種で覆われているため、当たっても貫通する確率が高くなります。このため完全被甲弾で撃たれた兵士は“過剰な苦痛”から免れる可能性と、後方の医療施設に送られる可能性が高まるというわけです。一方で銃弾には『ホローポイント弾』というものもあります。こちらは命中すると破裂したようになり、体の広い範囲にダメージを与えます。貫通することも少ないので、腹部に当たると内臓のあちこちを傷つけて致命傷を与えます。そしてハーグ陸戦条約はホローポイント弾を非人道的と見なして使用を推奨していません。ところが狩猟の場合は全てが逆になるのです」(同・軍事ジャーナリスト) もちろん陸上自衛隊はホローポイント弾を持っていない。一方、欧米のハンターは熊狩りでは炸裂するタイプの弾丸を使う。日本のハンターは散弾銃だ。その口径は18・5mmが一般的だ。M16の口径に比べると3倍を超える。それだけ威力が強いのは言うまでもない。(以下ソースで デイリー新潮…