1: 2025/10/08(水) 13:48:24.24 ID:PZNhSLfT9 2025/10/08 12:10 漫画家・イラストレーターの江口寿史氏による、写真を無断でトレースして商用利用する、いわゆる“トレパク”問題が波紋を広げている。 複数の企業が使用していた江口氏のイラストを取り下げている状況だが、新たな疑惑も相次いで発覚しており、問題がどこまで広がるか現時点ではわからない状況だ。 商用作品における“パクり”問題はこれまで何度も起こっており、問題視されてきた。にもかかわらず、こうしたことが起き続けるのはどうしてだろうか? この問題を防ぐための手立てはあるのだろうか。 (中略) こうした動きの背後には「特定班」と呼ばれるネットユーザーの動きがある。彼らは、江口氏の作品の元ネタとなった画像を調べて特定し、SNS上で報告し合っている。これによって、数々の“パクり”疑惑が露呈している状況だ。 江口氏の行為は、「肖像権」「著作権」「パブリシティ権」の侵害の可能性があると指摘されているが、現状では明確ではない。 また、火種となったルミネ荻窪のイラストは、モデルとなった女性から承諾を得られている。法律的には問題ない状況になったはずだ。なぜ、違法行為が確定していない段階で取り下げられたのだろう? 広告をはじめとする商用ビジュアル・デザインに関しては、「法に触れていなければ問題ない」という言い分は通用しない。法に触れないことは必要条件だが、十分ではない。広告・宣伝においては何よりもイメージが大切だ。今回のような疑惑が生じた時点で、撤回になってしまうのは必然的なことである。江口氏のXの投稿文を見ていても、この辺の意識が希薄だったように思えてならない。 模倣、あるいは盗用なのか、あるいは(“パクり”ではない)独自の創作物なのか――というのは、明確な基準があるわけではなく、判断が難しい。だからこそ、既存の創作物に「できるだけ似ないようにする」ということが重要になる。筆者が広告会社に勤務していた際も、「これは○○に似ているから、修正してください」のようなやり取りを何度か目にしたことがある。 盗用疑惑が巻き起こった有名な事例として、アートディレクター・佐野研二郎氏デザインの東京2020オリンピックの公式エンブレムがある。最終的には、佐野氏から取り下げの希望を受け、東京五輪・パラリンピック組織委員会はエンブレムの使用中止を決定した。 直近では、2022年に人気イラストレーター・古塔つみ氏の作品の多くが“トレパク”だということが、SNSで相次いで指摘された事案が思い起こされる。2019年には、「銭湯絵師見習い」として活動していたアーティストの勝海麻衣氏が、大正製薬のエナジードリンク「RAIZIN」のイベントでライブペインティングを行った際に描いた絵が、イラストレーター・猫将軍氏の作品に酷似しているという指摘を受けた。 2024年に発刊された書籍『マンガ・イラストにすぐ使えるキャラポーズ図鑑 自然なしぐさからアクションまで あらゆるポーズ1800』に、トレースの疑いがある図版が多く含まれているとして、出荷停止、絶版となった。 ネット上での「特定」はさかんに行われているが、事前にトレースを見抜くことは難しい。(中略) 江口氏の件にしても、今でこそ特定が相次いでいるが、逆に言うと、現在まで気付かれることなく放置され続けていたということになる。それでは、解決策はあるのだろうか? クリエイターが以前の感覚が抜けないまま、つい模倣や盗用に当たる行為をやってしまった――ということが起こりえる。 また、問題が発覚した場合も、クリエイター本人が正直に企業側に伝え、情報を公開し、問題行為があったら謝罪を行うのが最善の対応策だ。 江口氏は沈黙を続け、第三者が相次いでトレースを指摘する状況になっているが、これは好ましい状況ではない。自ら先手を打って対応すれば、特定活動も沈静化するし、批判も収まりやすい。過去の事例を見ても、過ちを認めて謝罪を行った人は、創作活動を続けることができている。 今回の“トレパク”問題が起きたのは非常に残念に思っている。やってしまったことをなかったことにすることはできないが、せめて後始末はしっかりやってもらいたいと願っている。 全文はソースをご覧ください…